追悼・山本弘氏
https://news.yahoo.co.jp/articles/e63e6f8032d02ae2cbe2b48ef81efcd05deaa3aa
あれだけいろんなところでいろんな主張を続けてきた人が、ここ数年はぱったり、ツイッターでのリツイートさえなかったので、覚悟はしていたのだがやはりショックは隠しきれない。
昨日は一日、やる気を失ってしまった。
SF作家としての技量は言わずもがな、多方面で活躍した人だったが、山本弘さんの功績として、私が言いたいのは(他の方が言及していなさそうなこととして。言及していたらすいません)、ものすごく簡単にまとめると以下のようになる。
・「価値相対主義で当たり前」という時代に、生涯を通じて自信の「正義」を信じていた方だった。後々、山本弘さんが1990~2020年代までどういうスタンスでいたのかは、同時代の「サブカル的価値相対主義者」やいわゆるネトウヨなどと比較して、意味を持ってくるはずだ。
・おたく第一世代の原点のひとつと思われる「活字SF」とアニメ、マンガ、ゲームの橋渡し役の一人だった。
・「と学会」での「(いろんな意味で)面白い本を、『語り』でおススメする」というところから後に「ビブリオバトル」に興味を移した。このことは山本弘氏が、「オリジナルな物語を紡ぐ作家」というだけでなく、「口述によって面白いことを人に伝える」ことにこだわりを持っていたことを意味する。
かつて「手づくり」だった「マッドビデオ」が、動画編集技術の発達によりネット上では当たり前になってしまったように、山本さんがめざした「しゃべりの素人が、面白いことを口述で伝えようとする」意義、面白さは「動画配信」などの簡便さによって忘れ去られようとしているが、再考の意味があるはずだ。
・おたく第一世代の中では「二次元美少女もの」に理解があった人で(理解があった人となかった人がいる)、自身も美少女のイラストを描いたり(小説執筆とは別に、マンガ執筆用の机を持っていたと聞く)美少女が活躍し、冒険する小説を同人誌として出していた。こういうことも時間が経ってから意味を持ってくるはずだ。マジで。
ご冥福をお祈りいたします。
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