僕にはDASADAは難しい
書き始める前に念のため言っておくと、僕はDASADAが大好きだ。
このnoteはめんどくさい陰キャオタクが救われる話である。
※当記事は、以前はてなブログに掲載した記事を転載し、加筆修正を行ったものです。
(初稿:2020/3/29)
この後見事に手のひら返ししました。
後半の怒涛の展開は圧巻だった。
DASADAのお話はカロリーが高い
DASADA序盤の好評価が飛び交うTLの中で、あまり話題に乗り切れない自分がいた。
理由は以下の通り↓
僕は人と深く関わるのが苦手だ。
相手の顔色を伺ってしまい自分の意見もあまり言えないので、喧嘩もしたことがない。
もちろん、同じ部活の人などの仲のいい友達はいる。だが、いわゆる仲良しグループのようなものには入れていないし、気のおけない友達というのはいないと思う。
とにかく、人との関わりの中で生じるいざこざや衝突が好きではないので、人との親密な関わりを避け続けてきた。
そんな、人間関係から逃げてしまう自分にとって、女子校のスクールカーストや、人間関係の妬み、などが展開された序盤のDASADAのストーリーは、正直なところ苦手と言わざるをえなかった。
女子校という未知の世界
DASADAを見ていてとにかく凄いと思ったのは、日向坂メンバーの演技力の高さ。
自然な演技はとてもリアルで、本当に女子校の生活を見ているような気分になる。
そう!リアルなのだ!!リアル過ぎるのだ!!!
町中の見ず知らずのJKにすらビビってしまう僕には、このリアル過ぎるが故の弊害が襲いかかってきた。
つまりは、日向坂メンバーが演じる、画面内のマロニエ女学園の生徒にビビってしまう ということだ。
女子校の内情なんて知らない僕には、マロ女こそが女子校という未知の世界のイメージを形成する全てとなってしまい、それ故に、スクールカーストや人の妬みなどを、フィクションではなく限りなくリアルに近いかたちで感じてしまっていた。
例えば、にぶちゃんとなっちょが演じる、カーストのトップのキャラが、バスケ部のことを下に見て笑うシーンで、胸にチクリと針を刺されたような嫌な気持ちになってしまう。
バレー部員が、真琴先輩が作ってくれたTシャツを着ることも無く、むしろ真琴先輩がいなくなってせいせいしているような様子を見て、「女子って怖いな」と思ってしまう。
これらのようなシーンで、少しずつ心の中にモヤモヤが溜まっていくので、DASADAを見ていると辛くなってしまう。
ストーリー上の盛り上がりや感動がモヤモヤにまさればいいのだが、服はいっこうに売れないし、この後触れるが、感情移入が上手く出来ないので、なかなか心のもやを晴らしてもらえない。
唯一の救いは、ゆりあ家のシーンと真琴先輩。
ゆりあママのなつかしギャグや、真琴先輩の真っ直ぐな心が、僕とDASADAの繋がりを保ってくれていた。
感情移入って難しい
物語を楽しむためには、登場人物に共感して、感情移入できることは、とても重要な要素だと思う。
しかし、DASADAの登場人物にはなかなか感情移入ができなかったし、心情の変化についていけないことが多かった。
せれな〜で先輩が、ゆりあに自分の頑張りを認めて貰えて心情が変化するシーンは、「あんたに何がわかるの?」と言ってしまえばそれまでだと思ったし、いちごにおいては、かなりスムーズに仲間に入っていて、何回か「それでいいの?そんなに簡単に心変わりするの?」と思ったことがあった。
でもそれらのことは、「尺が足りないから仕方がない」 ということで、自分の中で決着がついたのでもう問題はない。
なので、一番の要因は「キャラのクセが強い」ことにあったと思う。言い換えれば、「性格が強い」。
もちろん、キャラにクセがないと物語的には盛り上がらなくなってしまうので、クセが強いこと自体はいいのだが、いかんせんその「クセ=性格」が自分の性格と真逆で、共感ができなかった。
これについても一例をあげると、いちごのように、クラスにうるさい人がいるからといって、「静かにしてもらえませんか?」なんて、僕には絶対に言えない。ましてやSNSで遠回しに攻撃するなんて、人とぶつかるのが嫌な僕にとって、絶対にありえないことだ。
なので、登場人物の性格に共感できず、その行動に疑問を抱いてしまうことも何度かあった。
そして、最も性格が正反対なのが、他でもない主人公のゆりあ。
