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はじめての京都一人旅日記②(人と話せない編)

京都へ一人旅に行った。

目的は2つ。
知らない人と話すこと。
知らないことを知ること。

ルールは3つ。
行き先を(宿以外)事前に決めないこと。
行き先を現地の人に尋ねて決めること。
Googleマップやネットは、行き方を調べる以外に使わないこと。

なんとなく仲良しと旅行に行くことに渇きを感じていた私は、普段の真反対の旅行、それは一人旅で、行き先を事前に決めなくて、現地でもネットで調べないで、知らない人とコミュニケーションをとって、感じたことを自分で咀嚼する旅に行くことにした。

(以下、自分語りが続きます。旅がはやく始まって欲しい人は次の記事へ)


知らない人とコミュニケーションをとって、と簡単に書いたが、普段の私にとって、それはあり得ないことだった。とにかく人と話すことに苦手意識があり、それゆえなるべく知らない人と話すことを避けて生きているからだ。

人と本音で話すことは好き。社交辞令的な会話は嫌い。

そのため希薄な関係から脱しない知らない人、あんまり会わない人とする、その場限りの会話、目的のない会話が本当に苦手だし嫌いだし上手くいかなかった。向いてないことは無理にしなくていいや。友達はいるし、生活はまあまあ楽しいし、一人が楽だし。

わがままで幼稚な人間関係の築き方に甘えてきたことは自覚している。自分の話をやさしく聞いてくれる人としか話してこなかったと思ってる。苦手と向き合う美学があることも知ってる。努力したこともある。でも、無理なものは無理だった。

でも、この劣等感をあっけらかんと突き放すことのほうが無理だった。テトリスみたいに積み上げられていく会話の中、あの長細い水色の棒でスカッと笑いをとる人が、心の底から羨ましかった。この嫉妬は、劣等感は、私の首を絞め続けた。

たぶんこのままではほんとに息ができなくなる。

そんな焦りもあり、この旅では知らない人と「楽しく」会話できなくてもいいから、とにかく「会話を自分から始める」ことを頑張ることにした。ちょっとでも何かが変わるように。

家をお昼前に出て、東京駅で新幹線に乗り、14時過ぎに京都駅に到着。
そのまま地下鉄の烏丸(からすま)線でホテル最寄りの九条駅へ。

知らない土地の、知らない電車。
降りる駅を間違えないように、車掌さんのアナウンスに耳を傾け続けた。
ワクワクとドキドキがマーブル状に混ざり合った私の心を、電車は平等に目的地まで運んだ。

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