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第7回 部員インタビュー 荒木雄大 (水産学部2年)

荒木雄大・水産学部海洋生物科学科・名古屋高校出身    

北大ラグビー部史上最重量の体躯を誇り、自慢のスクラムでチームを牽引する荒木雄大(水産学部2年)のインタビュー。彼の生き様をご覧ください。

Q:北大を選んだ理由を教えてください!

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元々、高校の先生などからの助言もあり、なんとなく、国公立に行きたいなあとぼんやり考えていました。また、実家が老舗の海苔屋であり、何かと海や水産食品に触れる機会が多く、興味もあったため、国内トップの水産学部を有する北大を志望しました。、、、といえば、綺麗ですが、正直、旧帝大のなかで1番狙いやすいレベルだったという部分も大きいです。(結局1浪しましたが、、、)もちろん最初の理由も嘘じゃないですよ!

Q:現在の学部学科を選んだ理由や魅力を教えてください!

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学部を選んだ理由はさっき言った通りですね。入試も総合理系と比べると、入りやすいですし(笑)。学科に関しては、海洋環境について「なんか面白そう」と思ったからです。シンプルですみません。
「理想の海」と聞いてどんなものを想像するでしょうか?透明度が高く、海底まで見える。サラサラな白浜に、一面に広がるライトブルーの海。素晴らしいですね。僕も行ってみたいです。ですが、そのような海を漁業関係者はあまり好みません。なぜなら、透明な海ということは何もないということです。そこには魚たちに必要な栄養素も棲家となるような環境も少ないでしょう。したがってその海には魚が少ない。例外もあるでしょうが、少なくともそれは彼らにとって「理想の海」ではないでしょう。では、真の「理想の海」とは何なのか。
どうでしょうか?「なんか面白そう」でしょ。

Q:他にはない北大の魅力を教えてください。


「ごちゃごちゃ」なところだと思います。
「ごちゃごちゃ」1つ目は、様々な学部の人たちが周りに混在しているというところです。いろんな学部の人たちと友達になれます。1年生の一年間は教養科目を学ぶ一年間で、文系理系も関係なく一緒に授業を受けます。僕には、農、工、文、教育、経済、法学部の親友がいます。親しい先輩を含めると、もっといます。この関係は僕らに多角的な観点を与えてくれます。
例えば、僕は歴史の勉強が大嫌いでした。しかし、今僕が勉強している水産分野では、尖閣諸島などの歴史的観点は切っても切れない関係にあります。そういう分野を勉強した時は歴史大好きな文学部の友達にいろいろ教えてもらいました。「ごちゃごちゃ」のメリットです。
「ごちゃごちゃ」2つ目は、出身地がみんなバラバラなところです。北海道出身者は、少なくとも僕の周りではほとんどいませんね。僕も、北海道、関東、関西、九州、東海など色んな地方出身の人たちが友達にいます。去年の北大ラグビー部キャプテンもコテコテの関西弁でした。言ってしまえば、ただそれだけなのですが、微妙な価値観の違いだったり、新しい発見があったりなど意外と面白いです。
だって、全然違う場所で生まれ育った人たち、もっと言えば年齢も全然違う人たちが、1つのチームとして一緒にラグビーをしているって考えたら、なかなか面白いと思いませんか?
あと、個人的に東京出身者が地方出身者を下に見ているのが気にくわないですね(笑)。

Q:北大ラグビー部に入部したきっかけを教えてください。

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一浪していたということもあり、大学でラグビーをする気はさらさらありませんでした。
ですが、僕と同じ高校の先輩でもあり、今年の北大ラグビー部のキャプテンでもある深谷先輩に誘われてしまいました(笑)。当時の僕には断る勇気がなく、入部を決めました。
ただそれだけです。理由は何でもいいんです…(笑)。

