見出し画像

おたくとして最初から負けていた(20240712改稿、および追記)おたくとして別に負けていない

マンガの「バキ」で、「男は必ず最初は地上最強を目指す、しかしどこかの段階であきらめてしまう、それは幼少期にオヤジのげんこつを食らったときかもしれない」というセリフが出てくる。

これだけネットが発達して、サブスクで過去作も観放題な現在は知らないが、ネットが出る前は「情報収集能力」がなければ、おたくはつとまらなかった。
それで私が思い出すのは1981年の、大ガンプラブームのとき。
当時、私は中学二年生である。
それが自分にとっての「親父のげんこつ」であった。
一生、おたくとしては四流、五流として生きていかねばならないのだと、このとき確信した。

当時、町のおもちゃ屋さんのどこに行っても売れ切れで、ガンプラが手に入らなかった。
この頃、ヨドバシカメラみたいなところでプラモデルを扱っていたか記憶にない。たぶん扱っていなかったんじゃないかな。違っていたらすいません。

ところが、二人のクラスメートの男子が、ガンプラを買いまくっているという話を聞いた。しかし「どこで売ってるの!?」とまでは、なんか聞けなかった。そこまで私にガンプラに対する情熱がなかったこともあるし、なんかプライドが邪魔したってこともあったかもしれない。

二人の会話はやがて、あまりにたくさんガンプラを買いすぎて「もうガンプラにも飽きたな」という話にまでなっていた。こっちが300円のムサイしか買えないっていうときに!!

当時を知る心優しい人なら「いや当時、ガンプラがたやすく手に入ってた方がめずらしいよ。中学生は行動範囲も制限されているし」と言ってくれるかもしれない。

しかし、ガンプラだけではない。
私は「土曜日に少年ジャンプが買える店」がどこかも知らなかったのだ!
土曜日に常にジャンプを買っていたのは「神保くん」という当時の私の親友に近い子だった。
だが彼は「土曜日にジャンプを出している店」の場所を、決して教えてくれなかった(だから「親友に近い」という表現だ。さすがに教えてくれたってよかっただろ。ぶっ飛ばすぞこの野郎)。
週開け、月曜日になると、神保君から少年ジャンプのマンガの展開を必ずバラされていた。
このときに思った、
「ああ、おれはもうダメなんだな、本当にダメなんだな」
と。

その後も、ゼネプロの存在も知ることはなかったし(かろうじて「ダイコンフィルム」の存在だけは雑誌「アニメック」か「OUT」かどっちかの特集で知っていた)、ガイナックスの設立も知ることはなかった(「エヴァ」が放送前におたくたちの間で盛り上がっていた際、その存在を初めて知った)。

「究極超人あ~る」のイメージアルバムみたいのがあって、90年代におたく仲間とカラオケに行った際、私以外がその中に収録されていた歌を楽しそうに歌っていたのを、ポカンと眺めていたこともある。

(新田注:これって「エクセレント・チェンジ! 究極戦隊コウガマン」のことか。山本正之なんだ。今さっき、初めてきちんと聞いた。2024年に初めて知ったわ(笑))

なぜか90年代、インターネット出現以前の「パソコン通信」では、プロ作家がコミケに出店した際のサークル名や配置番号を聞くことは非常に意地汚いこととされていた(私の体感ではそうだった)。
知り合いにリアルに会った際、
「〇〇先生のサークル番号教えてください!(嘲笑)って!!」
とめちゃくちゃバカにしていたのを覚えている。
なぜか、そういうことで情報を共有しようという感じではなかった。

最近はどうだか知らないが、昔のおたくは「話が合わない」という意味でクラスメイトとは疎外感を感じ、何らかのおたくコミュニティに入って「話が通じる!!」という喜びを感じる人は多かったと思う。
しかし、次の段階に来るのは、
「話が通じると思ってたけど、周囲がくわしすぎて、だんだん通じなくなってくる!!」
であった。

(以下、すべて削除および改稿。20240712)
このテキストは2022年頃に書いたものだが、いまだにたまに「いいね」が付く。書いた本人はすっかり忘れてしまっていたが、我ながら、
「なんて情けない文章なんだ」
と後から思っていたので、こうして改稿しているのである。

確かに私は80年代、SF大会に行ったこともなかったし、ゼネプロもガイナックスも知らなかったし、「コウガマン」の歌も知らなかったが、「それがどうした」としか2024年7月12日段階では言いようがない。

我ながら、卑屈すぎる。

80年代当時、「ゼネプロを知らない」、「土曜日にジャンプを売っている店を教えてくれない」ヤツがいたら、ブッ飛ばしてキンタマでも蹴り上げてやればいいだけの話である。

いい気になるんじゃねえ!! 80年代のおたくども。

あと、おまえらのかみさん、全員ブスだな!!!!!!!!!!!

おしまい


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?