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不信任案を提出するのは自由だと思うけど

あはは。なんか知らんけれど菅直人首相と比較してどうするんだろう。東日本大震災は一度に2万人以上の死者が出た大災害であったので、1年たっても1万人ちょっとしか死者の出なかったコロナと同列には論じられないのは自明である。

むしろ菅直人氏はたった70日しか国会を延長せずに夏休みをとったのではないか。あのときはむしろ通年国会にすべきだった。政府中枢に夏休みを取る余裕があったとは思えない。それを考えると当時の菅直人内閣は批判されても仕方がないのである。

コロナ対策

これに対して日本のコロナ対策は米国やインド、ブラジルなどで数十万人の死者を出し、10万人以上の犠牲者を出す国が続出する中で1万人の犠牲者ですんでいるのだから公衆衛生の観点からは優秀な対策が打てているというべきであろう。

無症状者への人口ベースのPCR検査導入などというのは愚行というしかないのであって、感染予防対策としては効率の悪すぎる代物でしかないし、「不安な人はいつでも何度でも無料でPCRを受けられるようにしてください!」という訴えも公衆衛生的には無意味なので、そういう人はきちんとお金を支払って民間の検査機関で検査してもらえばよいのである。

第四波においては大阪では患者の急増、それに続く重症者の増加で重症ベッドがオーバーフローした問題で政府や地方自治体を責めたい気持ちはわからないでもないが、公立病院や準公立病院である病院は黙って患者を受け入れていたでしょう。民間病院だって自院の入院患者がコロナを発症した時には患者が重症化してもなかなか重症病棟が空かない時には黙って自分たちで患者を診ていただろうと思うのである。共産党系の病院だって自院で患者が出て重症化してなくなったときには院長が記者会見して「亡くなる前に専門病院に送れたらもっとよい治療ができていた可能性があったのに」と言った記事も出たし、自院には入院させたわけではなかったけれど院長自ら防護服を着て入院待ちの患者を自宅に往診したという新聞記事も見たことがある。民間病院の共産党系病院ですらも自分たちはコロナには全く無関係で我関せずということはできなかった程なのである。

ゼロコロナの人は「緊急事態宣言を続けていればよかったのだ」と脳天気なことを言っていたけれど、それは無理というもの。緊張はそれほど長く続かないのである。年末年始の患者増加が落ち着いてきたのに緊急事態宣言を続けていても、無意味な規制に対しては規制破りが続出していただろうと思う。あそこでは一旦規制を緩和するのが当然だったと思う。

第四波では大阪で感染増加が先行して東京ではタイムラグがあったので、大阪では酒類提供禁止による酒屋さんの苦境が報じられたが、東京では緊急事態宣言が出ても規制破りで営業再開だという飲食店の話題が多かったのではないか。

公衆衛生的には感染症対策としては感染源対策、感染経路対策、感受性対策の3つがあるが、感染源対策に力を入れた韓国、台湾、中共では一定の感染抑制効果は得られたことは事実だが、すり抜けた患者を完全に排除することはできなかったので、そういう人たちからの感染拡大を防ぐことはできなかった。中共でも広東省でインド株の感染が起こっている。

日本では主に感染経路対策が行われ、完全に感染拡大を抑制することはできなかったけれど、一定の効果はあったという結果だといえるだろう。ただ、感染源対策であれ感染経路対策であれ、ウイルスが防壁で弾かれている限りは中の人は安全だが、ウイルスが防壁内に侵入すると、防壁内で感染拡大を起こしてしまうという危険が起こるわけである。韓国でも台湾でも結局感染拡大を引き起こしてしまった。日本でも第五波の危険が囁かれているのは多くの国民にまだウイルスに対する感受性があり、ウイルス粒子に触れると感染する危険のある人が多いからである。

ウイルスに触れても感染する確率を下げれば流行を起こしにくくなるじゃないかという考えが「感受性対策」である。これについてはワクチンが第一の選択になる。ワクチンは免疫の性質を利用して感染しなくても体にコロナウイルスなど、目標の感染因子による感染への防御力を上げる方法である。もう一つの方法は「感染パーティ」方式で、自然感染させて体の免疫系を賦活する方法であるが、日本の人口は1億人以上いるわけで、その何割かの人が実際に感染して発病すると数十万人の死亡者が出るという予測が示されたので日本ではその方法は放棄された。「コロナはただの風邪」と言う人は「ハハハ、インフルエンザでもそんなに死なないだろう」と笑うが、実際、数千万人の患者が出た米国では何十万人も犠牲になっている。予測は大体正しかったと言える。

英国も日本も当初は「感染パーティ」方式を模索したが、その方針はすでに廃棄され、ワクチン接種に変更されている。

日本では自国でのワクチン開発が遅れたため、英米には接種率は少ないが、ワクチンの確保には成功し、大規模接種システムも構築した。後は接種を国民全体に積極的に進めてゆくフェイズに入っている。今は反ワクチン集団の妨害工作の排除が気になるくらいではないだろうか。今は1回接種した人の割合が人口の1割を超えた段階である。

ここまでやった安倍内閣、菅内閣の実績を無視してコロナ対策に手をこまねいていたというのはもうデマという次元ではないだろうか。

経済対策

もちろん経済対策の観点はあるけれども、無闇に金を放出しても、経済のレスキューにならずにバブルになった資金が投資市場や投機市場に流れ込むだけになるであろう。この場合、せっかくの資金は経済成長にはつながらないことになる。

