【感動自作小説】・「新・栗太郎とひょっとこ姫」第1回

異次元暦2520年。
ポッピョピョン家とバーバーダム家は、ファミレスのいちばん奥の席を「自分の席」と、それぞれ勝手に決めていた。
ポッピョピョン家は基本的にニートなので、ファミレスを利用するのは昼過ぎに起き出してから夕方まで、
バーバーダム家は銅線ドロボーなので、仕事前の夜7時頃からファミレスに行っていた。

しかし、ある日、祭日だったので、偶然かち合ってしまった!

「ローリング シュナイダーッ!!!!!」

ポッピョピョン家の家長であるズンドコ之助のフィニッシュブローが、閃光とともに炸裂。

「給食の犬食い!!」

バーバーダム家の家長である小麦粉ババアが、呪文を唱えてそれをガード!!

激しい戦いの後、「遠くから赤ちゃんの鳴き声が聞こえる」とだれかが言い出したのでみんな恐くなり、その場は引き分け。

しかし、両家の仲は決定的に悪くなった。

そんな両家には、恋する男女がいた。

ポッピョピョン家の跡取り息子、栗太郎。
顔が栗のかたちをしている。首から下は超マッチョ。
栗より焼き芋が好き。

バーバーダム家の箱入り娘、ひょっとこ姫。
プラスチックで出来ているが、鋼鉄風に色が塗ってあり、ウェザリングでちょっと汚しを入れているひょっとこの仮面をかぶっていて、生まれてから脱いだことがない。

二人は図書館で知り合った。

CDの貸し出しコーナーで、大人気ミュージシャン「ピョメピョメ倶楽部」のアルバムをどっちが先に借りるかで大喧嘩。
しかし、公園で缶コーヒーを飲みながら「ピョメピョメ倶楽部」についての情熱を語り合い、意気投合したのであった。
(つづく)

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