Q:高校時代、両立で苦労したことがあれば教えてください。

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なんせ僕は現役の時、受験に大失敗しているので何も偉そうなことを言えません。成功談を聞きたい方は他の部員たちの記事を参考にしてください。ごめんなさい。
ただ、失敗談なら話すことができます。これは個人的な意見ですが、「合格体験記」と同じくらい「不合格体験記」は重要であると思います。現役で合格している人たちは何で成功したかは分かっていても何がダメだったかは分かりません。ですが、不合格を体験したものだからこそ伝えることができる反省点はあると思います。個人的な意見ですが。
現役の時、「これが失敗だったな」と思うことは多々ありますが、今回は2つ紹介しようと思います。
1つ目。「自分はラグビーを頑張っているから」というおごり。
クラスのみんなが、受験のことを意識して大学の調査や受験勉強を始めた頃、それを見てかなり焦っていました。でも、彼らの多くが部活に所属してないこともあり、「自分はラグビーを頑張っているし、勉強する時間もない。彼らの成績がいいのは部活をしていないからだ。」という逃げ道を心のどこかで作り、受験勉強から目を背けていました。
また、僕の周りのラグビー部員も推薦などあまり受験に苦労していなかったので、なんとなく彼らに合わせて、受験に対する焦りに気づかないフリをしていました。そんなヤツが、本当に時間がなくなってから危機感を感じて勉強を始めても合格するわけもなく、受験大失敗という結果に終わりました。
やっぱり受験は個人戦です。ラグビーも勉強もうまくやっていた同級生は、自分の時間をしっかりと確保して大事に有意義に使っていました。「フードコートで一緒に勉強しよう」は「フードコートで一緒にサボろう」ですよ。
2つ目。「浪人すればいいし…」という心の逃げ道。
現役時の僕は心のどこかで「浪人すればいいし、現役で失敗しても大丈夫」と思っていました。あえて言いますが、こんなこと絶対に思ってはダメです。志望校のレベルにどれだけ追いつかなくても、浪人のことなんか考えずに限界まで追い込むことが大事だと思います。同じ不合格でも質が全く異なります。単純に、英単語を現役の時にすでに1万語覚えている場合と、1000語しか覚えていない場合ではその後の浪人生活の質が全然違います。
これは持論ですが、正直、1浪して志望校に合格するような人は、現役の時でも、死ぬほど勉強していれば合格する実力を持っている人だと思います。
僕は現役の時も1浪の時も、どちらも北大水産学部を受験しました。つまり、僕の持論に照らし合わせると、僕は現役の時、実力があるにも関わらず、ろくに勉強もせず、サボりまくったカス野郎ということになります。ましてや、その後一年間百何万親に払ってもらって予備校通っているわけですから、本当のカス野郎です。浪人生活をはじめる時に自分のカス度合いにようやく気づいて、そこからの一年間は「ゴミの1年」と思って過ごしました。予備校では友達も作らず、お盆も正月も遊ばず、ずっと勉強していました。これは「意識高い」とかではなく、「ゴミの1年」を過ごしている自分なんかにはそんな権利がないからです。
この僕の持論が正しいかどうかは置いておいて、どんなモチベーションで受験勉強に取り組めば良いかわからない受験生は、「自分はゴミの1年なんか過ごしたくない!」あるいは、「自分はゴミの1年を過ごしているのだから必死で勉強しなきゃ!」という考え方をしてみてはいかがでしょうか。
この考え方を否定する方もいるでしょうが、その結果、合格を得られるなら、万々歳だと思います。正しいかどうかは分かりません。

「ステージに上がった時、自分が1番上手いと思え。ステージを降りている時、自分が1番下手だと思え。」

イギリスのギタリスト、エリック・クラプトンの言葉です。

Q北大ラグビー部での一番の思い出を教えてください。

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去年の東北・北海道代表決定戦です。高校三年間スタメンになったことのない自分にとって、これに勝てば大学選手権に出れるという試合に、スタメンとして自分がグラウンドに立っているという高揚感は、たまらなかったです。結果的には負けてしまうのですが。
本当に尊敬していて大好きだった当時の4年生と選手権に出たいという気持ちでいっぱいでした。だから、その分本当に残念でした。
その後、引退することになった4年生の先輩方全員が僕ら後輩に最後の言葉を仰ってくれました。多くの先輩方は「もう少しだった。」「来年も頑張れ。」「今までありがとう。」など、プラスの言葉が多い中、一人だけ、「負けた結果はもう変わらないし、その結果は今までの練習に由来する。結局、見過ごしてきた粗が今回の負けにつながった。甘さがあった。」と言い残しました。シビれました。自分の代のチームが終わった直後に、こんなこと言うのなんて本当にきついし、いいこと言って気持ちよく終わりたかったと思います。本当にかっこいいなと思います。その先輩方のためにもこれからもっと頑張ろうって思いました。
少し話題がブレましたが、とにかく、僕はこの日にとんでもない高揚感刺激をもらいました。1番の思い出です。
北大ラグビー部、本当に入ってよかった。皆さんもよかったら是非!

Q:勉強とラグビーで共通することや、共通して大切だと思うことはありますか?

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僕は高校の時、基本メンバー外だったし、受験にも失敗しているので何も偉そうなこと言えません(笑)。そんな僕でも気づいたことがあります!
それは「自分の武器を見つけて、地道に武器を磨き続ける」と言うことです。
僕は先ほどにも述べたように、全然パスもキャッチもヒットも上達しないラグビーど下手でした。全部を上手くなろうとして、練習してもなかなかうまくいきませんでした。そこで監督の助言もあり、プロップとして自分の武器としてスクラムを伸ばそうと思いました。(もちろん他のスキルを諦めたと言うわけではないですが。)そしたら、スクラム要員として何度かメンバーに選ばれるようになりました。そして、去年もスクラムが評価されて北大ラグビー部でスタメンとして頑張ることができました。
受験勉強でも、それは同じです。自分は理系なので、数学とかは周りと差が開きにくいと考えて、センターではあえて国語の古典を必ず満点を取れるように頑張って武器にしました。二次試験では、その武器は英語とか無機有機化学とかが武器でした。そういう武器があると、「これだけは大丈夫」と気持ちが少し楽になり、試験の時、数学など他の科目を受けるときにも、気軽に緊張せずに受けられます。実際、数学は周りと差が開きにくいと思いますし。
もちろん、どちらの場合でも、武器だけを磨けばいいと言うわけではないですよ。でも、自分の武器は何なのかを知り、その武器を「これなら大丈夫」という域まで地道に伸ばし続けることが大切だと思います。

Q:最後に、勉強とラグビーの両立を頑張る全国の高校生ラガーマンに向けてメッセージをお願いします。

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高校生ラガーマンの皆さんは、今、めちゃくちゃ大変だと思います。多分、大学生の僕よりも。でも、頑張った先には楽しいことがたくさんあります!
高校の同級生と今でも会いますが、その時死ぬほど辛かった思い出ほど、みんな覚えています。辛いと感じている「今」も、必ず、いつかは笑って話せる思い出になります。
だから、今はただ目の前の課題をクリアすることに集中して、がむしゃらに頑張ってください。安心してください。それは必ずあなたの糧になるし、笑える思い出になります。


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