検査における「感度」の意味

これ、「感度」の意味を間違えている。感度とは患者のうち、検査でどれだけ患者を見つけられたかという割合のこと。患者でない人をいくら陽性だと判定しても感度は上がらないのである。

検査陽性の人で実際の患者の割合はどれほどかというのは陽性的中率になると思うが、非患者を陽性とする事例(偽陽性)が増えると陽性的中率は下がるのである。

また、非患者の中で正しく検査陰性として診断できる率を特異度と言うけれど、非患者をガンガン陽性にする検査では特異度も下がってしまうと思うのである。

抗原定性検査では標的タンパク質を増幅せずに検出するので(もちろん、発色についてはABC法などで増幅しているだろうけれど)、ゲノムを増幅して検出するPCR法に比べて陽性率は低くなる。その分、陽性になった事例ではウイルス蛋白が大量に存在するということになるので、真の患者をピックアップできると考えられている。

抗原定性検査はそのため、実際に発熱等の症状がある人に対して、その人の症状がコロナによって起こっているかどうかを知るために使われる事が多い。

つまり、無症状の時期には抗原定性検査はあまり有効ではない。つまり、彼らPCR崇拝者にとってはあまり意味のない検査に映るのはやむを得ないだろう。

とにかく彼らはPCR検査を行なって、真の陽性者と偽陽性の人を患者として隔離して安心したいわけである。そして、実は一定の確率で出現する偽陰性者(真の患者なのだけれど検査が陰性にでた人)については考慮しないということで解決を図ろうとしているのである。

残念ながら韓国でも日本でもPCR偽陰性の人が存在することは既に報道されている。韓国では非感染者として逆隔離した集団に偽陰性者が混ざり込んで、そこからクラスター感染を引き起こした事例があったのである。

左派やJリベラルの人は無症状の感染者に対する恐怖を抱いているようであるが、残念ながら、そういう無症状の感染者を真の身感染者と早期に分離することは今の技術では困難である。今の技術では発症した人を適切に診断することにこそ注力すべきであり、無症状の人は潜在的な感染者として警戒し続けるしかないわけである。感染の可能性を減らすためにはワクチンの接種しかない訳である。

抗体カクテル療法とか飲み薬は基本的に早期発見早期治療という二次予防の範疇の話題になってしまうので一次予防とは質的に異なるのである。



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