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初心者が気をつけたい、たった1つの水やりのNG

植物も人と同じで、季節の変わり目に調子を崩しがちだったりしませんか?
実はそれ、水のやり方に原因があるかもしれません。

筆者の園芸好きは周囲に言わずと知れていますので、時折、植物を始めたばかりの友人から「なんか調子が悪いねん」という相談をされることがあります。

その中でも多いと感じるのが、買って2ヶ月以内くらいの、比較的早い段階での不調です。

日本には四季がありますから、だいたいの相談が「季節が変わったからかな?」という仮説のもとで持ち込まれます。果たして本当にそうでしょうか。

先日、Aさんからこんな相談がありました。
春に買ったパキラを玄関に置いていたが、葉が黄色くなってきたため、日照不足を疑いリビングの窓辺に移動した。

「でもどんどん悪化してる。エアコンつけはじめたから、そのせいかな?」と。

確かに、日当たりやエアコンの風は植物に影響しますからね。
しかしエアコンは直撃を避ければ問題ありませんし、黄変からの落葉というので葉焼けでもなさそうです。

急に環境が変わってストレスになったのか。いやでも、元々調子が悪かったって話だし。
そこでさらに詳細を聞いてみると、初心者が陥りがちな問題の根本が見えてきました。

「エアコンの風、直接当たってない?」
「離れてるから大丈夫やと思う」
「水はどう?」
「ちゃんとあげてるよ、4日に1回」
「な、なるほどぉ」

Nittaは言葉を詰まらせました。
水やりの間隔を一定にする
これが、序盤にやりがちな大きなNGだからです。

我々だって、毎日決まった量の水を飲むわけではありませんよね。
喉が渇く日、渇かない日、汗のかき方も日によりけりです。

植物も循環と代謝を繰り返す生き物ですから、その日の気温、湿度、風の有無といった条件で土の乾き具合も変わります。

水やりを忘れないようにルールを決めておこう、という前向きなおこないであることは重々察するのですが、水やりのペースを固定してしまうと、いくら強健なパキラといえど調子を崩してしまいます。

過去のnoteでも少し触れていますが、植物は呼吸をしています。

水分は根から吸い上げられ、葉から蒸散します。
根を人間の”口”、葉を”皮膚”に喩えるとわかりやすいかもしれません。

その根が常に湿った状態だと、どうなってしまうでしょうか。

人間が水に浸かり続ければやがて溺れてしまうように、植物の根も、過剰な水分に浸され続けると溺れてしまい、酸素不足で根腐れを起こすのです。

パキラを含むポピュラーな観葉植物の多くは、乾と湿のメリハリあるサイクルを好みます。植物は、土が乾いた状態のときにこそ、水を求めて根を伸ばすからです。

植物を健康的に育てるためには、水や栄養の入口である根を大切にしなければなりません。
鉢物を買った時についている管理タグの『水やりは土が乾いてから』という表記は、そのためのセオリーなのです。(もちろん例外もありますよ!)

Aさんのパキラは水切れだったのか根腐れだったのか…
これは結局わからず仕舞いに終わったのですが(現物を見ていないので)、乾燥気味を好むパキラですから、十中八九根腐れだろうなと察しています。


結論

さて、水やりの頻度というのは結局、植物と付き合っていく過程で徐々に感覚を掴んでいくものである、と筆者は考えます。

季節が変わるごとに、気温や湿度の変化で植物の状態は変わります。
その都度、観察しながら水やりの回数や量を調整することが肝心なのです。

もちろん一朝一夕で身につくほど単純ではありません。
しかしやっていくうちに勘も働くようになりますし、気づきや閃きも得ることでしょう。なにより、それを目指し試行錯誤するのが園芸の醍醐味のひとつではないでしょうか。

構えなくても大丈夫です。植物を育てるうちに、自分も育っていきますから。(深そうで浅いことを言っています)


ちなみに、感覚がなかなか掴めなかったり、多忙で水やりを忘れがちな人向けにこんな商品もあります。

鉢に挿しておくと土の中の水分量を色で教えてくれる優れもの。
筆者も世話になったものです。

土の状態が確認しにくい高所のハンギングに使うのもおすすめですよ。

では!

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