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Uber、プライバシー団体に加盟 市のデータ収集に反発(翻訳記事)

北米を中心に Smart City の最新状況を紹介するメディア Smart Cities Dive に、"Uber, privacy groups form coalition to fight city data collection"という記事が掲載されていました。アメリカでは、現在自治体が新規参入する交通事業者(特にシェアサイクルや電動キックボードなどのマイクロモビリティ)にデータ提供を義務づけ、都市の交通をコントロールしようという動きが出ています。一方、交通事業者としてはこの記事でも紹介するようにUberがその施策に反発しています。交通とデータのルールが今後どうなっていくのかを決定する、注目に値する事案ですので、この記事を翻訳しました。

・ Jason Plautz
・ 2020年2月28日
・ 翻訳: 孕石直子

要旨:

• UberがCARS(ユーザの移動を監視することに反対する連盟: Communities Against Rider Surveillance)に新たに加盟し、地方自治体が進めるMDS(自治体等がモビリティ事業者の移動データを取得するためのデータ標準: Mobility Data Specifications)に抵抗。Uberとロサンゼルス市はデータ提供要請を巡り争っている最中だった。

• CARSはMDSを「危険な技術」とし、今回の事態を国民の関心を高める機会ととらえ、自治体に対しメディアや直接対話で「ユーザの安全第一」にプライバシー保護の原則を遵守するよう求める。 

• CARS加盟団体は他にBusiness Travel Coalition、ラテン系アメリカ人を中心としたグループMi Familia Vota、医療プライバシー団体のPatient Privacy Rights、ロサンゼルスを拠点とするユースグループSylvia Nunn Angel’s、技術を通じてロサンゼルスの低所得者コミュニティを支援するCDTechなど。

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詳報:

MDS政策は、2018年にロサンゼルス市交通局により施行された。モビリティ事業者に各移動の出発地や到着地、24時間以内にユーザが移動した全経路などのデータを提供することを求めるもので、マイクロモビリティによる急速な変化に対応した都市計画や対策にデータを活用することを目的としている。

ロサンゼルス市交通局のジェネラルマネージャー、Seleta Reynolds 氏は火曜日に開かれたカリフォルニア州議会で「市内の道路で何が起こっているのか、正確な情報を掴むことなしに市の運営は不可能」と述べたとStreetsblog Californiaは報じる。 

マイクロモビリティ事業者のほとんどがMDS政策に従う中、Uberが、市の行為は越権行為でありモビリティ市場を支配しようとしているとして抵抗。これに対しロサンゼルス市交通局はUberのドックレスジャンプバイクとドックレススクーターレンタル業許可の停止を求め今月可決された

Uberはこの決定を不服としMDSに抵抗し続けると述べている。CARSが上訴の代表となる予定で、CARSにはUber以外にモビリティ事業者の加盟はない。

ロサンゼルス市交通局は声明で「これは説明責任を負わない私企業が市町村から利益を得ようと虚偽の情報を捏造し流布するものである」と述べ、「市は引き続き渋滞の緩和、大気汚染対策、市民の安全確保、市道や歩道へのアクセスの向上など、Uberが全国で悪化させている問題に取り組んでいく」としている。

この議論はUberとロサンゼルス市交通局に限ったものではない。現在50以上の地方自治体がMDSを採用し、昨年12以上の市や企業が集って、MDSを運営し将来的な方針の策定を助ける組織、Open Mobility Foundation(OMF)を創設した(OMFの委員にはBirdやSpinなどのモビリティ事業者がいる)。

MDSの支持者はMDSがマイクロモビリティを管理し、インフラ投資が最も必要な箇所を絞るのに役立つとするが、一方で自治体に対し情報を提供しすぎるとの批判もある。匿名のロケーションデータで個人の特定が可能なことは複数の研究調査で明らかになっている。

CARSに加盟するBusiness Travel Coalition代表Kevin Mitchell氏は声明の中で、MDSのような「誤ったプログラム」が「慎重に扱うべき個人情報や企業の機密情報の悪用」を可能にすると述べる。CARSはワシントンDC、テキサス州オースティン、シカゴ、ダラス、マイアミ、テネシー州ナッシュヴィル、オレゴン州ポートランド、ロードアイランド州プロヴィデンス、カリフォルニア州サンタモニカ、フロリダ州タンパ、シアトルなど、MDSを採用する全ての地域で活動していく予定だという。

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