私は好きだな
いい授業をするのが先生の仕事
私は小学校教員をしています。日々、子どもたちのために何ができるのかと考え、教材研究に励みます。より分かりやすい授業。より面白い授業。
子どもたちが「楽しかった!」「もっとやりたい!」と言ったときには、にやにやがとまりません。達成感を感じます。
しかし、私は2人の息子の父でもあります。育児や家事に時間を優先しようと思うと、十分に教材研究ができないときがあります。するとやはり子どもの反応が悪く、授業になると「やだなー」と言った声もでます。
いい授業ができないとだめだ。子どもを満足させられない。
そう思い込んでいた時に、ある先生との会話に気付かされました。
先生の仕事って
その先生は私よりも年齢も勤続年数も下です。どこから切り取っても後輩です。しかし、深い考え方や広い知識、多様な経験からこの先生から様々な気付きを得ることがあるので、私はこの先生を尊敬しています。この方のtwitterはこちら。
その先生が子どもが作った俳句を見ながら、「おー」「へー」とやたらと感心していました。
私「どうしたのですか」
「いやー、子どもってすごいなと思って。大人が作るよりもよっぽどすごい。」
私「すごい授業をされたのですね。」
「いやいや、季語を探させて自由に作らせただけです。でも、どの作品もあじがあると思いませんか。」
私「子どもの素敵なところを見つけられるなんてさすがですね。」
「いやいや、先生の仕事は素敵なところを探すこと。テストの点やスポーツの出来はわかりやすいからだれでもほめられる。でも、その子の素敵なところはいっぱいある。先生はそれを伝えてあげるのが一番の仕事ですよ。」
初めは何を言っているのだろうと思いました。
しかし、その先生の行動や発言を思い返すと、その真意に気付かされました。
子どもの作った俳句を見て「面白い!これ好きだわー」と笑顔で言う。私から見たら、良くも悪くもない普通の俳句なのに。
係活動で悩んでいる子に対して「先生は君のことを信頼している。思うようにやってごらん。」とこっそり伝える。私から見たら、クラスのためになるのか分からないのに。
子どもが書いた絵を見て「この構図いいね!この角度から書くなんて思いつかない。」と言う。明らかに体のバランスがおかしいのに。
この先生は、「客観的にすごい」ではなく「主観的にいい」と思うことに対して言っています。「主観的にいい」ということは、だれにも否定できません。なぜなら主観ですから。
そして、クラスにおいて先生の影響力は絶大です。「先生に言うぞ」こんな発言が子ども同士の脅し文句になるくらいです。その絶大な影響力をもつ先生がいいと言う。そりゃあ自己肯定感あがりますよね。
だから、この先生が担任する子どもは満足した表情で過ごしています。トラブルが多かった子どもも穏やかな表情で過ごすようになります。先生の一番の仕事は、主観的に思う子どもの素敵なところを探すことだなあと実感しました。
親御さんができること
この主観的に素敵だと思うことを探すというのは、家庭にも当てはまると思います。家庭における親の影響力は絶大です。そりゃあそうですよね笑。
そして、その親御さんがお子さんに対してできることも同じなのではないでしょうか。
勉強は難しい。学校で勉強は学べばいいじゃん。でも、学校の先生との連携ってどうすれば。教育論なんて知らない。というか、私自体が学校で学ぶ内容が分からない。と言った方もいらっしゃるかもしれません。
金銭教育も同じです。消費、浪費、投資。違いは何だろう。投資って株?こわいからしないほうがいい。貯金だけしとけばいい。子どもって無駄遣い多いから。あ、でも私も無駄遣いする。そんな方もいらっしゃるかもしれません。
キャリア教育。子どもは夢をもっているけど、いまいちピンとこない。全然努力していない。そんなんじゃなれないよ。というか、夢をもっていないから、将来のキャリアをどうするのかさえ考えていない。どうしよう。そんな方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方に向けて、何かの参考になればという思いで記事を書いています。おうちでの教育の重要性を訴え、それをサポートしていきたいという思いです。しかし、記事を読むのは大変。
そんな方でも、今すぐできるおうち教育が、「主観的に子どもの素敵なところを探すこと」です。
子どもの作品。発言。行動。あなたが素敵だと思うことなら、なんでもいいです。「みんなはもっとすごいよ。」お子さんはそう言うかもしれません。しかし、そんなの関係ありません。親御さん自身が思うのです。まぎれもない事実です。
「私は好きだな。」
お子さんには素敵なところがいっぱいです。どんどん探して伝えてあげてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。
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