やっぱり怖いのは「例のCMは在日様やダブルの人を肯定的に描いているから一切批判してはいかん。賞賛するか黙っていろ」という意見である。
リベラル的にいえば、日本人はマジョリティなので十把一絡げであり、個性も何も必要ない、大量生産のロボットじゃないか。別にその一人一人が重要じゃない。替えがきくとでも言いたいのかもしれない。
結論から書いておくと、在日コリアンや黒人とのダブルの子が一人一人重要であるのと同じく、日本人の子も一人一人が重要なのである。もちろんネトウヨの子であっても一人一人を尊重すべきである。(こう書くとネトウヨはゴキブリだから駆除しろ、人間扱いするなとリベラルが叫びそうではあるけれど)
もう忘れてしまった人も多いかもしれないが、かつて日本のミスユニバース代表に黒人と日本人のダブルの子が選ばれたことがある。その時、彼女のテレビのインタビューを見たことがあるが、気持ちよく受け答えしていて、なるほど、代表に選ばれるわけだと思ったから彼女を支持したよ。多くの人は非難したり悪口を言っていたと思うけれど。でも、もし彼女がただ「ダブルだから」という理由で代表に選ばれていたとしたらきっと私は彼女を支持しなかっただろう。
だからこそあのCMのチマチョゴリは気持ち悪かった。日本の女子選手が振袖をきてサッカーをする?確か、日本人は後ろ姿で「Yamamoto」という名前の付いたユニフォームを着ていたと思う。
そりゃチマチョゴリを着た女の子は誇らしげではあった。けれども、サッカーじゃないよね。弓道でもするの?という雰囲気であった。すごく場違い感溢れていたと思う。
そりゃ、製作側にしてみれば、日本人と在日コリアンを外見で区別しにくかったのだから仕方ないじゃないか、きっと在日コリアンはあれを見て涙を流して喜ぶはずだというかもしれない。実際、あれをみて「我々は日本人に勝った」と大喜びした在日コリアンがいたかどうかは知らない。
私には違和感しか感じられない演出だった。