火災保険の更新はCMのあと!!2024
先週の木曜日、五年ぶりの火災保険の更新だった。
五年前に会ったはずの担当者の顔を、自分はまるで覚えていなかった。
当然ながら、保険のセールスマンだけあって非常にしっかりした印象の人だった。ザ・サラリーマンといった感じ。
彼の方から、五年ぶりということもあり、とある保険の新しいプラン(要するに払う金の増額)を提案された。ちょっと悩んだが、言われたとおりにした。
しかし、これがむずかしい。
「この人、おれの提案なら何でも受け入れるんだな」
と思われては困る。腹は決まっていたのだが即答は避け、いくつかの重箱の隅をつつくような質問を、形式的にした。
最近の保険は、保険屋さんが持ってきたタブレットから入るものらしい。タブレット上の画面のボタンを押していくことで、加入したことになる。
それを見て、小学生のころからよく言っていた「未来じゃん!!」という言葉を自分は飲み込んだ。
あの頃想像した、ワクワクした未来なんて、少なくとも私には、もう来ないから。
そして契約が終っても保険の人と「はいさよなら」というわけにもいかない。いや「はいさよならでいいだろ」という人もいるかもしれないが、私の性格的に、ほどよい余韻トークでこの場は終わりたい。
というか、私は普段、ほとんど話し相手がいないので、保険の営業の人としゃべりたくてしょうがないのだ。
そして「どんな会話をしたらいいか」悩んだ挙句、私は保険の営業マンと二人で、「ブラジルで流行っているエロい踊りを踊りませんか」と言った。意外にも彼はそれに応じ、私と彼は、お互いの両肩をつかんでクルクル、クルクル回って爆発した(ちなみに「ブラジルで流行っているエロい踊り」のくだりは、ウソです)。
宇宙は消え去った。
そして新しい宇宙が生まれる。
会社の忘年会で「今夜は無礼講です」と言った社長が、頭の皮をはがされるという「真の無礼講」の宇宙が……。
おしまい
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