ep.33 記録 私にとっての『Endless SHOCK』
11月29日(金)18時頃。
25年間続いたSHOCKの歴史が幕を閉じた。長い年月愛されてきたSHOCKは当然、たくさんの人たちの中に様々な思い出があると思う。
自分は有難いことに過去4回観劇したことがあって、その時の微かな文章と写真からその当時のことと、昨日見た大千穐楽のことを思い出と共に振り返りたい。
きっかけ
これは10年前、20歳のこと。当時の自分は酷く病んでいた。初めての一人暮らしで時間はあるのにお金はない。孤独を感じていたそんなところに一つの曲が流れてきた。
サビは聞いたことあるな〜くらいに知っていたけれど、こんなに今の状況に刺さる曲はなかった。ここからKinKi Kidsにどっぷり浸かっていく。そんなわけで、図書委員として光一さんのライフワークである『Endless SHOCK』に行って見たい!という気持ちになった。
1回目
1回目の観劇は2015年9月19日(土)。自分への誕生日プレゼントのつもりで応募して初SHOCKとなった。場所は梅田芸術劇場。
この日のことは結構覚えている。ミュージカルというものをほとんど見たことがなくて、周りのオタク友達に「SHOCKに行くなら双眼鏡買わないと!」って言われるまで、必要性にも気が付かなかった。
いざ当日。梅田芸術劇場の場所が分かりにくくて、右往左往した覚えがある。いざ到着して看板を見た時、「とうとう来たんだ!」って感動した。
そして観劇。もう衝撃だった。遠くの席からでもわかる熱量。なんとなくのストーリーと「階段落ち」「フライング」とか点でしか知らなかったものたちが、線になっていく。せっかく買った双眼鏡はほとんど出番がなかった。
当時の日記。
9年前。当時21歳大学生。「凄いものを見た」。一言で言うとそんな感想だった。
2回目
「また、絶対観にくる。」と誓った数ヶ月後。2016年2月4日(木)。「やっぱり帝国劇場で見たい!」と、2度目の観劇にして初めて帝国劇場へ足を踏み入れた。
当時の日記。
この時は就活生で自分がやりたいことが分からなくて迷走していた時期だった。だから自分軸がしっかりしてる光一さんを見て、やっぱり凄いなと思った。
3回目
約一年後の2017年2月16日(木)。この年もまた帝国劇場で観劇することができた。この年は光一さんが主演1500回を達成した年だった。一方の自分は4月から社会人になるという時で、最後の大学生活を満喫していた。
当時の日記。
もっと感想を書いておいてよ〜と思うけれど、光一さんが真上を飛んでいたのであればしょうがない。衝撃で記憶まで吹き飛ばされた。
4回目
自分にとって最後のSHOCK観劇となった2018年2月12日(月)。この年は社会人2年目で異動によって新しい部署になったばかりの頃だった。
当時の日記。
これを書きながら調べたところ、この真横を通る演出は翌年2019年に廃止されたらしい。どうやら貴重な経験が出来ていたらしい。ただ相変わらずその衝撃で記憶が吹っ飛んだのか、記録が薄い。まあこの当時の自分もまさか最後の観劇になるとは思ってないだろうからね・・・。
大千穐楽当日
そして来る2024年11月29日(金)。仕事はお休みを取ったけれど、朝少し働いて、チケットの忘れ物がないかだけ確認して出発。
駅に到着すると、明らかに同じ目的の人人人。この一人一人みんなに色んなSHOCKの思い出があるんだろうなあと思うと「あなたにとってSHOCKとは?」と一人一人に聞いてみたくなる。そんなこと思いながら、飲み物など買っていざ入場。
自分が行った場所は6スクリーンで上映。平日真っ昼間なのに!圧巻!一番前の席だったからチケットを発券したときは「上を見上げて首が痛くなりそうだなあ」とか考えてたけど、全然そんなことなかった。普段映画館に行かないから、最新の映画館事情を知らなかった。
着席してすぐ現地の様子が映し出される。オケ隊が楽器を調整する音が聞こえて「これこれ〜!」と懐かしい気持ちになる。この音を聞きながら、ここにいる全員にとって最後なんだよな、と思ったら始まってもいないのに泣いてしまった。涙腺ゆるゆるすぎる。なぜ自分なんかが真っ先に泣いてるんだ・・・と自分でも思うけれど、涙腺が緩いんだからしょうがない。
前半
とにかく『Yes,My Drdam』で泣いた。「千秋楽無事に終わったー!わーい!」って明るい曲なのに!!!今まで見ていた時は「よかったね!」くらいの感覚だったけれど、今日この時だけは違う。本当にこの『SHOCK』というミュージカルも大千穐楽なわけで。歌詞があまりにも刺さりすぎた。
この歌詞を光一さんが書いてるんだからまた泣ける。どうか自分たちが知らない裏で、終わった後にこれくらい騒いでいて欲しい。それと、どうか光一さんにもコウイチのように「もう次のショーを考えてるんだ!」って言って欲しい。
YMDだけでなくて、前半とにかく楽しい場面が続くのに、ずっと笑いながら泣いてた。むしろみんなが笑っている時ほど泣けた。
