星を紡ぐ子どもたちと旅する大人──人間関係の雨林・前編
前回までのあらすじ──フレンドのいない雀から一転、大好きフレンズ爆誕したよ! ……、……それだけかいっ! いや努力したじゃない……ワープがんばった結果だと私は星の子を誇りに思うよ。
数こそ少ないものの遊んでくれるフレンドもでき、私の空はますます季節と日々を彩る。
各地のキャンドルや闇花の場所を覚えたり、見掛けた雀さんを(未熟ながらも)お手伝いする。そして次なる目標──というより心に誓い、今も必ず守っていることがある。フレンドになったら自分から会いに行く! 初心忘れるべからず、である……!
とはいえ空振りも多い。特に雀さんたちは“ワープされた”とは気付かず「誰だっけ、この“おまかせ”さん……?」ってな顔で目の前を素通りする。うん、カワイイよね。
そんな日々の中でついに“特別な”星の子と出会う。
ある日、更新時間を前にただただ景色の綺麗な場所で寝転んでいた。ふとサーバー統合によりキャンドル集めをする野良さんたちが行き交う。
すると一人の野良さんが側にきてプァ、と鳴く。プァプァと返すと隣に座ってくれた。一緒にのんびりしよう、という意味で優しいエモートをすれば返事をくれる。すでに心開ける人柄だと感じた時、“特別子”は近くのチャット椅子へ向かう。
躊躇する理由がなくなっていたチャットで挨拶を、更に日本人だと分かれば言葉は弾み出す。Sky始めてどれくらいですか? あの場所がお気に入りです! あ、火灯ししていい? エビちゃん怖いよね……!
敬語とタメ語の入り交じる、そんな会話が意外と楽しかったりする。
あとでフレンド申請していいかな、なんて考えているとき「あの、相談していいですか?」遠慮がちな、だけどはっきりした口調で特別子は切り出した。クリアできないクエストかな? などと想像して「…」を待つ。
「フレンドみんな相方がいるんです。だから私はいつもぼっちで……私も相方欲しい、、」
驚きすぎてフリーズした。……初対面の私に? 相談? えっと、えと……? 凍った頭を懸命にカチ割る。
ここで簡単に「じゃあ相方になりましょう!」の薄っぺらい──峡谷スケートリンクの近付くだけでパリーンなるくらいの相方でいいのか……!? 違うだろ!! せめて、雨林晴れ間で地下へ行くのに“ふたりとも”怒らないと割れない相方が良くないかい!? ……っと脳内暴風域だ。
言いたいことは様々だったが説教臭くなるのも、安易な口約束もしたくないため慎重に返事をした。もちろん脳内暴風域は2秒くらいで、その間に「そっか~」と相槌してる……!
「あなたの求める関係になれるかは分からないけど、フレンドになりませんか? たくさん一緒に遊ぼう! 私ワープもするし、いつでも来ていいから!」
そんな風に答えてフレンド申請をした。更に“いつもぼっち”ならとログイン時間も訪ねてみる。フレンドになったもののイン被らない人だっていることは経験済みだ。
学生なので○○時~○○時です! 丁寧に答えてくれた──“学生”という答えに応えるべきか悩み、私は仕事柄~と“言ってしまう”。
そう、次の瞬間だ……「社会人の方でしたか、、お疲れ様です」ただの文字羅列チャットに、表情乏しいはずの星の子に、解りやすく“期待外れ”の雰囲気と壁を作られた気がした。
その日はそのまま、更新されたデイリークエストへ誘い一緒に飛び立つ──そんな特別子との物語、ひとつにまとめるつもりが前編・後編となることを、ここで読者様へお詫びします。
更に、ここで特別子へ向けて特別に語ろう。
(ないとは思うが……)私のこのノートが何らかの形で拡散され、あなたの目に届いたなら謝罪より先に嬉しく思ってしまう。あなたがまだSkyに興味があることを、私はすでに知る術がないからだ。
お元気でしたか? 相方はできましたか? そう、私はあなたをブロックしました──せざるを得なかった。
「私(特別子)は何も悪くない」その通りです。あなたを吊し上げるために“特別子”を書いているわけではありません。それでも自分のことだと気付き、“嫌な記憶”を思い出させてしまったなら本当にごめんなさい。簡単ではあるけど、あなたのSkyが幸せであることを心から願っています。