夏空の祈り

飽きることを
諦めることを
知らず
己なく
広がる夏の朝空
の下

生きることだけから
いつか放たれるために
命たちは人を生んだ

人間の創り手は
神でなく
死に続け苦しみ続けた
命の祈り

どうぞ我が子に良き世あれと
願う
形なきものたちが
飽きることを忘れ
諦めることを忘れ
己のすべてを忘れ
いつまでも
この祈りの星を
青く包み込んでいる

《すべての道》パウル・クレー 1928年