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小説 ももたろう・夏

むかしむかし、あるところに、
ドギャービンとギラーミンが住んでいた。

ドギャービンは港区に港区女子を探しに、
ギラーミンは、「アンパンマン小唄」を普及させるため、ドイツに飛んだ。

ドギャービンが港区で港区女子を探すためにさまよっていると、
港区の中心を流れる「港区川」の上流から、大きな桃が流れてきた。

暑い夏の日だった。

港区の中心に、「港区川」がつくられたのは1962年、1964年に開催される東京オリンピックのため、

「日本に川の一つもないと、諸外国にナメられる」

という理由であった。

つまり、時の総理大臣・ボボベビッチ時貞は、日本にはさまざまな河川があることを知らなかったことになる。
そう、彼は1960年代には存在しないゲーミングPCで、超能力によるゲーム実況をしていたため、日本の内情などロクに調べていなかったのだ。

とにかく、「港区川」を流れてきた大きな桃を、ドギャービンは家に持って帰った。
その頃、ギラーミンはすでにドイツから帰国しており、晩御飯としてシャウエッセンとレタス、ご飯、インスタント味噌汁をつくり終えていた。

ドギャービンとギラーミンの二人は食事に夢中で、巨大な桃がパカッと割れたことに気づいていなかった。

桃はパカッと割れると、中から桃太郎が飛び出てきた。
すでに成長した姿をして、陣羽織に腰には日本刀を刺していた。

「日本の夏は暑いのぉ」

桃太郎はそう言うと、携帯扇風機を喉元に近づけて、涼んだ。

夏の大冒険が、今、始まる。

おしまい

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