「負けヒロイン」を負け組として自立させることがフェミニズムかもしれない

いや、「負けヒロインが多すぎる!」というアニメが放映されているわけである。

小学館の賞を取った作品らしく、結構面白いので連休の一部をそこに費やしたわけである。

負けヒロインとは、つまりは白馬の王子様に袖にされてしまった女性ということになる。

女性にしてみれば三高男を狙えという時代もあったわけで玉の輿を目指すということもあるかもしれない。

まあ、作品は舞台が高校なので高校生が自立を目指すというのは稀である。

ハンサムボーイだったり、成績優秀だったりするイケメンに向かって行って無惨に敗北してしまった女子高校生たちが傷を癒すのが主人公のフツメンボーイというのがお約束ということになる。

設定としてはこのフツメンボーイはコミュ障オタクボーイということで、ラノベ読者の普通の高校生ということで読者の共感を得たいということだろう。けれども、彼は下に妹がいるシスコンである。

コミュ障というよりもシスコンで妹と疑似恋愛してしまっている主人公は他の女性に対する攻撃性が皆無であるため、傷ついた女性たちは彼のそばで癒しを得られるが、彼からは性的な満足感を得られることはないのである。

うまくいうならばモラトリアムな世界の継続であり、安心して生きて行ける代わりにそれ以上の発展は積極的に阻害されている。

負けヒロインの一人はおそらくは満たされない性欲を食欲に転化してゆかざるを得ない訳である。

無論、この主人公以外の男性と結ばれた「勝った」ヒロインたちは波乱を経験しながらも成熟のステップを経ているのかもしれない。

ストーリーの都合上、主人公が誰かと結ばれたら連載は終わってしまうので連載が続く限りモラトリアムは継続するという蛇の生殺し状態ということだろう。

これは大自然である大海原ではなく安全なプールと言い換えることができるかもしれない。

SNSなどで、多くのシングルマザーやそのシンパが「男に射精責任を!離婚したら母親絶対単独親権で別居親の男は親としての権利は全て失うがひたすら養育費だけ払え!」と騒ぎまくっているのも大海原の危険は嫌なのでプールの安全をという主張に回帰することができるだろう。

産婦人科で女医だけにしろ!と言ったり付き添いの男が産婦人科にくるな!と叫んでいる人もまあ同様である。

これらは女性に安全を保障する遊園地で安全に楽しく遊ばせろという主張であり、日本の多くのフェミニストたちが叫んでいることになる。

だからこそ彼女たちは自分で稼いで自立するというリスクは否定するのである。
自分は自分の好きなように働くから給与の男女格差は否定して女性たちが時短であってもフルタイムの男性の給与と同じだけよこせというし、家事育児のケア労働は男が負担すべきだけれど生活費は男が稼げ、デートでは男が全額持つのが当然!と当然の如く要求する訳である。

だからこそ専業主夫については自分は拒否する!という女性ばかりである。

こういう欺瞞は左翼政党が叫び出しやすい「低負担高福祉」の欺瞞と同じレベルの妄想ということができるだろう。

フェミニストたちはこういう欺瞞を当然のこととして現実に適用しようとすると失敗するだけということに気づくべきなんである。

テーマパークの楽しさは入園料を払ってこそ楽しめる妄想の世界であって現実世界ではない。
だからこそ韓国では教育費の元を取るために女性たちは結婚を捨てて死ぬまで働く労働機械になっている。出生率が1を切ってしまっているというのが現実である。

日本でも結婚を捨てて女性は自立すべきと叫ぶフェミさんは少なからずいる。これはつまりは少子化へのアクセルである。日本も韓国を見習って出生率を1以下にしようというのがフェミニズムの本質である。
そうなると出生数もどんどん減ってゆくのは自明のことである。

大体この辺りでフェミニストは全部男が悪い!と叫んで自分の言葉に責任を取ることをやめたがるのではないか。

出生数が減るとまず大きな影響を受けるのは学校である。学校が平行になったり合併して教師数も減らされることになる。

財務省もそれを見越して正教員の数は増やさずに必要な教員数は非常勤職員である講師の数を増やせと言ったりしているのである。

今後は大学の閉校も増えてゆくことだろう。これはフェミニズムを煽った大学教員の責任とも言える。

既に負のフィードバックがかかっているのが明白な日本の人口を見て全般にフェミニズムを推進してゆくことはどうなんだろうと言えるのである。

負けヒロインにはもう再生産の希望を捨ててもらって、フェミニズムを叩き込んで負け犬として結婚とかさせずに過剰な経費をかけずに自立して孤独な人生を送ってもらう時期なのかもしれない。これはインセルとか非モテ男といういわゆる弱者男性についても同じかもしれない。

政府は再生産の可能性のある勝ち組を優先して支援することで出生数の低下を少しでも抑え込んで次世代の育成に本腰を入れるべきなのではないか。

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