もちろん、「コロナは戦争!じゃぶじゃぶにしろ!」という観点でインフレ万歳と叫ぶことは自由だけれど、そういう政策がインフレファイターの財政当局とコンフリクトを起こすことについてはどうするのだろうか。

そりゃ貧乏人に金を渡してそのお金に「野党」って書いておけば野党に投票してくれるはずという票を金で買うという刹那的な対策は、例えば持続化給付金の不正取得がしばしば報道されているように、社会によくない影響を与えるだけであろうと思う。

国会解散について

また、内閣不信任決議で解散総選挙だと幹事長がぶち上げるのは当然のことである。野党はどうだか知らないが、自民党の幹事長の仕事は選挙で勝つことであろう。その幹事長が「解散しないで、選挙はしたくない」というならばその存在意義が問われることになるだろう。もちろん、解散は総理の専権事項である。

野党としては、むしろ、「7条解散は不適切。内閣不信任案が通った場合には内閣総辞職して総理を変えよ、衆議院の解散はすべきでない」という主張じゃなかったのだろうか。野党は無定見だからそのときの都合でコロコロ意見を変えてもやむを得ないじゃないかというならばもうどうしようもないわけであるが。まあ、内閣不信任案が可決される見込みはないので好き勝手言って何が悪いと開き直られたら「どうぞご随意に」というしかないわけである。

不祥事などについて

これは確かにいくつかの事件が起こっている。けれども逆に言えば、問題のある事例はきちんと事件化されたということである。法廷で司法によって断罪された訳で、それは三権分立の原則に則っているということである。法廷は公開裁判である。

安全保障について

野党というか共産党は安全保障の観点が余りにも疎かではないかと思う。そりゃ、樺太や千島の領有権を主張しているのだとはいうけれど、空想的な主張は無意味である。実際北方四島の返還もかなわないのに樺太千島なんていうのは現実的ではないのである。

それよりも日本の国土防衛についての知見にはあまりにも乏しいといえるのではないか。日本はそれでなくても島国であり、離島も多数なのだけれど、こういう離島をどうやって防衛するのかという視点を持っているのかどうかも怪しいのである。空想的な左派リベラル達は「軍隊があるから戦争になる。軍隊さえなければ戦争にはならない」レベルの妄想を叫ぶが、現実問題として、ロシアのクリミア占領など、力による現状変更を肯定する国はまだ存在するのである。中印国境紛争でもインドが軍隊を持っていなければ、紛争地帯は単に中共に侵略されて終了ということになる。当然ながら、領土侵略を成功させた中共はさらなる領土拡大を目指すことだろう。

これは共産主義国家であろうとも欲望は限りないということであり、それゆえに共産主義が空想以上には現実化しないことの裏返しということでもある。マルクスのいう共産主義が成り立つ条件はリソースの生産が人々の欲望を上回らねばならない。けれども、共産主義国の欲望は常にリソースの生産を上回ってしまっているのである。

日本国憲法の前文には「諸国民の公正と信義を信頼して」日本人は生存を図ろうぜ、って書いてあるのだけれど、残念ながら公正と信義を信頼できる諸国民はどこにもいないのである。まあ、共産党員は怒るかもしれないけれど、この「公正と信義を持つ国民」は日本国憲法の草案を書いた米国の自画自賛なのだと思う。日米安保で日本に集団的自衛権を要求しない片務条約を承認したのは米国だけであり、在日米軍基地を自由に使わせるというバーターではあるけれど、米国は日本を70年くらいは裏切らずに安全保障の関係を保ち続けてきたのである。韓国はすでに日本の竹島を侵略したし、中共は尖閣諸島の領有権を叫んでいる。ロシアは日ソ不可侵条約を破って樺太千島を侵略した後居座っており、未だに平和条約すら結べていない相手である。

共産党員の脳内では日本だけが軍国主義のファシストであり、周囲はすべて平和主義の国々という妄想に満たされているかもしれないが、すでに韓国は対馬の領有権について叫び始めており、中共は沖縄は中華領だと言い始めている。すでに香港の一国二制度を潰したし、南シナ海の九段線の主張も実行に移しているのである。これら東アジアの国々の膨張政策に適切に対応しないと、日本は竹島に続いてほかの領土も奪われてしまう危険は十分ある。

対馬の自衛隊基地周辺の韓国資本による土地買収

対馬は韓国に近いため、韓国人観光客を誘致していたが、韓国人たちは「対馬は韓国領です。それを示すために韓国のムクゲの木を植えましょう」という運動をやっていたそうである。また、韓国資本が土地を買収して韓国人相手の観光や宿泊施設の経営をやっていたそうで、今はコロナによる国境閉鎖で韓国人は去っているが、かつては韓国人にあふれていたというのである。

その韓国資本の土地買収は自衛隊基地周辺に及んでおり、仮に韓国政府が対馬侵攻を企図すれば自衛隊基地のスパイができる土地も韓国資本の手に渡っているそうである。もちろん、米韓同盟もあるし、いきなり韓国が日本に軍事侵攻を仕掛けてくる可能性は低いのだけれど、そういう危険な土地をコントロールせずに無防備にしていてよいのかという議論は当然あるべきだろう。むしろ、樺太千島の領有権を主張して国土防衛に関心のある日本共産党だからこそこういう安全保障上の問題を無視する方がおかしいと思うのである。




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