どうしたらアジャイルになれるのか

唐突ですが、自分の発散も兼ねて現業での悩みを記事にまとめました。どうにか改善したい思いで業務に臨んでいますが、なかなか難しく、悩む姿を反面教師にしてもらえればと思います。

プロジェクトの業務環境

私は自社製品のポータルサイトを開発・保守しているエンジニアです。プロジェクトの構成は、開発発注元である親会社のIT部門(担当複数)、別子会社であるの企画担当(複数人)、そして私が所属する開発チームという、所謂メーカー系の親子会社関係でプロジェクトを実施しています。
また2週間スプリントのスクラムでプロジェクトを進めており、おおよそスプリント中に1~2回は何かしらの機能リリースをしています。

アジャイルなのか

一見するとスクラムで回しているし、ウォーターフォールと違って機能リリースも頻繁であるし、要件変更にも柔軟に対応するし、とアジャイルなプロジェクトに見えるかもしれません。実際社内や周りの環境からはアジャイルチームという名で呼ばれていますが、私自身「これはアジャイルなのか」と思うことがいくつかあります。

歪なプロジェクト体制

ステークホルダーは上述に述べた通りですが、スクラムの役割でチームの構成を再度説明すると以下のようになります。

  • プロダクトオーナー

    • 発注元親会社(A社)IT部門(複数人)

    • 別子会社(B社)企画(複数人)

  • スクラムマスター

    • 弊社(C社)チームリーダー(1名)

  • 開発

    • 弊社(C社)私含む数名

このプロジェクトにはプロダクトオーナーが複数名存在します。通常プロダクトオーナーは1人が務めますが、本プロジェクトでは1人に絞り込めていません。開発しているポータルサイトの企画運営はB社が担当しており、弊社に開発を発注しているA社はシステム化に際してIT部門として参画し、弊社に開発を発注しております。したがって、ビジョンやインクリメント方針はB社が握っておりますが、システム面での舵取りをA社が担当しており、この構図によってプロダクトオーナーを1人に決定できずに今日まで至ります。またB社の企画担当が複数人いるのも、ポータルサイト内でいくつか分かれている機能担当ごとに存在しており、取りまとめる担当がいません。では改善すればいいじゃん、と思うところですが、グループ会社同士とはいえ弊社にとって別企業の体制に影響を与えるのはとても大変、というか難しいです。(言い訳、愚痴ばっかりで何にも変わらないのでどうにかしたいともがいています。)

プロダクトオーナーが複数人いると困ること

やはり共通認識がバラバラで、意思決定が難しいことが一番困ります。プロダクトにまつわる現状況の理解や、今一番フィーチャーしなければいけないことなど各人一致しませんし、決断に時間がかかることがあります。効果的なプロダクトバックログの運用(本来優先しなければいけないものが優先できていない)ができず、結果、リードタイムが長いという現状があります。特に企画面とシステム面という二面性を抱えたPOチームでは顕著に起こります。また企画は担当の案件だけをフィーチャーするので、他の案件や全体状況等なかなか理解してくれません。

もっとも私が目指すアジャイル

アジャイルとはプロセスではなくて、プロダクトを通じた価値提供を目指すというマインドセットだと私は思っています。そのための方法としてスクラムを採用して実施しているだけであって、本質的にはプロセスはなんでも良いはずです。確かにフィードバックによって微修正を繰り返しながら顧客価値を提供できているのかもしれませんが、プロセスは上記マインドセットがあった上で進められていないと感じます。
企画担当はシステム化に際してのプロセスは開発側にお任せ、というかあまり興味がない様子ですし、親会社のIT部門も長年経験のあるウォーターフォールが根底にあり、作ることが目的になっている(例えばスプリントレビューで進捗だけを気にして機能については無関心)ためこちらも難儀しています。また企画、IT部門の上位層がチーム外で意思決定を下す(上からの指示が出る)ことがあるため、一層よくわからない状況になることが多々あります。

どうすればよいのか

そもそもアジャイルやスクラムについての知見、知識が足りていないことが一番だと思います。(ほかにもありますが別の機会に)
弊社スクラムマスターも私と同じマインドセットで、POチームに普及していますが、なかなか及ばず苦労しています。確かに正論だけでは仕事はできませんが、まずは守破離をベースにプロジェクトを進めたいと思う次第です。
そもそも私以外のメンバーは大きな問題ではないとも思っているかもしれません。かくいう私も「問題」ということではなくて、チーム、ひいてはプロダクトを取り巻く環境がもっと良くなるためにはどうしたらよいのかという考えです。(愚痴っぽいですが)
結局のところこれと言った正解はありませんが、ただ一つ、このような悶々とした気持ちを捨てずに、諦めずに考え続けたいと思います。

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