外来付近写真

診療報酬が改定されるということ

4月からの来年度、医療界の大きな出来事として『診療報酬』の改定があります。診療報酬というのは、病院や診療所(この違いは1/25を参照ください)で診察や処置、手術、投薬などなどの診療行為に対する価格表です。

ただし、〇〇円ではなく、〇〇点という点数表示になっていて、1点を10円で計算します。。例えば、ある病院に入院した結果50,000点だったとすると、金額は500,000円ということになります。ただし、自己負担は1~3割(年齢や収入で変わります)ですので、1割負担なら50,000円、3割負担なら150,000円を窓口で支払います。

全ての診療行為に点数がつけられていますから、とても分厚い本になってます。

診療報酬が改定されると、関係者はとても大変です。例えば、今までAという薬が1錠100円の価格(薬価と言います)とすると、4月1日から80円(これは、あくまで例示で全てが20%下がるという意味ではありません)になったりします。

少しややこしくなりますが、100円の薬価というのは、医療機関が健康保険に請求できる価格で購入価格とは違います。100円の薬を100円で購入することはありません。(これは医療以外の品目でも、メーカー、卸、小売りの関係も同じですよね)

例えばですが、100円の薬を90円で購入した場合、1錠あたり10円の差額が生じます(これを薬価差と言います)。つまり、この医療機関は、A薬を使うと10円ずつ差額が入ってくる仕組みです。

画像1

ただし、医療機関が健康保険に請求する時には消費税は請求できないので、消費税は医療機関のみが負担しています。つまり、90円の薬なので、医療機関の支払いは99円になります。この場合、仕入れ=販売となり、薬価差としてもほとんどゼロということです。

それが4月から薬価が80円になった場合、99円で購入した薬を使っても80円しか請求できなくなるので、医療機関は19円の『手出し=損』になってしまいます。

この薬の費用は、あくまで1例ですが、診療報酬改定の影響が、あらゆるところで出てくるので医療機関は大変な作業が必要になります。

一つ不思議なことがありますよね。医療以外の世界では売り手が値段を決めるのに、医療の世界はそうではないのかという疑問になります。この問題は次回に書きたいと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。


最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。お役に立てる記事、笑ってもらえる記事、ホッとできる記事などを書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。