モエトロンのデザイン その2
大量の自立型フィギュアと戯れる準備はいいか? 今回はモエトロンというアグレッサー(敵)について掘り下げよう。
古今東西の物語に置いて、敵は重要な役割を果たす。ではアナログゲームではどうだろうか。ここで注意したいのが、君の目の前に座ってカードをしばいている人間は、正しくは敵ではない。対戦相手と呼ぶべきだ。
新宿MAYHEMでは、敵がいる。アグレッサーだ。このアグレッサーは、プレイヤーに等しく邪魔をしてくる。(もちろんメリットもある。勝利点や戦闘後のボーナスだ。)この時、あなたは他の対戦相手とともに、モエトロンと戦う必要があるだろう。敵(モエトロン)の敵(対戦相手)は味方、今やあなたの対戦相手は心強い仲間になるだろう。
今までの新宿MAYHEMでは、アグレッサーはアグレッサー・デッキで倒すことがメインだっただろうが、今回のエイジ・オブ・モエトロンでは、アグレッサーが大量にストリートにあふれてくる。(君は『アベンジャーズ』の映画の2作目を観たか?)
アグレッサーが大量にストリートに出てくるということは、それだけストリートからストライカー(味方)を雇用することが難しくなるということだ。私はプレイデザインのNJに相談した。
私「ストリートにモエトロンがたくさん出るんだ」
NJ「そりゃクールだね」
私「ストリートからストライカーが消えてしまうかもしれない」
NJ「ただ、モエトロンが倒されればストライカーがまたストリートに戻ってくるだろう。別にいいんじゃないか」
私「OK」
NJ「むしろストリートで倒した方がいいアグレッサーとかどうだろう」
この後私は以下のカードをディベロップに提案した。
ご紹介しましょう、新時代のアグレッサーです。このアグレッサーがいると、プレイヤーは「ストリートに出てから倒した方がいいのでは?」とモエトロンの思惑に乗せられてしまうかもしれない。ゲームプレイは更に複雑化するだろう。今までにないデッキ構築型ゲームが、更に今までにないゲームになるのだ。
ある時、ディベロップのNJが私に話しかけてきた。
NJ「せっかくモエトロンが街にあふれるのはいいんだけど、アグレッサーはストリートからアウトしたら終わりじゃないか。つまらない」
私「じゃあストリートからアウトされてもまだ戦えるにしよう」
そうしてできたのが、モエトロンの包囲という能力だ。
包囲を持つモエトロンがストリートから倒されずにアウトされたとき、それらは指定されたエリアを包囲する。包囲されているエリアのアクションをプレイヤーは行うことができない。モエトロンたちをストリートで倒せなければ、神鳴町(かなきちょう)がどんどんモエトロンに支配されていくのだ。
包囲されたとしても、そのエリアを包囲しているモエトロンを倒せば街は解放される。どのプレイヤーもモエトロンに立ち向かうことを余儀なくされるのだ。
エイジ・オブ・モエトロンでは、ストライカーやその他のカードも追加される。次回はそれらのカードを紹介できる予定だ。その時まで、あなたが必要な攻撃力に恵まれますように。
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