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七月の陽

水底に影が過ぎ
波が揺れる
七月の陽は遠く

そのものである水の冷たさ
一つに迷いなく
水中に線を弾き泳ぐものたち

次第に強まる渦の始まりに
抗うことなく鱗は滑らかに
警告は青く真っすぐな光

途轍もなく澄み
まるで飛行する紡錘形
怠惰な水晶は水底で眠る

巨大な山が聳える
深海の闇の中で
雷が閃く

泡となった恋人が
待つことを知らず
金星は独り灯をともす

やがてその夜になれば
たちまち時は遡り
互いに名を取り戻す

水鏡は再び覆り
全ての天地は水の中へ
星もまた今夜
海より昇る