![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145523001/rectangle_large_type_2_4c70365bdf5549d1ed21fe2210f6e8a7.jpeg?width=1200)
小説・世界一おもしろい桃太郎
昔むかし、あるところに、
ゴギーギャンとピョローペンが住んでいた。
ゴギーギャンはパチンコに、
ピョローペンは家でじっとしていた。
すると、家の壁を突き破って巨大な桃が部屋に飛び込んできた。
ピョローペンはその桃をはっしと受け止めた。
彼は相撲をやっていたから、そういうのに強い。
桃からは何も出てこなかった。
アンチクライマックスである。
ちなみに、中身は空洞だった。
一方、ゴギーギャンはパチンコに行く途中、犬、サル、雉と出会った。
犬、サル、雉は三人組で、
三人で手をつないで空き地でクルクル回って踊っていた。
ゴギーギャンがクルクル回っている三人を眺めていると、
その回転はどんどん速くなり、
「ブィーーーーーーン!!!!!!」
という音とともに、空に飛びあがって消えてしまった。
その頃、桃太郎は、
さびれた遊園地を再建するため、
「紙芝居・塩キャラメル珍道中、平成源平合戦!!」
というのをやろうと思っていたが、絵が描けないため断念。
そのため、さびれた遊園地のいちばん目玉は、
「動かない観覧車」だけだった。
お客さんはみんな、動かない観覧車のいちばん下のカゴに乗って、地上の景色を見た。
みんな神妙な顔をしていた。
おしまい