淡々と。

恋愛とは甘いものだ。
が、実際はどうだ。人間関係、更に言えば男女という複雑な関係をより密接に、凝縮したものが恋愛のそれだ。
甘いもあれば苦いもある。コーヒーゼリーのようなものだ。
そんな苦い想いばかりしていると、それとは正反対の甘い物語を欲するだろう。
恋愛小説?青春アニメ?いいだろう。例えるとするなら、ホイップクリームだろうかり
コーヒーゼリーにホイップクリーム。
いい完成形じゃないか。

創作というものは、人々が『こうでありたい』や、『こういう物が見たい』という夢を描いた産物だ。
ただ苦いままのコーヒーゼリーだけを食べていると、甘いトッピングや、サイドメニューが欲しくなる。
そういったものが産まれるのは当然とも言えるだろう。


もちろんこれは恋愛に限った話ではない。
仕事のストレス、怒り、悲しみなんかも、苦いや辛いと変えれば、そこに欲する味覚も変わってくる。
辛いだけの物を食べると、酸味でスカッとしたくなる。
苦いものを食べれば、甘いものを添えたくなる。
またそれらの逆も然りだろう。


ここまでつらつらと述べてきたが、結論としては、『お前が見たくて作った物を、見たいと思う奴が必ずいる』ということだ。


苦いものに添える甘いものは、誰が作った物でも同じだ。
だが、誰もがコーヒーゼリーを食べているわけではない。
ビターなチョコケーキかもしれないし、苦いお茶かもしれない。
仮にホットケーキを食べているお前がスコーンしか作れないのなら、他の人が作ったハチミツを貰って良いし、お前が作ったスコーンはきっと紅茶好きの手にでも渡るだろう。
プリンに生クリームを乗せる奴だって居るし、コーヒーゼリーに唐辛子を乗せる奴だって居るかもしれない。


お前が『誰も求める人など居ない』と考えたとしても、お前が想像しうるちっぽけな世界の中に居ないだけで、想像を越える広大な世界には、お前の作った創作を求める奴が居ることを、努々忘れるな。

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