担当大臣
さっき、通学の電車に乗り遅れた我がお子様を学校までお送り申し上げていた訳であるが、渋滞の帰り道にラジオから国会放送が流れていた。野党の皆様は何でもかんでも「他の大臣じゃない、総理の答弁を!」と叫んでおられたのであるが、そんなもの、何でもかんでも総理大臣が一人でやっていては過労死への一本道である。なんのために諸大臣が存在するのか。
総理も生真面目だから全部答えなきゃと思われているのかもしれないが、専門の担当大臣に答えさせた方が良いと思う。例えば、「検証」は後日にならないとできない訳である。辻元清美氏が「療養施設になっているホテルについて、消毒を行える業者が少ないので先に利用していた人が回復して退所した後、消毒ができないため、次の人が入れなくなっているので国が自衛隊を動かして消毒業務をさせろ」という意のことを総理に迫っていたが、原則は実務は都道府県知事である。いくら縦割り打破といっても国が都道府県知事を抑えてしゃしゃり出てきて一々細かいことを指示するようになれば国と知事が別々に指示を出すことになり、指揮系統が乱れてしまって現場は混乱するばかりである。
まあ、そういうことも理解できない人がこれを聞くと「総理を責めている野党カッコいい」と思うのかもしれないが、ちょっともののわかった人は呆れるだけだと思うのである。
総理の実務は都道府県知事であるという答えは誠に正しいので遠慮せずにはっきりという方が良いと思う。消毒業者の少なさについては監督官庁の長である担当大臣に答弁させれば良いし、仮に自衛隊が出動しなければならないとしても、それはあくまで都道府県知事の要請によって自衛隊が対応できるかどうか判断するという話であろう。自衛隊にそういう消毒作業の対応能力があるかどうかについては総理が答えるべきことではないであろう。
穿った見方をすれば、野党議員の質問は問題解決のためというより総理大臣から言質を取り、もしくは失言を誘発したいだけである。多くの人はこのコロナ流行の問題解決を願っているだけであり、政変や政局を望んでいる訳ではない。国会で正しい方向を探るには各担当大臣の専門的な見解をきちんと提示した上で、正しい情報を確認してから行うのが当然ではないか。いくら野党議員が「ソーリ、ソーリ」と言っても、まずは各担当大臣が見解を提示して正しい知識、現状認識を確認してから行うべきであろう。
総理は自信を持って「只今のご質問にはまず担当大臣から現状を答弁させるのが適切であるので担当大臣に答弁させます。」といっていただければ良いと思うのである。