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イヤホンに助けられた話【ピヤホン】

ひょんなことから、私はイヤホンに助けられた。
事の発端は通称「ピヤホン」を入手したことだった。

うちの子、初代ピヤホン

「ピヤホン」というのは、ドラマーのピエール中野さんがプロデュースしているイヤホンの総称だ。
その入手しやすい価格帯と、それを猛烈に超えてくる音質の良さから、発売直後から話題になっていた。
それを聞いて、私もちょっと無理をして初代ピヤホンを買ったのだ。
当時の私はせいぜい2~3千円くらいのイヤホンしか持っておらず、それで特に不満もなかった。
そんな環境からの2万円超えイヤホンは正直かなり思い切った結果だった。
(あとPSYCHO-PASS好きなので常守ボイスが神すぎた)

【ピエール中野氏監修イヤホン】ピヤホンって?専門店が全機種ご紹介!  


それは、とんでもない衝撃だった。
今まで聴こえていなかった音が、まるで洪水のように聴こえてくる。
明らかに今までのイヤホンとは違う音質に、武者震いしたのを覚えている。
星野源で言うなら「桜の森」のアウトロ直前で、コーラスがはっきりと聴こえる。
「アイデア」の1番で鳴っている楽器の数が、どう考えても増えている。
あまりにも画期的で、源さんの楽曲を片っ端から聴き直したほどだった。
ついでに、その後発売された有線ピヤホンも買った。
結局、有線ピヤホンに関しては何本も買って、あちこちに布教した。



そんな中、初代ピヤホンの調子が悪くなった。
なぜか左側だけ音が籠もるのだ。
Bluetoothは正常に繋がっているし、念のため再生側の音質も調整してみたが、どれも効果がない。
寝ながらラジオを聴こうとして左耳だけイヤホンを装着しても、ちょっとぼやけた音になるのは少々困る。
とはいえ修理に出すほどの状況でもなく、困ったなあと思いながら我慢していた。

何日か経った頃、ふと思いついたことがあった。
左側が不調なら、右側を使えばいいじゃないか。
それなら鮮明に聴こえるんだし、ラジオは片耳で聴くことが多いから左右がどうであれ特に困らない。
意気揚々とLと書かれたイヤホンを装着して、ラジオを聴き始めた。



音のぼやけ方が、変わらない。



前述したように、ピヤホンはとんでもなく解像度の高い音が出る。
だからこそ左側の不調にもすぐに気づいたし、それははっきりと気づける程の差があるのだ。
明らかに低音が籠もっている。
左右を間違えて装着したのかも知れないと、もう片方を装着してみる。



音のぼやけ方が、やっぱり変わらない。



嫌な予感がした。
おもむろに有線ピヤホンを引っ張り出し、同じく左右を片方ずつ装着して確認する。
結果は同じだった。
明らかに、左側の低音だけが籠もっているのだ。
これは早々に対応したほうがいいだろうなあ…そう思いながら、私はため息をついた。



翌日。
病院での聴力検査の結果、私の左耳は低音域がガクッと落ちていた。
私はピヤホンの圧倒的な音質から判断して、この故障はピヤホンではなく「私の耳」の故障だと悟ったのだ。
早々に耳鼻科を訪れ、サクッと聴力検査を行うと、結果は一目瞭然だった。
グラフを見ると、完全に左耳の聴力が落ちている。
まさかイヤホンに耳の不調を気づかされる日が来ようとは思わなかった。

割と早めに通院を始めたおかげか、半年ほど激マズな薬を飲み続けただけで症状は治まった。
今はもちろん初代ピヤホンは健在だし、私の聴力も左右差はなくハッキリと聞こえている。
これだけスッキリと治ったのは本当に運が良かった。



けど、ピヤホンがなかったらどうなっていただろう。
実際に不調に気づけたのはピヤホン装着時だけで、それ以外の日常生活では全く支障がなかったのだ。
というか聴力が落ちていたことに気づいてすらいなかっただろう。
耳の疾患は、早期治療がとても大事なのだと病院で言われた。
その差に気づけたのはピヤホンのおかげだし、それが早期治療にも繋がった。

このクオリティのイヤホンを破格で販売してくれるピ様には感謝しかない。
音楽の解像度が上がることで、より一層音楽が楽しくなった。
それだけではなく、自分の不調にも気がつけた。
購入するときはかなり躊躇ったけど、今は「本当に良い買い物をした」と思っている。



イヤホンに不満のある方。
そんなに困ってもいない方。
もし機会があったら、ぜひピヤホンをはじめとする高品質なイヤホンをお迎えしてはどうだろうか。



もしかしたら、そのイヤホンが貴方を幸せにしてくれるかも知れない。

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