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尋常ならざる少雨と猛暑

 名古屋近郊のこの地域では、今年、7月18日に梅雨が明けた。昨日でちょうど30日が経過したことになるが、尋常ならざる少雨と猛暑で庭と畑はかなりの被害を受けている。ヤマボウシの葉は乾燥と日焼けで1/3ほどが茶色く枯れあがり、梅雨の時期まで順調に生育していたナスやピーマンは喘ぐように小さな果実しか実らせなくなった。トマトの果実が「日焼け」して白くなり、そこから腐敗するという被害を初めて経験した。梅雨の終わりに播いたニンジンの芽はついぞ発芽せず、今年は畑を作って初めてニンジンが収穫できない冬を迎えそうだ。夕方の散水で辛うじて壊滅的被害を防いでいるが、まさに「焼け石に水」である。

 例年、夏の暑さと感想は悩みの種だった。土壌のベースになっている山砂(真砂)の保水性の悪さもあって、枯らしてしまったものも数多い。しかし、日照りが続くと「これでまあ、勘弁してやるか」というように夕立が降って一息つける。しかし、今年はそれがまったくない。名古屋地方気象台の観測値から、昨年と比較してみると一目瞭然である。7/18~8/16の30日間で、0.5mm以上の降水があった日は、昨年7日に対し、今年は2日。総降水量を見ても、昨年94.5mmに対し、今年は10.0mm。平均最高気温は昨年35.4℃で、これでも十分に猛暑であるが、今年はそれを2℃も上回る37.3℃。35℃以上の猛暑日の日数は、昨年20日、今年は27日。35℃を下回ったのはたった3日しかない。雑草もしおれるほどで、異常としか言いようがない。

生態系が安定してきたと思っていた今年(2024年)4月頃の庭。
(写真中央付近を一部加工しています)

 では、周囲の雑木林はというと、コナラやアベマキなどの樹木に特段の異変は見られない。青々と葉を広げ、異常な高温少雨にも動じない堂々とした雰囲気を感じる。林床の落ち葉の下はしっとりと湿っている。長い年月をかけて作り上げられた生態系が、クッションとして働いているのだ。一方、我が庭と畑はたかだか7年ほどの歴史しかない。ようやく畑にまともな野菜が育つようになってきた、庭木が元気に育つようになってきた、――つまり庭と畑に安定した生態系ができつつあると喜んでいたのだが、どっこい、時間も努力も「まだまだ」だったのである。

 先日、パリオリンピックが閉幕した。テレビで観戦していると、どんな状況でも安定して実力を発揮できるアスリートは、体力・技能の卓越性もさることながら、長い年月をかけて鍛錬した心身の優れた調整能力があるのだと感じた。どこか庭造り、畑づくりに通じるところがあるようにも思うのである。

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