食わず嫌いの話
人生のもう少し後に気付きたかったことというのがいくつかある。
二十数年しか生きてないくせに何をと思われるかもしれないが、ちょっと聞いてほしい。
例えば、舞台でスポットライトを浴びることに憧れがあるが実際は裏方の仕事の方が向いているだとか。これは卑屈になっているとかそういうのじゃなく、実際にどっちもやった結果向き不向きがあることに気付いただけの話だ。
これはもうちょっと後で気付いて、根拠のない自信そのままに走ってみたかったという気持ちがある。
逆にこれは早めに気付いてよかったというのもある。
斜に構えていてもあんまりいいことはないだとか、人見知りやっててもメリットは何にもないだとか。大人になる前に人見知りをある程度改善できたのは我ながら凄いと思う。
まあ、こんな感じで私はなんだか色んなことに気付いている気になっていたのだ。本も沢山読んだし旅だってしたし。勝手に全てを経験して知った気になっていた。
しかし、この間友達と喋っていて気付いたのだが、私はゴーヤを食べたことがない。そしてゴーヤが話題に登るまでそのことに気付いていなかった。食わず嫌いここに極まれり、だ。
そんなことって意外と沢山あるのかもしれない。ゴーヤを食べる、みたいに特に大きなことでなくとも。そういや海外にも行ったことないし、牛丼屋に行ったのも一昨年が初めてだったし。
これを踏まえて最初の発言を思い返すと、なんだか勝手に知った気になって、勝手に諦めていたことも多いんじゃないかという気持ちになった。
ゴーヤも今度スーパーで見かけたら買ってみようと思う。案外好きかもしれない。
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