アプリからクルマまで、システムアーキテクトのご紹介
はじめまして、日産自動車にてシステムアーキテクトを担当している木下 涼です。
2022年4月に新卒で日産に入社し、今年で3年目となります。2年目までは、コネクテッドカーサービスのプロジェクトマネジメントチームに所属していましたが、今年度からシステムアーキテクトチームに所属しております。最近の休日は、小田原や鎌倉など神奈川県各地の観光地を見て回っております。
日産のシステムは、お客様が触るNissanConnectアプリからGlobal Cloud Platformなどのバックエンドを経由して、お客様が運転する車に繋がっています。
(Global Cloud Platformについては、野口さんの記事に詳細が紹介されています)
我々システムアーキテクトはサービス実現において、上流工程に携わっています。実現しようとしているサービスの要件を確認し、アプリ・クラウド・クルマのそれぞれに対してどのような機能を配置するかを検討し、それらの間でどのような処理が必要かを設計する業務を行っております。
今回は、私の他に私の先輩の堀井 俊宏さんと、相川 優子さんのお二人の言葉をお借りして、日産のシステムアーキテクトを紹介します。
まずはお二人の自己紹介をお願いします
堀井さん: 日産には2023年3月に入社し、1年半が経過しました。キャリアとしては、新卒でSIerに入り官公庁向けシステムの開発・運用・保守などに従事していました。その後、クラウドサービスの開発会社に入りAWSをインフラのメインとしたサービス開発に携わっていました。
相川さん: 私は2023年8月に入社し、1年強になります。1社目のSESでは主にバックエンドエンジニアとして生命保険会社の帳票出力ツール・蓄電池IoTシステムの開発に携わり、2社目のWEB制作会社ではディレクター・ブリッジエンジニアとしてECサイトの基幹システム開発・WEBサイト保守運用においてオフショア開発のマネジメントをしていました。オフショアでのマネジメント・海外ベンダとの折衝などの経験から、様々なバックボーンを持った人と柔軟に仕事ができることが強みです。
普段行っている業務について教えてください
堀井さん: 様々なサービスのシステムアーキテクチャの検討をしています。広すぎますね(笑)今は日産の経営計画「The Arc」の中の「エネルギーマネジメント」のシステムアーキテクチャの検討を主に進めています。知らないことがたくさんあるので、日々新しい知識を吸収しています。また、チーム全体の計画や他のチームからの質問に答えたりもしています。
相川さん: 現在は欧州のプロジェクトを中心に担当していて、現地の担当者と議論をしながらアーキテクチャ設計を進めることが多いです。欧州では法規の適用されるタイミングが他の国と比べても早かったり、内容が複雑であったりとアーキテクチャ設計の上で理解が求められてくるため、日々楽しんでキャッチアップをしています。また個人的に自動運転技術に興味があるので、今後アーキテクチャの設計がある場合は是非携わっていきたいと考えています。
木下: 私は新サービスのアーキテクチャを担当しており、車載ハードウェア担当者と細かく議論しながら設計を進めています。コネクテッドカーサービスの場合、車両だけでなく業界標準規格などの仕様を確認する必要があり、検討漏れが発生しないように細かく仕様を確認しております。またこの業務の他に、業務を効率化するシステムを構築する社内プロジェクトも担当することになり、仕様書をより見やすくするためのシステムを検討しています。
システムアーキテクトに向いている人・アーキテクトとして欲しい人はどんな人でしょうか?
堀井さん: 募集要項に記載されていない観点で、個人的に思うところを。ITだけでなく幅広い知識が必要なので、知的好奇心や探求心があり、積極的に学んでいけることは重要ですね。また、多くの情報が飛び交うので、要点を整理し、様々な情報を関連付けられる論理的思考力が必要だと思います。さらに、それらの情報の汎化や他サービスへの展開などの水平的思考力もあるといいですね。かなり抽象的すぎるかもしれないですね。
相川さん: 堀井さんがほぼ全部言っていますね(笑)様々な部署の人とのやりとりが求められる仕事なので、個人的にはコミュニケーションが好きで、柔軟に対応できる人だと仕事がしやすいと思います。
木下: 細かいことまで目を配らせ、つい見落としがちなことを拾い上げることができる人がいると良いと思います。システム設計時に見落としていたポイントを開発が始まってから気づいて修正する際、かなりのコストと時間を消費してしまいますが、重要なポイントに事前に気が付き開発前に対処できるのが理想です。
英語でやり取りをする必要があると聞きますが、どの程度の英語力が求められますか?
