大好きなポテトチップスを10年間我慢した男のスピーチ力。
人にものを伝えるって、難しいですよね。
やんわりすぎて伝わらなかったり、誤解を招いたり、スベったり…
twitterやnoteで発信する人間の1人として、
表現方法には、あーだこーだと、いつも悩みます。
こないだ、twitterで文章をこねくり回していた時に、ふと思い出したのが、
この男のスピーチ。
RUNNING SCIENCE LAB代表の三田裕介です。
(マイクを持っていない右側の男。そっちかよw)
この写真は以前、三田と一緒に都内の小中学校でランニング教室を開催したときのものです。
ランニング教室のときは、全校生徒の前でスピーチをすることが多く、この日も1人ずつ緊張しながらスピーチをしました。
自分が何を話したのかは残念ながら全く思い出せないのですが、この時、彼が話した内容は今でも鮮明に覚えているほど、「スピーチめっちゃ上手やん!!」と思ったので、勝手にご紹介したいと思います!
スピーチを要約するとこういう内容でした。
「自分は高校生になったとき、陸上競技と本気で向き合うことに決めました。
陸上競技で結果を残すために、今まで毎日のように食べていた、大好きなポテトチップスを断ち、以降、競技を引退するまで(約10年間)食べませんでした。
それが競技にとってプラスなのかマイナスなのかは分かりません。
でもあの時、覚悟を持って陸上競技と向き合ったことで、競技者として少しは結果を残すことができました。
皆さんも、なんでも良いから本気になれる事を見つけてください。
そして本気になれるものを見つけたら、覚悟を持って向き合ってみてください。
時には痛みも伴うけど、その覚悟が成功に導いてくれます」
※大筋こんな内容。
このスピーチのあるところで、体育館全体の雰囲気が少し変わったんです。(すげー良いこと言ってるなこの人!の空気感)スピーチを後ろで聞いていた私も、正直引き込まれました。
それは「ポテチを10年間我慢した」のくだり。
(何味が好きだったのかな?)
三田がこのスピーチで一番伝えたかったことは、「やりたい事に覚悟を持って向き合うことの大切さ」だと思います。
でも、最初にこの言葉を投げかけても、その場の空気を変えるようなスピーチにはならなかったのではないでしょうか?
なぜかと言うと、言ってることは理解できるけど、自分ゴトとして捉えることができないからです。(校長先生の話が全く耳に入ってこないやつ)
でもそこに、「大好きなポテトチップスを食べる事を10年間我慢した」と一言、前置きするだけで一気に身近な言葉に変わります。
自分の大好きな食べ物を10年間も我慢することの難しさは、誰にでも容易に想像がつきますよね。
例えば今の私なら、お酒を飲むことがけっこうな楽しみになっているんですが、10年間禁酒しろ!と言われたら普通にキツイですし、明確な目標と相当な覚悟が無い限り、実行するのは難しいです。(意思が弱いのは否めません笑)
ちなみに三田は引退したタイミングでポテチを解禁し泣きながら食べたそう(笑)
好きな食べ物を10年間も我慢した三田の覚悟がどれほどの物なのかがリアルにイメージがつくし、それほどの覚悟を持って物事に向き合うことの必要性も自然と受け入れることができます。
このように自分ゴトとして変換しやすい例えを最初に用いることで、本当に伝えたいことが、より伝わりやすくなるのではないか?と考えています。
余談ですが、この手の伝え方が上手な人は、恋愛においても伝え方が上手なんだろうなということが想像がつきます(笑)
自分ゴト化はスピーチに限らず、SNSや、あらゆる場面で役に立つと思います。
例えば、ある大会で良い成績を残したランナーがインタビューで、
「この結果を出すためにどんな練習をされたんですか?」
と尋ねられたとします。
A「月間1200km走り込んで身体を作ったことが今日の結果に繋がりました!」
B「月間1200km走り込みました!実はこれ東京から鹿児島まで行けちゃう距離なんです!」
この場合、AよりBの方が圧倒的にイメージしやすい上にワクワクしませんか?
シンプルに、
「ヤベーな!新幹線かよ!」ですよね。
「一番伝えたいことが伝わるように、自分ゴト化を意識する」
何か伝えたい事があるとき、ついつい気持ちが先走ってしまいがちですが、そうならないよう自分への戒めも込めて、この記事を書かせて頂きました。
この記事が誰かの役に立てば幸いです!
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
またお会いしましょう!