小説 5年C組 ムシャムシャ先生
超一流の教育大を卒業し、教職免許を持ち、児童心理学の論文も書いているグゴギョ山ペミャ美は、教師が震え上がる「論理的モンスターペアレント」であった。
息子の「鼻っタレ生意気小僧」が、学校で悪いことをして教師に呼び出されると、常に担任教師を論破し、「鼻っタレ生意気小僧」に対する処分をチャラにしてきた。
「鼻っタレ生意気小僧」が中学5年C組になり、ここでも問題を起こした。
完全なる悪意によって、教室にカスピ海ヨーグルトを大量にばらまいたのだった。
グゴギョ山ペミャ美は、C組担任のムシャムシャ先生に呼び出しを食らった。
「また、言いくるめてやろう」
グゴギョ山ペミャ美はそう思い、学校に赴いた。
教室をガラッと開けると、そこではムシャムシャ先生が教卓に開脚ポーズで座り、生徒用の机の上にホットプレートを置いて、野菜炒めを作っていた。
ムシャムシャ先生はペミャ美と目が合うと、ものすごいジャンプをして飛びかかってきた。
「ウキィー! ウキィー!!」
飛びかかったムシャムシャ先生は、猿のような雄たけびを上げながら、いつまでもいつまでも、ペミャ美の顔を引っ搔いていた。
「フヒェー、助けてくれぇー」
ペミャ美はそう言ったが、だれも助けてくれなかった。
それは三万年続いたが、だれも知らない出来事であった。
(完)