堀井さん: グローバルに展開しているサービスの検討であり、海外拠点のメンバーとも業務を行います。ただ、私自身は英語力が乏しい状態で入社しましたが、周りの方々にフォローしてもらいつつ、業務を進めることができています。ある程度の理解と意見の発信ができれば、なんとかなります。
相川さん: カタコトでもコミュニケーションを取ろう、という意識の強い人が多いと感じます。また、様々な国籍のメンバーとやりとりをするため、非ネイティブ同士のコミュニケーションも多く、特にお互いを理解しようという姿勢が求められるのではと思います。
木下: 確かに仕様書は英語で記載する必要がありますし、仕様について外国人と英文のメールやチャットでやりとりを行う場面も少なくありません。ただ、生成AIを活用しており、英訳・和訳をAIがしてくれるので、思ったよりは負担になっておりません。
英会話に関しても、相手が自分の英語レベルに合わせて言葉や話すスピードを調整してくれるので、議題の内容を把握しておけばちゃんとコミュニケーションは取れます。
ワークライフバランスはとれていますか?
堀井さん: ワークライフバランスの感じ方は人によって異なると思います。まだ組織自体も成長途上であり、プロジェクトも多く忙しいですが、新たなことを学べる環境でもあり、ワークが多めかもしれないですが、私は楽しんでますね。
相川さん: 私はまだ利用する機会が少ないですが、一般的な育児まわりのサポートだけでなく家族の介護や看護休暇などの制度も整っていてとても安心感があります。忙しいときはありますが、有給を取るのが当たり前の文化なので、しっかり休んでリフレッシュして仕事を頑張っている人が多い印象です。
木下: 完全週休二日制に加えて、業務の折り合いをつければ平日でも普通に休みを取れるのでリフレッシュしやすいです。 さらに、10日以上の大型連休が年3回あり、その時期に家族や友人と海外に旅行に行く社員も多くいます。
また、野球観戦が趣味なので、頑張って仕事を早く終わらせた暁には横浜スタジアムに行ってベイスターズの応援をしていたりします。(この前、度会選手を応援しに行きました。)
新入社員・中途採用のサポート体制はどうなっているでしょうか?
堀井さん: 私が入ってすぐに組織が再編され、当時はなかなかサポートが充実してなかったですが、今は気軽に相談できる環境がチームで育ってきていると思います。当然、全社的な研修もあるので、学びたいことを見つけ学んでいく意思があれば様々なことを学んでいけますね。
また、メンター制度というものがあり、新卒・中途問わずレポートライン以外のメンバーと相談したり雑談したりできます。私も入社してからメンターと主に雑談しましたし、今は別チームの新卒のメンターをしており交流を持っています。
相川さん: 私や堀井さんは自動車業界が初めてでしたが、全社教育もありますし、積極的に教えてくれる人が多いので自然に知識がついてきていると感じます。チームとしてはオンボーディングの資料を充実させるよう努めているので、安心してジョインしてほしいです。あと、部署全体で中途メンバーが多く、みんな新しいメンバーが入ると嬉々として話しかけているのですぐに馴染んでいます。
また、FL(フレッシュマンリーダー)という新卒OJTの制度もあり、新入社員のサポートも充実しています。私は今年度のアーキチームの新入社員のFLを担当していますが、業務を教える中で私にとっても大きな学びになっています。
木下: 日産は元から新人研修が充実しておりましたが、私が入社してからの2年間で研修の種類が増加し、特にIT系の教育に力を入れております。また、我々の部門の特徴として他部署の人や上司との距離感も近く、新人でも話しやすいのがあります。私も入社してすぐのころに隣のチームのチームリーダーと2人で食事に行っていたり、若手同士で遊びに行ったりしました。
最後に
我々の業務は「コネクテッドカーサービス開発の頭脳」と呼ばれることもある、サービスのクオリティに大きく影響を与える重要な業務です。様々な制約がある中で、どうすればお客様に最高のコネクテッド体験を提供できるか、日々議論を重ねながら業務を進めております。
(オマケ)厚木市周辺の紹介
アーキテクトの勤務地は横浜グローバル本社と、厚木市にある先進技術開発センターの二か所あります。
先進技術開発センターは建屋がモダンで、常に清潔に保たれています。
従業員用の駐車場も用意されており、多くの社員が自動車で通勤していらっしゃいます。電気自動車であれば、会社で仕事をしている間に充電することもできます。
また、何も遊び場がないと思われがちな厚木市ですが、少し移動すると様々な見どころがあります。
・厚木:本厚木駅周辺は大型商業施設が多数あり、飲み会などはこの駅でよく実施しています。私は週末に本厚木駅に必要な家具などを買いに行っています。
・伊勢原 : 隣の伊勢原市には有名な大山があります。
一日乗車券で小田急線・バス・ロープウェイに乗り放題で、ロープウェイの山頂から町を一望できます。
・小田原 : 有名な小田原城の天守閣を見て回る他に、かまぼこ横丁や早川漁港などのスポットで新鮮な魚介を味わうことも出来ます。