リカ役の中村麗乃さんのことは今回初めて拝見したのだけれど、とにかくお美しい・・・!でも声が可愛らしくて、ミュージカルを演じるリカと普段のリカがすごく表現されているように思えて良いなあと思った。『ONE DAY』の「どんな世界が」の言い方がすごく好き!って思ったんだけれど自分の言語力では言い表せられなくて悔しい・・・!後から乃木坂46の方だと知ってめちゃくちゃ驚いた。ライビュ会場に男性一人客の方がいて珍しいなあと思っていたんだけれど、今思うとあの方々は中村さんのファンの方だったのかな。SHOCKの間口を広げてくださったと思うとその点も有難い限り。
ライバル役のタツヤこと上田竜也さんも同じくミュージカルで拝見したことはなくて、自分が観劇した時のライバル役の方々とも雰囲気が全然違うからどんな感じなんだろう。って正直最初は恐る恐る見ていたのだけれど、良かった〜!確かに自分が思い描いていたライバル役とは結構違っていた。自分の中のライバルは「真面目な人が真面目に取り組んだけれど、どうしても追いつけない嫉妬、諦め」みたいなイメージだった。一方のタツヤはとにかくヤンチャでギラギラ感があって「俺は俺なりに頑張ってるけど、どうしてもあの人には勝てない、、、!悔しい!」という、若さゆえの苦悩みたいなものがみえて、それも良いなあと思った。
コウイチは『SOLITARY』を見て「これだよこれ〜!」って嬉しくなった。フライングとかもだけれど、やっぱり光一さんのダンスは所作がとっても綺麗。後半の『Higher』のダンスも好き。
あのあと・・・個人的に驚いたのがSpeciaLの松尾龍くん。よく推しのブログに登場するから名前と顔は一致していて「あの子!」っていうのはすぐに分かったんだけれど、初めて動く松尾くんを見たから結構衝撃だった。顔が綺麗で良い意味で凄みを感じていたから、タツヤとコウイチの間に挟まれて「どうしよう」ってなってるところとか、コウイチが戻ってきて『Higher』で混ざるところとか。色んな感情が顔にのるんだ〜って、随所で良いなあって場面がいくつもあった。
余談。あの空飛ぶ車とかペンダントとかどうなるんだろうか。見せてくれなくても良いけれど、どこかで光一さんが大切にしてくれたら良いなあ。って前半に思っていたら、これについて光一さんがカーテンコールで話していたのでまた後で。
インペリアル・ガーデン・シアターからは真面目パートが多いので真剣に鑑賞。こんな間近で見る「ジャパネスク」怖かったーーー。
あとはオーナーの「走り続けることだけが全てじゃない。自分を見つめ直すのも大事」みたいな言葉が今の自分にすごく刺さった。みんなのためを思っていても、本当の声は直接対話しないと届かないんだよね。勝手に反省。社会人をしっかり経験してから見るとやっぱり思うことが違う。
後半
真面目パートが続くから一生懸命に鑑賞。最後に観劇した時から6年も経っているのになにも変わらない。正確には少しずつ変わっているけれど、でも変わらないからこそストーリーを知っている分、「あれも終わった。これも終わった。」って、終わりが近づくことが分かって泣けた。だからか後半の記憶がほとんどない。
ただ一つ。『夢幻』の最後はずるいよね〜〜〜(号泣)。舞台の上ではいつも冷静沈着な光一さんでも、やっぱり大千穐楽ともなると感情が入るんだって思った。
カーテンコール
ふぉ〜ゆ〜福田悠太さんの言葉で涙腺崩壊した。
この言葉に光一さんが「その気持ちもわかる」って優しく受け止めていて。実際に『夢幻』のことがあったから、もう大号泣。光一さん、みんなの言葉にフォローしたり一つ一つ受け止めたりしていて、世界一優しい上司だなあって思った。こんな上司ばっかりだったら仕事が捗りそう。
あと前半で気になってた車や鏡台とかについて。光一さん「欲しい人〜?」ってオークションし始めて、これが光一さんだよなあって爆笑した。改めて『夢幻』の光一さん本当にレアだったよなあ。それとコウイチのように、とはいかないけれど、これからのことについても言及してくれたのが嬉しかった。
最後はライブビューイングの人たちとSHOCKカンパニーの皆様で三本締め。自分がいたライビュ会場はみんなここまでパラパラと音が出ないよう控えめに拍手していたけれど、ここだけははっきりと揃った音が聞こえた。その後の拍手ももちろん。本当にお疲れ様でした。
感想
始まる前から泣いていたからか、泣きすぎて頭が痛くなった。改めて25年間ってすごい。自分が25年間続けていることがあるかを考えたけれど、生きてることくらいしかなかった。いや5歳から続けてることなんてなかなか見つからないけれど。ただ、これから先25年間も、ものすごい熱量で続けられることなんてあるのか、と聞かれたら分からない。それくらい走り続けるのって難しいよなあって思う。
家に帰ってからCDを聴きながら改めて色々と思い返した。きっかけに書いた通り自分は人生で一番辛かった時期が20代前半で。そのときを支えてくれたものたちの一部に間違いなくSHOCKがある。見終わった後になんとなく「明日からも頑張ろう」って、前向きになんてなれなかった自分にこう思わせてくれた。このことを絶対に忘れたくない。
おわり