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”飛鳥・藤原の宮都(世界遺産登録候補)”について思う事、雑感②

 世界遺産登録を目指す”飛鳥・藤原の宮都”が、国内での推薦候補に選ばれ、令和8年(2026)に正式登録される。世間一般的には非常に喜ばしい出来事としてマスコミにも取り上げられたことは記憶に新しい。とりわけ奈良県橿原市・桜井市・明日香村等の関係者は、日頃の努力が報われた様で喜びもひとしおであろう。かく言う私も、古代遺跡が凝縮されている明日香村周辺には一際思い入れがある。それだけに世論とは少し違った角度(一般的でないといえる)から世界遺産登録についての私見を述べてみたい。

多武峰・談山神社十三重の塔

 登録理由として、「東アジアの古代国家形成期において、中央集権体制が誕生・成立した過程を2つの宮都の変遷から示す唯一無二の資産」であるとする。つまり
①東アジア⇒中国からの政治制度や文化・技術を積極的に導入。
②天皇中心の国家の基礎を築いた。
③2つの宮都⇒飛鳥宮と藤原宮
である。私見を述べる。
まず、穿った見方でなくとも、中国文化のコピー&ペースト(切り貼り)と解釈できる。外来文化の影響がその多くを占め日本独自のオリジナル的な文化ではない点において、世界の遺産に比肩する内容とは思えない。日本国内における遺産としての価値が落ちることはないが、世界においては一地方(日本)のさらに地方(飛鳥地域)の一時期(約100年)を捉えているに過ぎない。さらに宮殿をはじめ遺跡は地中に埋もれている。歴史好きな素人目線からいうと”ビジュアル不足”である。一目で驚くのは石舞台古墳くらいではなかろうか。

構成資産から外れた古墳①(都塚古墳と巨大石棺)

次に世界遺産登録候補の構成資産を記してみよう。
飛鳥宮跡、②飛鳥宮苑池。③飛鳥水落遺跡、⓸酒舟石遺跡、⑤飛鳥寺跡、
⑥橘寺跡、⑦山田寺跡、⑧川原寺跡、⑨檜前寺跡、⑩石舞台古墳
⑪菖蒲池古墳、⑫牽牛子塚古墳、⑬藤原宮跡
⑭~⑯大和三山(香久山、耳成山、畝傍山)、⑰大官大寺跡、⑱本薬師寺跡
天武・持統天皇合葬陵、⑳中尾山古墳、㉑キトラ古墳、㉒高松塚古墳
22が構成資産となっている。(太字は宮殿と宮内庁管轄の陵墓

構成資産から外れた古墳②(乾城古墳・石室の高さ約5.6mで石舞台古墳より高い)
乾城古墳の天井部(巨石1枚で覆う)

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