というか余談にはなるが、ひなあいで「1人でお店に入れなくて、お昼ご飯を食べないことがある。」と言っていたあのこさかなが、明るく、ポジティブで、楽観的なゆりあを完璧に演じきっているのは、ほんと凄いと思う。
そんなゆりあが、クセの強いキャラ達を、それを上回るクセで半ば強引に丸め込んで、仲間に引き入れていく。
人と関わることや、ぶつかることを「恐れない」、というよりは「気にしない」、ようなゆりあの姿勢は、普段から人の目を気にしている僕には相容れないものがあった。
その結果、回が進んでいくごとにゆりあに対する"不満感"のようなものが溜まっていき、距離を感じるようになってしまった。
そしてそれは、演じるこさかな本人に苦手意識を感じるようになってしまいそうで、怖いような感覚でもあったのだ。
そんな、僕の言葉にできない感情の正体に気づかせてくれて、救ってくれたのは、第7話の菜々緒と立花ちゃんだった。
菜々緒と立花ちゃんが気づかせてくれたこと
菜々緒は、最初はゆりあと仲良しグループだったが、DASADAを立ち上げ、沙織たちと仲良くなっていくゆりあを見て、距離を感じるようになってしまう。また、家の借金のことを自分に話してくれなかったことにも、不満を抱いていた。
そしてそれは、ゆりあのキャラに苦手意識を持ち、距離を感じるようになってしまった、僕自身を見ているようでもあったのだ。
僕がDASADAで初めて感情移入できたのが、まさしく第7話の菜々緒だった。
そして、沙織に図星をつかれ逃げ出してしまった菜々緒に、立花ちゃんは言う。
「菜々緒ちゃんの一番は、ゆりあちゃんなんだよね。」
そう言われた菜々緒は、中庭にいるゆりあ達を眺めながら、自分にとって、ゆりあが大切な存在であったことに、ほんとは自分が寂しかったんだということに、気づいていくことになる。
そして僕も、自分が本心では「もっと人と関わりたかったんだ」ということに気づかされていった。
僕も昔、仲のいい友達グループのようなものに入っていたことはあった。
だけどある時から、みんなと距離を感じるようになって、その集まりの中にいるのが辛くなってしまい、その輪から離れるようになってしまった。
その時僕は、みんなが離れていってしまったと思った。
けれどおそらく、僕のほうが逃げてしまったのだろう。
その後何度か、人と関わろうと試みたこともあったが、失敗を続けるうちに人と深く関わることが怖くなっていった。
それでもやっぱり、ずっと1人でいることは辛い。
だから僕は、壁を打ち破り、どんどん人と関わっていけるゆりあのことを、羨ましいと思い、少しだけ憧れていたのだと思う。
そして、その羨ましさから生じた妬みが、モヤモヤの正体であったのだと、分かることができた。
菜々緒もまた、立花ちゃんのおかげで自分の気持ちに気づくことができたのだろう。
そして、自分の気持ちに嘘をついて逃げるのではなく、もう一度ゆりあと関わろうとした。だから、前よりもさらにゆりあとの信頼を深めることができたのだと思う。
人と関わることから逃げてはいけない。
時にはぶつかり合い、離れてしまうこともあるかもしれないけど、自分の気持ちに嘘をつかず、ゆりあのように真っ直ぐ人と向き合えば、誰とでも仲良くなれる。
そして、大切な人とも、さらに強い繋がりを作ることができる。
そんなことを、僕はDASADAから教えられたような気がした。
おわりに
僕は、苦手だったDASADAのストーリーを見ることで、自分自身のコンプレックスとも、知らず知らずのうちに向き合っていた。
正直、今すぐにこの性格を直すことは無理に等しいが、それでも、今ある繋がりを保って行けるように、そして新たな繋がりを増やせるように、これから少しずつ頑張って行きたい。
たくさんのことを教えてくれたDASADAというドラマと、日向坂46のメンバーに、もう何度目か分からない感謝を送りたいと思う。
いつも勇気や希望を与えてくれる、最高のグループだ。本当にありがとう。
今回、自分の中の正体の掴めない感情を、文章に起こして書いていくことは初めてのことだったのでとても苦戦した。
noteを読んでくれる皆さんに、上手く伝わるように書けたかは分からないが、ここまで読んでくださった方がいたら嬉しい。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
それでは。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?