第294回 円安倒産の話(投資の話)

はじめに

 先日、Twitterを見ていたら円安倒産がトレンドに上がっていました。そこで円安倒産をリツイートしている人が多くて、政府、日銀批判をしているツイートもあったので内容を見てみました。今回はそんな話です。

内容確認

 「円安倒産」と検索してもらえれば出てくると思いますので確認してください。まず、どこが出した記事なのか?帝国データバンクでした。まあ倒産情報なら帝国データバンクか東京商工リサーチのどちらかでしょうね。記事としては信用に値するものです。
 記事のタイトルは「スピード円安」で急増 円安倒産、8月は「6年ぶり」高水準でした。中身は後でお読みいただくとして、急増した件数は何件だと思いますか?100件?1000件?10000件?、私は円安に限ったことですから正直100件ぐらいかなと思っていました。それが7件だったそうです。で、先月、先々月はというと1件、なんと7倍に増えています。驚きですね、記事の通り急増ですね。ちなみに6年前は多い月は20件程です。記事の内容としては正しいですし、何も間違ったことを言っていません。
 ちなみに8月の倒産件数(負債1000万円以上)は東京商工リサーチ調べでは492件です。193件がコロナ関連だそうです。

投資の話

 確かにタイトル通り急増していますし、高水準なんでしょう。ただ、内容を確認しないと8月が7件だったことはわかりません。
 ここからは投資の話をします。投資をする上でニュースのタイトルを見ます。新聞では大きな見出しを読みます。そうするとそうなんだろうなと思って判断をします。で、今回のような話をタイトルだけ読んでいると、円安でたくさん倒産しているみたい、これからどんどん倒産する。ドミノ倒産もありえるかもしれない。なんて判断してしまうかもしれません。
 投資の材料とするためには、内容をしっかり吟味しなくてはいけません。思っていたことと違うことも多々あります。今回の記事で理解していただいたと思います。

まとめ

 今回は決して記事批判ではありません。記事の内容は正確です。ただ、その時に内容を読むのと読まないのでは印象がぜんぜん違うと思います。読まずに勘違いするのは自分が悪いのです。今回はそんな話がしたかった回だと思ってください。
 この文章が誰かの役に立つと嬉しいです。

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