埼玉県の水着撮影会中止問題
開催2日前にいきなり電話で言われ…」共産党の申し入れで「水着撮影会」が中止に 騒動の裏側に迫る(デイリー新潮)
この件について、あまりに不快な出来事で書きたくないのだが、記録の意味もあるので書く。
簡単に言えば「埼玉県の県営公園で開催予定だった水着撮影会が、開催直前に中止となった」という「事件」である。
リンク先の記事を読んでも、実は「なぜこんなに直前になってから撮影会を中止したのか」は、よくわからない。
もうちょっとちゃんと調べてほしかった(自分では何もしなくてスイマセン)。
手順を踏んで、半年、一年前から、「県及び埼玉県公園緑地協会」が水着撮影会の中止を宣言していれば、ここまでの混乱にはならなかっただろうに。
謎だ。
なお、いろんな記事で「ぜんぶ共産党が悪い」みたいなニュアンスになっているが、日本共産党埼玉県議会が「水着撮影会中止の申し入れ」をしたことは事実だろうが、そのはたらきかけによって「県及び埼玉県公園緑地協会」が直接動き、水着撮影会を中止にしたとは考えにくい。
公営プール以外でも、水着撮影会を許可していないところはけっこうあるようで、そういうところから観て行かないと、問題の全体像は見えてこないだろう。
なお、「日本共産党埼玉県議会」が「水着撮影会」を「性の商品化だから」と言っているのは本当だろう。
私は直接の売春、性風俗産業、出演者の後の人生の「汚点」として残ってしまうAVをのぞけば(私個人は「汚点」とは思いませんが)、「性の商品化」論はまったくバカげており、真剣に検討するに値しないと思っている。
(むろん、直接人と性的に接触する職業において、そういう人たちが安全に仕事ができるように法律などを整備することは必要かもしれないが、今回のことにあまり関係ないのでここではおく。)
あまりにバカげすぎていて、「この人たち(「日本共産党埼玉県議会」の人たち)は何か高度な冗談のつもりでやっているのだろうか?」と一瞬思うのだが、おそらく大真面目なのだろう。
直接のセックスにまつわらないことを拡大解釈し、「性の商品化」と言い出すと、その規制は無限に拡大されていく。理論的にぜったいそうなる。
だからこそ、よくある冗談で「そんなに性的なものを規制するなら、最終的に『女性の存在』を規制しなければならなくなる」と言われるが、実際そうだろうし、「男性」も同じことだろう。
「性的搾取」という言葉も拡大解釈されすぎている。「性的搾取」という言葉を使いがちな人に寄り添って考えれば、たとえば「男ばかりの仕事関係の飲み会に女の子が欲しいから」という理由だけで、同じ会社の女性社員が行きたくもない飲み会に参加させられたら、それはまあ「性的搾取」と言える。
しかし、たとえばおっぱいの大きいアニメキャラのポスターがあったとして、それは性的搾取だろうか? それ以前に「搾取」だろうか?
そもそも「搾取される対象が架空の人間」なのだから、「性的搾取」とは言えないだろう。
今回の件とは少しずれるが、「アニメキャラのちょっとエッチなポスター」を「性の商品化」とか「性的搾取」とか言って批判する場合、いつも、落語の小噺の、
「うなぎ屋のうなぎを焼くにおいをおかずに、握り飯を食べてしまう子供」
のことが頭に浮かんでしまう。
小噺では、うなぎ屋の店主が子供に「うなぎを焼くにおいの代金を払え」とせまるのだ。
「うなぎの焼くにおい」は果たして有料だろうか?
それに対して子供は小銭を取り出し、チャリチャリ音を出して、
「うなぎのにおいは小銭の音で払わせてもらうぜ」
というのがオチとなる。
何が言いたいかというと、「性的イメージの世界」は、常に空中戦で、シャドーボクシングだということだ。第二次世界大戦のナチスみたいな強力なプロパガンダでもないかぎり、のんびりかまえていればいいものにすぎない、と私は考えている。
閑話休題。
同じことを何度も何度も書いているが、「水着撮影会」を中止したら、世の中が良い方向に行くのだろうか? だいたい参加者のグラビアモデルたちは、撮られたくて撮られたくてウズウズしている子たちばかりだろう。撮りたい方は言わずもがなだ。
ウィンウィンでやってるわけで、薬物売買みたいに身体的な影響が出るはずもない。それを中止にするなど、アホらしくてまともに取り合っていられない。
リンク先の記事にもあるように、ゾーニングして外からは水着撮影会が見えないようにする準備をしている団体もあったというし(個人的には水着撮影会が通りすがりに観えたからって、それが何なんだよとは思うが)、まあ、水着撮影会を中止に追い込もう、という共産党埼玉県議会のみなさんは、ヒマ人なんだろう。
(「埼玉県公園緑地協会」は、風紀の乱れとかを責任者として気にするのは、わからないではないが、それにしても中止要請が急すぎる。)
落胆しているグラビアアイドルさんたちには元気を出してほしい。私は撮影会に行く趣味はないが、グラビア雑誌なんかはけっこう買っていますからね。
おしまい