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社内のIT資産台帳管理について考えてみる(現在の台帳管理について)

本記事は前回の資産管理台帳の経歴振り返りの続編となります。
よろしければ過去の記事も読んでみて下さい。

現在弊社ではIT資産管理台帳をkintoneで管理しています。
それまでは前回の記事にも書きましたがSKYSEAで管理をしていました。
今回は「何故?SKYSEAからkintoneへ変更を行ったのか?」「kintoneでどのような管理をしているのか?」「今、課題はないのか?」の3つについて順序立てて纏めてみたいと思います。

何故?SKYSEAから変更を行ったのか?

この部分については幾つか理由がありますので羅列してみます。

利用者履歴が取れなかった

移行する一番のきっかけになった事象。
特に携帯、PCについては修理や入退社で端末利用者が変化します(出来るだけ新人には新品を与えていますが、委託や派遣への貸与端末、一部の高スペック端末はリペアしてお渡ししています…)
その際に、意外と過去の利用者履歴が重要になる事が多いのです。
この部分について更新履歴を自動取得してくれるkintoneは抜群に効果を発揮してくれました。

管理のためにインストールが必須

これはSKYSEAならではですが、台帳登録には基本クライアントインストールが前提になります(もちろんただの資産登録も出来なくはないのですが…)
その為、退職・返却などでリストア処理を行った後でも、休眠端末も含めての資産管理台帳を作るにはこの辺の再インストールが必須となります。
キッティングの段階で再度イメージ復元をしたりする事も多く、管理の為だけのインストール業務というのが地味に面倒な作業でした。

SaaS利用とMDMの導入

これは時代的な背景ですが、社内システムやサービスがインストール型のソフトウェアからSaaSに変更された事でソフトウェア管理自体がSaaS側管理で十分可能になった事、MDM導入に伴いOSバージョン管理や更新作業などがMDMに吸収された事で、SKYSEAを無理に資産管理台帳にする必要がなくなったという点も大きな部分かと思っています。

ではSKYSEAは利用を止めたのか?

この部分についてはNoです。
PCログ管理部分は勿論、MDMでは微妙に行き届かないデバイス制御、リモートアシスタントの機能を中心に今もSKYSEAは利用しています。
この辺はもう少しクラウドシフトしたら不要になるかもしれませんが…。

現在どのような管理をしているか?

では次に弊社のkintoneを利用した資産管理台帳がどのような構成で作られているかについて纏めていこうと思います。

現在の台帳のコンセプト

現在の資産管理台帳のコンセプトとしては
・社内の資産計上されているシステム端末が一覧で確認できる
※システム端末→複合機やNW機器などシステム管轄備品全てと定義
・その端末がどの部署の誰が利用しているか一覧で確認できる
・その端末の契約ステータスが一覧で確認できる
・同じくその端末の費用計上を一覧から集計できる
・それらの変更履歴が一元管理されている
上記をコンセプトにしています、IT資産管理の場合、本来は端末内部の細かな情報管理も必要になりますが、その辺のMDMやSaaS側で取得できる情報は現状はそちらで台帳と突き合わせて確認できればOKというスタンスで管理をしております。

資産管理台帳で管理している項目

前回もお話しておりますが
資産管理台帳で管理している主な項目は以下の通りです。

  • 資産管理No

  • 利用者と利用部署

  • メーカーと端末の固有情報(シリアルNo等)

  • 契約番号(リースやレンタル利用時)

  • 関連するシステム予算番号

  • 端末に発生している月額単価や年間費用

  • リースやレンタルの開始&終了期間

  • 返却・廃棄フラグ

  • SIM情報(モバイル・携帯電話用)

  • IP情報(固定IP利用時)

  • 証明書情報(各種証明書利用時)

不都合な部分は隠してあります

先にも書きましたがMDMやSaaSで管理できる部分は極力排除しあくまで台帳として必要な内容だけに留めております。

資産管理台帳と取り巻くアプリ

kintoneは作成した複数のアプリ(データベース)を連携して利用することが出来ます。弊社でも同様に資産管理台帳以外にも複数のアプリを作成し連携させることで、必要な項目を修正すると各アプリの連携項目が自動更新されるような構成となっております。

ざっくりですがこのくらいのアプリを連携させて
無駄な入力を減らしています。

端末の登録や棚卸は?

まずは予算台帳を起点に端末の登録を行いユーザと紐付け管理をすることで各種システム費用を幾つかの切り口で確認出来るようにしています。
登録に現在バーコードなどは使っておらず単なるラベル貼りをし、利用時にラベルを見て利用者or管理責任者の紐付けを行っています。
棚卸はパソコンと携帯はSKYSEAとIntune登録状態によるダブルチェック、その他の備品は目視やヒアリング、関連SaaSからのデータとの突合を使っています。

その他に工夫している点

kintoneにはレコード毎のコメント機能がありますので、修理履歴やヘルプデスク上の端末固有な懸念事項は全てコメントで管理しています。
これも含めて端末で発生している各種更新履歴が一元管理されたことはかなりチーム内の情報共有に有利に働いております。

コメント機能で対応履歴や確認事項をログとして残しています。

kintoneの弱点である検索機能の弱さについてもRabbit様が公開されている一覧高速検索&絞り込みプラグインを利用する事でかなり精度の高い全文検索が可能となりました(これ本当に便利です…)

現在抱えてる課題

このままだと単なるkintone宣伝記事になってしまいます(笑)ので、今台帳で抱えている課題感を挙げてみます。

結局端末の更新は手動

当たり前の話ですが、更新を実施しない限り台帳は何の意味も成さない訳ですが利用者変更なんかはMDM登録時等に情報が自動登録されるので、この辺は何か自動化できる術はないかなと画策しています。

MDMやSaaS情報とリンクしたい

これも個別に見れば良い話ではありますが、台帳からIntuneの各端末プロファイルに推移するリンクなんかを取り付けられたらもっと楽に管理できるし
Intune側からステータスを引っ張ってこれたら普段は台帳管理だけで済むようになるな等考えていたりはします。
※SaaSも同様に一部ステータスを引用できたらなぁ…と思うことはある。

アラートの整理をしたい

これは自分の怠慢ではありますが、各種アラートの整理を行いもう少しチーム内管理を効率化したいという想いがあります。
※これについてはチームメンバー要件を整理すれば実現可能。

最後に

ここまで弊社内の資産管理台帳の取り組みを纏めてみましたが如何だったでしょうか?『IT資産管理はこういう事ではない!』なんて意見もありそうですが、あくまで台帳管理という観点であればそれなりな事は出来てるのではないのかなと自負しております。

わざわざExcelではなくkintone使う必要ある?

これは確実にYESと言いきれます。
理由は幾つかありますが、情報共有の観点、履歴の観点、アラートの観点これだけでも大きく違いますし同様の作業をSharepointやAccessで実現する学習&運用コストを考えれば圧倒的に楽です。
よく予算の話を言われますが、これらを情シスチームのスモールスタートで始めれば年間数万円の話ですし、この価格なら問い合わせ台帳などシステムが管理する他台帳までオンライン化する企画を持っていければ決して通らない企画ではないと考えます。

やたらkintone推しな記事になりましたが…

別にkintone以外でも似たようなサービスはありますので要は自分の考える要件を満たせるウェブDBアプリであれば何でも良いかと思います。
それでも比較的知見の多いシステムを使った方が良いので最後に某社に媚び売っときますw
スモール利用なら間違いなくkintoneいいぞ!


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