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ショッピングセンターの優良顧客を認識する方法
本連載の第87回では、SC運営において抽象的・観念的に会話されるキーワードは数値化し、KPIに落とし込まなければならないと指摘した。
いくら「顧客の囲い込みを進める」と叫んでも、達成指標がなければ単なるスローガンに終わってしまう。
客足が遠のいたコロナ禍でも、売上や集客をそれほど落とさなかったSCは共通して、この優良顧客を明確に認識していた。
今回は、顧客の囲い込みを目標とした時の優良顧客の最も簡単な抽出指標を解説していく。
▪️優良顧客の囲い込みの重要性と定義
本連載の第77回で、顧客の囲い込み手法は「顧客の維持(流出防止)」と「顧客のファン化(優良顧客の創造)」の2つを明示した。
優良顧客(多額の購買層)を増加させ、その優良顧客を他社へ転出しないようつなぎとめる。
この行動を継続的に行わない限り、顧客の囲い込みは達成しない。
しかし、その前に大切なことがある。
それが「我々にとって優良顧客とは誰なのか」これを明確にせず、やたらに広告費を使って集客しても効率的ではない。
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図表1 顧客の囲い込み2つの手法
優良顧客とは「高い頻度で高い購入(単価)額を、より最近買ってくれた」顧客のことを指す。
これはRFM分析のRecency(いつ)Frequency(頻度)Monetary(購入金額)に該当する。
さらにこの中でもブランドや店舗や企業や店員(人)にロイヤルティ(忠誠心)を持ち、足しげく通い、多くの購買金額を費やしてくれる顧客を指す。
このロイヤルカスタマーは、継続的に企業に利益をもたらしてくれるばかりかSNSを使ってインフルエンサーの役割も果たす大切な顧客である。
優良顧客と識別された顧客でも流行に乗って購買する顧客もいるため、いずれ流出する可能性を持つ。
しかし、高い忠誠心を持つロイヤルカスタマーは離反顧客となる可能性が低い顧客と言える。(図表2参照)
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図表2 顧客の分類
▪️顧客分析手法としての「デシル分析」
優良顧客の分析手法には、「デシル分析」「RFM分析」「CPM分析」「NPS分析」があるが、どの分析においても最も基本的なことは「データがある」ことである。もしくは「データを取得することができる」ことが前提である。
SCが取得できる顧客データの中心はカードデータ(クレジットカード・ポイントカード)になるが、そもそもカードを発行しておらず、データの取得ができない場合は、顧客戦略を採用することは難しい。
したがって、以下はカードの利用履歴などでデータが取得できることを前提に進めることにする。
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「デシル分析」とは?
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