拘置所でのブレイキングダウン

こうして、晴れ晴れ拘置所生活が、始まりました。
部屋のメンバー達とは、何故か仲良くさせていただいて、揉め事はありませんでした。なんなら、親友くらいのチンピラも、出来ました。

そいつは、明らかに年下なので、そいつって呼びます。笑
彼は、作業が下手でした。紙を折るだけなので、めっちゃ簡単です。僕や、読んでいる皆さんは、必ず出来ます。僕も、実際に説明を聞いて、初めて折ってみたら、めっちゃ綺麗‼️上手だねって、チヤホヤされました。人間ダメになるレベルです。
でも、逮捕される人は、それが出来ないレベルなのです。ケンカや、悪い事ばかりしてきた人は、当たり前が通用しないのです。折り紙が出来ないのです。

入ってすぐに、綺麗に折れる僕は、一気に尊敬されました。指導係に任命されたのです。
でも、それを許さないのが職員です。
『入ったばかりの奴に、任せられないって』
そんな事言われます。

ある日、それは起こりました。
僕が、こっそり教えていると、職員が見て注意されました。『何、してるんだ』『私語は、禁止だ。』と、基本的には、私語(しご)は、禁止です。
作業の事なら話していいですが、僕は新人なので明らかに教えていた為、奴らは突っかかってきました。『何してるんだ?』『勝手に話すな』
アイツらは、私生活の不満を受刑者にブツけます。
どうせ、昨日の晩に嫁と、上手くいかなかったんだと思う事で、怒りを沈めます。

基本的に、受刑者は弱い立場なので仕方ないですが、余りにも苛立つ事は、日常茶飯事です。

そんな中、チンピラの怒りがマックスになりました。一緒の部屋のヤクザと揉めたのです。
きっかけは、他愛のない事です。
それほど、ストレスが溜まっているのです。
細かく言えば、ヤクザが咳をして、しかも頻繁に。それが、うるさいって事です。一緒の部屋にいるので音には、敏感になります。
咳だったり、イビキだったり、歯軋りなんかもありました。歯ぎしりです。

家族や、彼氏彼女だと、多少の音は気にならないと思います。赤の他人だからこそ、きになるのですね。

そして、バトルの開始です。僕には鐘の音が聞こえてきました。『カーン』

胸ぐらつかむチンピラ、睨みつけるヤクザ。
声を出すと、職員が来る為、彼らなりの配慮なのか?音は出しません。同時に他のメンバーが、職員が来ないか見張ります。
部屋でのケンカは、基本的に同罪扱いです。
ケンカした本人達はもちろん、部屋のメンバー全員から、事情をきかれます。どうしてなったのか?等。

その時は、職員にはバレませんでしたが、そんな事は毎日ある部屋もあります。後に、この2人も職員に見つかって部屋を出て行きました。

出ていったら訪れるのは、楽園です。
邪魔な奴が、いなくなると格段に生活しやすくなります。ケンカしてくれて、ありがとうございました😊

こんな、拘置所生活まだまだ続くのです。

次回、拘置所からの移送 です。

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