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感動短編小説 「しじみ汁」
私の名前は玄奘寺実朝。
ごく平凡なサラリーマン。
32歳独身だ。
仕事は飛び込み営業で、スーパーコンピューターを売り込むこと。
入社以来、一台も売れていないが、それもそのはず、
わが社の「スーパーコンピューター」は「スーパーコンピューター」という商品名だが、実質、ファミコン以下の性能しかないのだ。
それを私のように売ってくれる人間がいるだけ、社長はありがたいと思っているらしく、毎日、卑屈な笑みを浮かべては社員たちにアルフォートを一枚ずつ配って歩いている。
西暦3500年ーーーーーーーー。
人類は宇宙に進出していた。
つまり「ファミコン以下」のコンピューターは、西暦3500年にはファミコンよりも役に立たない。
では、なぜこんなものをつくっているのか。
それは。社長の父親が「人のやらないことをやれ」と言ったからだそうだ。
社長の名前は「ひろゆきのそっくりさん」。
何でも21世紀に「ひろゆき」と言う男がいたという。
その肖像画が「宇宙博物館」に飾られており、社長はその「ひろゆき」と顔がまったく同じだったことから、もともとは「村雨祥吾」という名前だったが、改名させられたのだ。
とある組織の手によってーーーーーーーー。
その組織の名は「ひまわりインフィニティ幼稚園」。
地球人を幼児の頃から、まるめた新聞紙で叩き合うことを志向の遊びだと勘違いさせる計画を立てている組織である。
社長の父親はこの「ひまわりインフィニティ幼稚園」に洗脳されていたのだ。
だから、わが子の名を喜んで改名させた。
「ひろゆきのそっくりさん」と。
そのため、社長は子供の頃からグレた。
子供の頃から酒を飲んでは朝帰りを繰り返した。
いつものように朝帰りしたある日、
父親が出してくれた一杯のしじみ汁……。
それはしじみ汁ではなく、泥水だった。
間違えて「ひろゆきのそっくりさん」がそれを飲んでしまったとき、彼の父親は指をさして笑っていた。
その、彼の笑い声が全宇宙にとどろき、今、みなさんの住んでいる宇宙となったのである。
で、えーと何の話だったっけ。
知るか!!!!!!!!
あ、「知るか」と「汁(しじみ汁の汁)」が、かかってしまった。
意味が生じた。
失敗だ!!
おしまい
お汁(しる)まい