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火口(ほくち)(抒情詩)
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恰も詩句でなくとも
まったく透明でなくとも
万人に愚かと読まれようとも
今の言葉を超えるものを
求めている
破壊され
再生する
その始まりの
弱々とした双葉のように
誰のものでもない
己だけの微かな火口は
未だ炎と燃え上がらない
けれど
不格好でもいい
芯へ残る
重いテーマを
ひたすらに
伝えるために
いつか
人智を遥かに超えるI/Oへ
最上位のレイヤーの
その向こうへ
我らが素材であったままの
あの光の国へ
郷愁と報告を込めて
大いなる言葉を
祈りとして
翻訳する
例えそれが
人の世に
認められなくとも
探し求めている
真なる一つへ
連なる言葉を
きっと
人はそのためにも
また
生まれているはずであるから