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はじめての京都一人旅日記③(冗談を言いたい!編)

家をお昼前に出て、東京駅で新幹線に乗り、14時過ぎに京都駅に到着。
そのまま地下鉄の烏丸(からすま)線で詩のホテル最寄りの九条駅へ。

知らない土地の、知らない電車。
降りる駅を間違えないように、車掌さんのアナウンスに耳を傾け続けた。
ワクワクとドキドキがマーブル状に混ざり合った私の心を、電車は平等に目的地まで運んだ。

電車を降り、改札へ向かう。
「こっちで合ってるかな」という不安と緊張のせいか、駅構内に展示されている最果タヒさんの詩を一部見逃して改札を出てしまった。

他にもたくさんあったよ

チェックインまで時間が少しあったのでホテル周辺を散歩する。

こういう看板になぜか惹かれる
見たことない花がいた
右下のたぬきに気づきましたか

ホテル側に九条駅を出たところは、飲食店がぽつぽつとしかなく、住宅もポツポツとしかなく、小学校やクリーニング屋さんや精肉店がぽてぽてとあるのみだった。閑散としているが、人の生活が確かにあって、いいところ。

散歩に満足したのでホテルにイン。

まだチェックインまで時間が20分くらいあり、ホテルの一階がオシャなカフェになっていたので、クラフトコーラの「ともコーラ」を頼んで時間を潰した。

ともコーラとメニュー表
スパイシーな味がした

しばらくすると、外国人のカップルらしき人たちが入ってきた。チェックインをしようとしている。手続きを終えたのか、ホテルのお姉さんと談笑している。一階には服も売っていて、それを見ながら外国人のお兄さんが「僕はおデブさんだからこの服は入らないね!ジャパニーズサイズ!」と明るい英語で言っていた。ホテルのお姉さんは笑っていた。

私もこうやって明るい冗談でも言えたらなと、羨ましくなった。
会話の中で、(正直つまんなくてもいいから、)ひと笑いあるのとないのとでは、相手との心の距離や会話の満足度が違ってくると思う。定量的に測れるものではないけど、そうだと思う。そんな難しく考えなくても、どんな会話でも最後は笑って終わりたい。笑顔で手を振って、またねって言いたい。

でも、人にはその人に合った冗談があるんじゃないかと思う。
私がその外国人のお兄さんみたいな冗談を言っても、たぶんスベる。それは私の見た目や性格や話し方が、その冗談に合ってないから。いかにも大人しそうでまったりした喋り方をする人間が外国人のノリをし始めても、相手はぽかんとするだろう。ゆりあんが大悟みたいなボケをしても(ウケそうだが)空回る可能性が高いのと同じで。(ウケそうだが)

自分に合った冗談って何だろう。
あんまり自分をカテゴライズして自分から型にハマっていくのは良くないと思うが、自分に合った冗談を理解していれば、冗談も言いやすくなる気がする。まずは喋り方が比較的私と似てる、行きつけのちいかわ好きな美容師お兄さんの真似でもしてみようと思う。お兄さん、独特な間が最高に面白いんです。

外国人カップルが部屋に通されると、ホテルのお姉さんは私にもチェックインの案内をしてくれた。

104号室に入った。目に飛び込んでくるのは、文字、文字、文字。
壁やドア、枕や机、ありとあらゆるところに詩が書かれている。感じたこと、思ったことをすべて語るととても長くなってしまいそうなので、番外編として書こうと思う。

一番気に入った詩を申し訳程度に貼っておく。

私は、ホテルのお姉さんにどうやって京都のおすすめの場所を聞こうか考えていた。パーマでダボっとした服を着た静かめオシャレお姉さんだったので、こっちもオシャレに話しかけないといけないかなとか考えていた。

部屋に置いてあったホテルのパンフレットらしきものがふと目に入り、パラパラしてみると、「ホテルおすすめオリジナルマップ」的な文言とQRコードがあった。読み取ってみると、スマホには「開けません」との文字。

ちょうどいいやん!
パンフレットを片手に、「あの…これ開けなかったんですけど…」とお姉さんに声をかける自分を想像しながら、部屋のドアを開けた。

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