「言いたいこと」ではなく、「聞きたいこと」を言う
art. #23 / 3000 words (4 min.)
きょうのnoteは、起業家と投資家の交流イベントに参加し、起業家のピッチを聞いて感じたことについて書きます。
テーマは、(あたりまえのように聞こえるかもしれませんが)聞きたいことを言うです。
なぜそう思ったのか、なぜそれが大切なのか、思考の整理をしてみます。
メモ程度の記事ですので、ご興味のあるかたはお読みくださいませ。
はじめに
きょう、起業家と投資家の交流イベントに参加しました。
友人から紹介を受け、一般参加としてオンラインにて拝聴しました。(ピッチはなし)
こういったイベントに参加するのは初めてだったので、開始時間になるまで不安と楽しみが入り混じっていました。
結果、学びでしかないイベントでした。
次回のイベントでは、僕自身がピッチできるように今日から準備を開始しようと肝に命じた、そんな刺激的なイベントでした。
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内容に入る前に、ここだけは念押しさせていただきます。
「ピッチをするために登壇している、それだけでもすごいことだ」ということです。
以下では、ピッチを拝聴して思ったことを書いていきます。
ただし、わたしは外野からその様子を見て思っただけにすぎません。
実際にプレイしていない(ピッチをしていない)以上、外野から言うべき資格はないと思っています。
純粋に、「今回の学びを自身の血肉にしたい」との思いで書かせていただきます。あらかじめお含みおきください。
「言いたいこと」を言ってしまう現象
「それ聞いていないんだけどな〜」
「あ〜なんかさっきから一方的に話しつづけていて止まんないな〜」
と思ったこと、みなさんはありますか。
例えば、駅員さんに「改札の場所」を聞いたのに、駅員さんが「いまハマっている本の内容」を一方的に話しだしたら嫌ですよね。
「本じゃなくて、改札の場所を知りたいんです」となるはずです。
そんな食い違いが、ビジネスの場で起こっている気がします。
今日のピッチで一番感じたことは、その食い違いの部分でした。
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実は、採用の仕事をしていると、面接のときによくその現象が起きます。
質問に対して上手く描写ができない・説明ができないのではなく、回答それ自体が全く違うのです。
例えば、「強みはなんですか?」と聞くと、「小学校から野球を続けていて、今もジムで体を鍛えているので、営業1位をとることができました」という回答がありました。(実話です。笑)
「忍耐力が強みということですか?」と聞くと、「いえ、努力をひたむきに続けられるので御社でも営業1位になれる自信があります」という回答しているようでしていない回答でした。
つまり、「言いたいこと」を言っています。
「自分がアピールしたいこと」を言っています。
「聞いていること」に対して回答ができていません。
これは、聞き手からすると、正直地獄です(笑)。
この地獄を少しは経験してきた方なので、自分自身では気をつけたいと考えています。
ただし、「考えている」だけでは解決できません。
僕が大切にしているスタイルは「『聞きたいこと』を言う」に徹することです。
今回のピッチに置きかえると
もし自分が次回ピッチをするのであれば、この3点が大切だと感じました。
①自分が言いたいことと、相手が聞きたいことを整理する
②相手が聞きたい順番で伝える
③相手に聞かれたことだけを答える(←やや極端な言い方ですが)
これはピッチであっても、実際の採用の面接であっても、同じように大切なことだと感じます。
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①自分が言いたいことと、相手が聞きたいことを整理する
これは、孫子の兵法でも同じことがいわれていますね。
彼を知り己を知れば百戦殆からず
(敵の実力や現状をしっかりと把握し、自分自身のことをよくわきまえて戦えば、なんど戦っても、勝つことができるものです。なにか問題を解決するときも、その内容を吟味し、自分の力量を認識したうえで対処すれば、うまくいくものです)
引用元:故事百選
「相手を知り、自分を知れれば、負けることはない」と言われています。
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②相手が聞きたい順番で伝える
整理できたら、伝えていきます。
その伝える順番はあくまでも、「相手が聞きたい順番」です。
先ほどの駅員の例であれば、改札の場所を聞かれたら、まずは改札の場所を伝えるのです。
その後、もし話が弾んで少し仲良くなったのなら「最近こういう本にハマってまして…」と話せば違和感がありません。(ちょっとはありますが)
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③聞かれたことだけを答える
これは少し極端な言いかたですが、わたしは大切にしています。
ものごとに対する理解の方法・順番は、千差万別だからです。
そのため、相手がほしい情報を、必要な順番で与えて、自分をくっきりとイメージしてもらえるように心がけています。
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これは採用の面接で例えると、考えやすいです。
例えば、みなさんが面接官で、営業の一次面接をしています。その候補者との一時間の面接、どういう質問をしていきますか?
わたしは、以下の質問の流れが多いです。
(1) あいさつ・談笑(ブレークアウト)
(2) この一時間の流れを説明
(3) 30秒で簡単な自己紹介を依頼
(4) 自己紹介で気になったところを1-2つ質問
(5) あらかじめ決まっている質問を聞く
(6) 良さそうな候補者ならこの質問、微妙であればこの質問、完全NGならこの質問、とある程度ジャンル分けした質問をして見極めていく…
ここで言いたいことは、この質問の流れが良いということではなく、あくまでもわたしの質問の流れであるということです。
言い換えれば、面接官によって聞きたいことは異なるのです。
もっといえば、候補者を具体的にイメージするために必要な情報を、欲しい順番で渡すことが肝心です。
そうでないと、面接官は候補者のことを最後までどういう人なのか具体的にイメージしきれず、一時間が終わってしまうのです。
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わたしは最初に「30秒程度の自己紹介」を聞いて、候補者のある程度の人物像をイメージしたい人間です。
候補者のイメージ作りのために、わたしにとって「30秒の自己紹介」は、最初の段階で欲しい情報なのです。
これを無視していきなり候補者が「僕の強みは…」と話しだすと、わたしのイメージをつくる流れが乱れ、話の内容が頭に入ってこなくなるのです。
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ピッチを聞いて感じたことは以下の3点でした。
ピッチを聞いて感じたこと
①自分が言いたいことと、相手が聞きたいことを整理する
②相手が聞きたい順番で伝える
③相手に聞かれたことだけを答える(←やや極端な言い方ですが)
自分自身がピッチをする際に、気をつけたいポイントです。
おわりに
今回の学びを得て、わたしが一番やらなければいけないことは「投資家を知る」です。
正直なところ、周りに投資家の友人・知人がいないため、全くもって未知の世界です。
今日のイベントで実際にお見かけするまでは、「投資家は、起業家をガンガンに詰める怖い存在」というイメージを持っていたくらいです(笑)。(実際は180°違いました)
他にも多くの学びを得たので、自分自身のブラッシュアップに使います。
「言いたいこと」ではなく、「聞きたいこと」を言う。
シンプルながらも、永遠のテーマとなりそうです。
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おまけ
「言いたいこと」ではなく、「聞きたいこと」を言うに関しては、以前から強く感じておりツイートしていたようです↓