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デス・ストランディングをやった

3月から在宅勤務を続けている。で、しばらくは遠出もできないので自分の冒険欲を満たすため、PS5もチラチラ見えている時期にPS4を買って、デス・ストランディングを始めた。

そして今、ストーリーはクリアして後はまだやってないお使いをやったり、強い敵と戦ったり、とかになっているので、ここで感想を書いておこうと思う。以下はネタバレとまでは行かないけれど、まっさらな状態でプレイしたい人は注意。

独特な世界観

舞台はいろいろあって崩壊後のアメリカ。そこまではまあよくあるけど、デス・ストランディングの世界は物理的な戦争や災害で崩壊したというより、もっとオカルト的な何かだ。「ビーチ」と呼ばれる、個人特有の精神世界を通して、現世とあの世が繋がってしまい、「BT(座礁体)」と呼ばれる死者が現世に現れてしまった。BTと人は「対消滅」を起こすため、あちこちで大爆発が起こり世界はメチャクチャになってしまった。

この世界観はニンジャスレイヤーを履修していると理解が早い。ニンジャスレイヤー用語で言えば、ローカルコトダマ空間を介してオヒガンと現世が繋がってしまい、オヒガン・ボムが各地で起こってしまったのだ。作中「ビーチ」は「カイラル通信」と呼ばれる、大容量ゼロ時間通信に利用されるし、「カイラルジャンプ」と呼ばれるテレポーテーションも「ビーチ」を通る。まさにコトダマ空間とインターネットの関係と言ってよい。だから、ニンジャスレイヤーのそういう精神世界とネットが混じったような世界観が好きな人は楽しめると思う。

ゆるいつながり

主人公サムは接触恐怖症とされ、あまり他人と深く関わりたくない感じ。各地の対消滅でアメリカはボロボロになってしまったし、BTはウロウロしているし、物を急速に劣化させる「時雨」は降るし、死んだ人の遺体をほっておくとこれも大爆発するしで、生き残った人も各地に孤立している。

そんな中サムはポーター(配達人)として、あそこにこれを持っていって、危険なあそこからあれを回収してきて、などのお使いをこなしていくのだが、大部分のやりとりは配送端末で行い、各地の住民はホログラムでのみ姿を見せる。人と人が会うこと自体あまり無いのだ。

それでも、いろいろお使いをこなしていくと人々の態度は変わっていくし、いろいろ新たな装備が作れるようになったり、物資をくれたりしていく。お使いの代価はお金ではなく「👍いいね」なのだ。

さらに本作はインターネットを介して他のプレイヤーのゲームと接続しているが、これは他のサムが画面内に現れたり話したりするわけではない。他のサムが通った足跡、架けた橋や停めたトラック、置いて行ったアイテムなどがランダムにフィールド上に現れるだけなのだ。こちらは便利な橋には「👍いいね」していくし、逆に自分の架けた橋が他の世界で「👍いいね」をもらっていることもある。

こういうゆるいつながりのおかげで、プレイヤーは義務感で何かをするわけではなく、他人にちょっといいことをすると自分もちょっと気分がいい、くらいのテンションでゲームを進められる。まあヒロインはピーチ姫してるんだけど、そんなに旅を急ぐ必要もない。

ノーマン・リーダスがかわいい

主人公サムをCGとモーションキャプチャーで演じるノーマン・リーダスは、憂いを帯びたタフなおっさん。しかしこのタフなおっさんはBTを感知するために、お腹に「BB」と呼ばれる胎児を入れたポッドをくくりつけて旅をする。このBBはサムが転んだり、戦闘になったりするとストレスを溜めて泣き出してしまうので、プレイヤーはコントローラを揺すって赤ちゃんをあやしながらサムを操る。

当然話が進むとサムもこの赤ちゃんに愛着が湧いてきてしまう。お腹にいる赤ちゃんに愛着の湧いてきたノーマン・リーダス。俺たちは一体なにを見せられているんだ?タフなおっさんの擬似妊娠とかゲーム制作者の性癖が濃すぎないか?

ノーマン・リーダスのスタミナも無限では無いので、プレイヤーはたびたび個室で休息を取らせることになる。個室ではシャワーを浴びさせたり、トイレ(大および小)に行かせたり、鏡の前でいろいろなポーズを取らせたりすることができるぞ。これがかわいい。

BTがこわい

ゲーム中何度も戦うことになるBTだが、何しろ死者の世界から来ているので割と見た目がホラー。フィールド上ではBTのいる危険地帯があり、そこで時雨が降っているとBTが現れる。普通の人やサムにBTは見えないが、BBのおかげでぼんやり見える。土砂降りの雨で薄暗い風景の中、幽霊の影が見えるような感じ。

BTに気づかれると彼らはサムを引き摺り込もうとする。地面からタールのような黒いヌルヌルに覆われた無数の人影が出てきてサムを引き倒そうとしてくる。BBは泣き喚くし…完全にホラーだ!俺ホラー苦手なんだってば!

ここで引き摺り込まれてしまうと、ボス戦のようなものになる。周囲はタールの海に沈んでしまい、うまく走れない。ボスBTもなんか…タールのように黒くヌルヌルしたタコみたいなやつだったり、体はライオンみたいだが顔の代わりに無数の触手が生えていたり、見た目気持ち悪い。またフィールドにはデス・ストランディング、つまりイルカや鯨の大量座礁、その死体がゴロゴロしていたりする。これは現世に座礁してきた死者との戦いなのだ。

普段のお使いが綺麗な山や湿原な分、そこにBTなるオバケが侵食してくるのは怖い。倒すとカラッと晴れたりするんだけど。

ナムの地獄もこわい

フィールドでのBTとの戦いはある程度避けられるが、ストーリー上何回かは特殊なフィールドで「戦争」を体験することになる。ここではBT戦とはまた違ったFPS的な戦いをすることになり、第一次大戦の地獄の塹壕戦の風景の中に、イルカや鯨の死体がゴロゴロ落ちていたりする。これもこわい。

ミュール戦は楽しい

「ミュール」は元はサム同様の配達人だったが、配達依存症になってしまった結果他の配達人の荷物を奪っては溜め込むだけの迷惑集団になってしまった人たち。フィールド上の特定の場所に基地を作り、荷物を溜め込んでいる。ミュールはサムの荷物を狙ってくるので戦闘になるのだが、サムが殺されてもミュールが死んでも対消滅が起きてしまうため「不殺」の戦いになる。

ミュールとの戦いを避けてもいいのだが、建設物を作るための資源も溜め込んでいるので、ミュール基地から奪ってくるのが手っ取り早い(元々配達中の資源を彼らが奪って溜め込んだものだが)。非殺傷武器であるゴム弾や睡眠ガスを使って倒せば気も楽だし…ただどっちが配達依存症だよって話にはなるよね。

そんなこんなで楽しかった、デス・ストランディング!


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