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障がいのある生徒④〜生徒のことを思う先生たち〜

※このお話は、実話に基づいたフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 時間をかけて数回の会議で、教職員の思いや不安をすべて聴きました。賛成、反対ではなく「この子のために高校として何をしてあげられるのか」    「今、この子に何が大切なのか」を考えました。
・本校で学びたい意欲は高いことは全員が理解した
・不安や心配がいっぱいあることもわかる
・ここにいる全員の協力が必要である
・皆さんができないことは、私が率先して取り組む覚悟である
・本人、保護者は、「高校で学びたい」「病人として扱われたくない」「ケガをしても、もし死に至っても迷惑はかけない」との思いである

ほとんどの先生は、できることならば、本人の希望を聞いてあげたいと思っているが、はじめてのケースで、心配と不安でいっぱいでした。

『この中の一人でも、「もう無理」と思ったら、すぐに言ってください。本人と保護者にきちんと伝え、進路変更させます。』
という結論にしました。

 今までざわついていた会議室が一瞬静寂になりました。これ以降不安を口にすることができない状態になり、学校として受け入れる方向で最大限の取り組みを行うことが了承され、無事会議が終了しました。
 先生たち全員が持っている「生徒を思う」気持ちに訴えたのが良かったのでしょう。
 終了後、複数の先生が声をかけてきました。「本当に大丈夫でしょうか」「とにかくやってみるしかない」「無理かもしれないが、本人の希望の入り口には立たせてあげたい」などと話しました。
 さあ、これからが本当に大変です。「この子に何が大切なのか」を常に考え行動していくことにします。

6 受験での対応
・トイレに近い別室で受験
・お世話を担当する専任の先生を配置
・登下校時は、職員玄関を使用
・中学校の先生が別室で待機
などの配慮を行いました。本人も緊張の中1日頑張りました。その結果、無事に合格しました。
 さあ、これから学校生活を送るための準備に急いで取り掛かります。
                               つづく

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