「心因性」
これは「心因性」を知らない(体を治す科の)医師は最初、このツイートのような誤解を発したことがあるが、それに対応して正しい知識をツイートされていたように思う。もちろん、正しい知識を知らずに使った人について、副反応を起こした人で侮辱だと感じた人もいるかもしれないが、HPVワクチンが接種勧奨停止になったのはそういう無知でツイートした人達のせいではないだろう。その意味ではこのツイートはそれ自身で誤謬を含んでいる。
HPVで副反応を起こした人とその支持者の反ワクチン運動家は神経内科のドクターを巻き込んでひたすらワクチン中止へと邁進した訳である。その反対運動と実際の副反応の強さによって厚労省は接種勧奨の中止を決めたはずである。
その後、副反応を起こした人の症状が思春期女性に起こる心因反応と類似しており、その発生率が接種者と非接種者で有意差がないことは名古屋市の調査で明らかにされている。反ワクチン運動家はあの調査を認めない人が多いけれども。
幸いなことに、副反応として心因反応を呈した被接種者の多くは1年後には自然軽快していたようである。これは上記のレポートで信州大学のグループが報告している。
厚労省はまだ接種勧奨を再開していないが、こういうリーフを作ったようだ。
接種しなかった人は侮辱されなかったかもしれないが子宮頸がんにかかってしまって生死の境を彷徨ったり、命を失う人がいる訳である。こうやって死ぬ人はそもそも多くの人からもその存在を気付かれもせず、顧みられることすらないのである。そういう人を救うことも医療の大きな役目である。