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お茶出し
業者さんにエアコンを設置してもらった時の事。
暑い中で一生懸命に作業をしている業者さん。「仕事とはいえ大変だな。」と思い、近くの自販機でペットボトルのお茶を買い、「暑い中ご苦労様です。一息ついて下さい。」と業者さんに手渡しました。すると、「ありがとうございます。じゃ頂きます。」とゴクリゴクリとお茶を飲んだ後に、「すみません、あと少しで終わりますから。」と笑顔で再び作業に戻りました。
私がお茶を出したのは感謝の気持ちであり、他意はないです。
私は庭師です。
庭の手入れ作業の時は、10時と3時に休憩を取ります。その時に多くのお客さんがお茶とお茶菓子を出してくれます。昔からの慣わしっぽいです。
最近増えてきたチェーン展開している植木屋さんの広告に、「お茶はご遠慮します。」と明記してあるのが目に止まりました。
ちょっと強い拒否感を感じて、明記する事なのかな?と思いました。
お茶を期待して行く庭師はいないと思います。お茶が出ないからと言って怒る庭師もいないです。
ただ、暑い中作業をしていて、「ふ~あと少しで休憩時間だな。」と言うタイミングで「植木屋さん、冷たいお茶でも飲んで休憩して下さい。」と言ってもらえると正直嬉しいです。このあと更に頑張ろうと言う気持ちになります。
また、お客さんの中には、休憩時間に話をするのが好きな年輩の方も多くいらっしゃいます。日頃から庭を愛でていて、庭を綺麗にしてもらって嬉しいからお茶を出してくれるのだと思います。
一方、最近はお茶出しがないお客さんも結構います。少額とはいえお金も掛かりますし、面倒でもありますから。
だからお客さんはお茶出しをしてもしなくても良いのです。また、庭師側もお茶出しを拒否する必要も無いのではと思います。明記してしまうと世知辛い気がします。『縁』が繋がらない気がします。
とは言え、若いお客さん達は、「お茶は出さなくていいのか?出さないと失礼なのか?」と迷うのかもしれません。なので、もし私が明記するとしたら、「お茶は用意しなくても大丈夫です。」とやんわりと書くと思います。
でも…
ペットボトル1本のお茶で庭師は良い仕事をしてくれるかもしれませんよ。
読んで頂き、ありがとうございました。