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埋もれた傑作について

[この投稿のまとめ]
①今なら映画館で観れる!
②ここまで埋もれている傑作も珍しい。観たら自慢できる。
③今までにないストーリーのベトナム戦争映画
④超絶リアルな戦闘シーンはぜひ劇場で
⑤名優たちの鳥肌モノの演技のぶつかり合い

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お時間ある方は。。。

「なんでこんなに面白いのに、全然話題になってないんだろう・・」
作品に対するこんな気持ちを、映画ファンの方なら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

今回紹介させていただく「ラスト・フル・メジャー」という作品は、私にとってそんな作品です。
結論から言うと、この映画、見ないと損ですよ!

この映画がそこまで話題になっていない一番の理由は、「タイトルの意味がわからない」というところにあるのでないでしょうか。
「ラスト・フル・メジャー」という語句は、

「最後の全力を尽くして」

という意味で、あの有名なリンカーンのゲティスバーグ演説に出てくるものだそうです。日本人にとっては馴染みのない言葉ですよね。
では、一体誰が全力を尽くすのでしょうか?

この作品はいわゆる「ディア・ハンター」「プラトーン」「地獄の黙示録」「MASH」などと同じ、「ベトナム戦争モノ」。
主人公は国防長のイケメン職員。出世街道を邁進していた彼は、ひょんなことから、「ベトナム戦争の英雄ピッツェンバーグさんに勲章をあげてほしい」という32年間放置されてきた問題を担当することになります。
キャリアのプラスにならない案件ゆえ、やる気なく仕事を始めた主人公は、彼と共に戦った戦友の証言を集めて回ります。
そのなかで目の当たりにした、あまりにも酷い戦争の現実に主人公は言葉を失います。

いままで自分のことしか考えていなかった主人公は、勇気あるピッツェンバーグの行動に影響されていきます。
しかし、なぜ彼には勲章が与えられなかったのか? 
そこには大きな陰謀が隠されていたのでした。
陰謀に我慢ならない理不尽を感じた主人公は、自身のキャリアを選ぶか、他者を選ぶかという、究極の選択を迫られるのです。
果たして彼は人間として成長することができたのでしょうか。。。

この作品のストーリー、映画好きの人にとっては少し「ベタ」だなと感じてしまうかもしれません。
しかし、主人公の青年がベトナム戦争を経験していないという点で、過去の名作と比べても観客が感情移入のできる度合いがかなり高いんです。
ベトナム戦争への知識が全くなくても十分楽しめます。

そして戦争映画には欠かせない、戦闘シーンもめちゃくちゃリアル。
特に着弾の音や、後ろから敵が迫ってくる緊張感なども丁寧に描写されていて、監督のこだわりを強く感じます。
このシーンだけでも観る価値ありですよ。

加えて退役軍人役のキャストが超豪華。ほんとにすごい。
まず、みんな大好きサミュエル・L・ジャクソン。
カナダ人で初のオスカーを獲得したクリストファー・プラマー
「イージーライダー」で有名なピーター・フォンダ
他にもエド・ハリス、ウィリアムハートなどキャリアを重ねた盟友たちが勢ぞろい!
戦争で消えない心の傷を負った男たちを、アメリカ映画を支えてきた名優が演じることによって、他の作品にはない深みが出ています。

そして、残念ながらこの作品は、クリストファープラマーとピーターフォンダの遺作となってしまいました。とてもさみしいです。
しかし、自らの「老い」すらも俳優としての武器に変えた、クリストファープラマーの演技、反体制のシンボルだったピーターフォンダが最後までアメリカという国に疑問を投げかけるような筋の通った役を演じたこと。
この作品は見事に2人のキャリアの集大成になっています。本当に良かった。

とにかく、こんなに面白い映画が全然話題になっていないことがとても悲しいです!
ミニシアターでまだギリギリ上映されています。週末はぜひ、名優たちの演技のぶつかり合いを皆さんの目で目撃してきてください。

お読みいただきありがとうございました。

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