ポリコレの果てに遠回しにオタクをバカにする巧妙な手段を許すな
「弱者男性の姫」お天気キャスターの熱愛宣言に飛ぶ誹謗中傷! ファン激怒の背景に“アイドル営業の側面”
ツイッタートレンドに「弱者男性」という言葉があがっていたので何かと思ったら、この記事のことだった。
この記事そのものの内容と、それに対するツイッターの反応は分けて考えなければならないが、ツイッターでは、
「弱者男性という表現ならオタクをバカにしてもいい」
という、無意識が感じられ、非常に気分が悪くなった。
中には、ツイフェミ的な観点で、
「弱者男性など存在しない。女性より男性の方が社会的に優位に立っているのだから、『弱者男性』を名乗るのは勘違い野郎。なので、いくらバカにしてもいい」
と思っている人もいるはず。
似たような「こういう観点ならオタクをバカにしてもいい」という言葉としては「子供部屋おじさん」がある。「子供部屋おばさん」というのがあるかどうかは知らないが、「おじさん」優位の新造語であることは間違いないだろう。
ポリティカル・コレクトネスにもとづく言葉の使い方に敏感な人でも、案外、こういう「巧妙な言い換え」単語には無頓着な人がいる。
たとえばテレビで、中年以上の女性を「おばさん」ということは減ってきている。「マダム」と呼んだりしている。これは従来の言葉を別の言葉で言い換えるという通常のパターンだ。
他にもいろいろな言い換えがある。私はその場がギスギスしなければ、「言葉の言い換え」には最近、頓着しなくなってきているが、新しいタイプの「バカにするときに使っていい言葉」に、多くの人が鈍感なのは、つまんねーなーと思う。
もちろん、当初は「弱者男性」とは本当に「弱者的な立場にある男性」という意味だったかもしれないが、このお天気キャスターの件に関しては、揶揄的に使われているのは自明だろう。
「オタク」とひとくくりにしてしまうと「趣味を楽しんでいる常識的な人」まで含まれてしまうので、問題部分のみを抽出し、新しい言葉をつくる。
あるいは、新しい用法を考案する。
実に巧妙な「バカにし方」である。
私はこのお天気キャスターのことを今回のニュースで初めて知ったが、アイドルの熱愛が発覚してファンが落胆する、なんてよくあることだ(まあこの人も、アイドルみたいなもんだろう)。
それがわざわざ、この件がニュースになり、ツイッタートレンドに上がって来たことに関しては、バカにしている人のすさまじい悪意と「他人事感」を感じる。
そうやってバカにしている人にも、好きなアーティストや俳優、女優、アイドルなどはいるだろうに。
おしまい
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