寺山修司監督、映画「書を捨てよ、町へ出よう」を観た。
寺山修司、昔、彼の映画の内の1作で、映画「田園に死す」を観たが、白塗りの学生服の青年が出ていたな、くらいしか、記憶に無い。
そんな中での、今回の「書を捨てよ、町へ出よう」を観ることになるのだが、この映画、当時のアングラ文化が色濃く反映されている。寺山修司はアナーキーな人物だということが伺える。
特に、前回の神山健治の「ひるね姫」の項にも書いたのだが、物語の途中で、夢のようなイメージ(回想?)が現れて、それは、砂漠で飛行機を飛ばそうとしている様子が描かれている。現実からの乖離、という点では、まったく日常とは違う風景になっているので、その点前回取り上げた「ひるね姫」同様、わかりやすい。
そして、この映画が伝えたいことは何かと言うと、前衛的な画作り、語りすじ、などの表現技法がまず一つ、次に、若さゆえの焦燥感だと言えよう。そして、物語に出てくる、1971年当時の「新家族」とは何かと問いかけている。そして最後にそれが壊れていく様を見せながら、観客の心をかきむしる。
久々のATG映画、エロスと焦燥と家族の問題提起、しかと味わいました。
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