
MD白き森考察
この記事について
来たるMD新弾にて、「白き森」の実装が決定した。私はOCGではデモンスミス主軸のデッキをいろいろ調整しながら使っていて、ちょうどスプリンド+アステーリャのギミックを採用して回してみていたところにこの新規の情報が舞い込んできた。
とはいえ、私自身白き森のテーマギミックとしっかりと向き合ったことがなく、またOCGでの収録がかの「デモンスミス」と同期であることもあり、彼らがまだ実装されていないMD環境では、ひとまずはまた違ったアプローチが必要になると感じたので、テーマカードや出張ギミックに関して、主に自分の為の備忘録として記事に纏めてみようと思う。
なお、記事の内容の厳密性や信頼性についてだが、著者である私は、
CS等での入賞経験なし
MDレート戦経験なし
元カジュアル勢
と、凡庸なプレイヤーであり、そんな人間の個人の感想でしかないことをご留意頂きたい。
略称について
こういう解説記事では略称のルールなどを記すのが筋ではあるが、いちいち書くのが面倒なので基本的にテーマ名を省略し固有名だけで呼称する。それに則らない特殊な略称については、(以下○○)などと表記する。また、上記の通り、執筆の便宜上テーマ名の鍵括弧なども適宜省略する。
テーマカードについて
「白き森のアステーリャ」(☆2/非チューナー)

かのディアベルスターの過去の姿
①②どっちも使う。
①は白き森なら言わずもがな。シルヴィ→いいつたえから好き放題してもいいし、別に白き森名称は要求されていないのでカルテシアとかプリメラとか持ってきてもいい。
②は白き森だと純粋に展開値が伸びてくれるのがありがたい。OCGの方だとすっかり鉄板になってしまったが、実はレベル2なのでスプリンドから落とせる。そこで墓地に用意しつつ何かのコストに余った魔法罠を切ると勝手に墓地から出てくるので、そこから白き森展開に合流できる。
「白き森」として組むなら枚数は多めに欲しいが、別に1枚あれば触る手段はかなり多いので、たぶんURだし1枚持っとけばどうにかはなりそう。
「白き森のリゼット」(☆2/非チューナー)

罪宝とかアザミナの影響抜きにしても割とヤバい女だったらしい(公式設定画より)
処理はバンα。言ってることはサーキュラー。
①のコストはもちろん魔法罠何でもいいので、無駄に余った三戦とか無限をコストに召喚権浮かせながらついでにサーチできる。サーチ先は基本的にチューナー組になると思う。ルシアだったら召喚権浮かせたまま2面作れて、シルヴィだったら魔法罠の弾を持って来れる。
②は使いづらそうに見えるが、チェーン切りしつつ手札補充になるので忘れないようにしたい。別にこっちの効果はテーマ指定ないので相手ターンにプリメラのサーチとかクエムの落としとかを通したいときにうらら躱せたりする。
墓地にさえいればいいアステーリャと違って、純粋に手札で強いカードなので、白き森としてしっかり組むなら3枚確保したい。
「白き森のシルヴィ」(☆4/チューナー)

リゼットがアザミナ堕ちしたら最強になるカード。いいつたえをサーチしてそのまま発動できるのが普通に偉い。
①で魔法罠サーチできるから、いいつたえでそのままサーチで繋げてもいいし、いなりサーチにしておくと一応ドロバを血反吐吐きながら受けられる(ドロバないならないでルシエラのコストでいなり切りいいつたえサーチで結局いいつたえには触れる)。
②はルシアと共通。フリチェなので無限とか墓穴あたり躱すのに便利かも。
割と1にしてる構築が多いし、実際アステーリャから持ってくる方が強いからそれもわかるんだけど、全然3でいい。いいつたえ3、いなり1まで入れた後、テーマ名称を増やしたいなら多分ここから増やすのがいいと思う。モンスター側で魔法罠の枚数を増やせるのがここしかいない。
「白き森のルシア」(☆4/チューナー)

麻雀のドラみたいなカード。他と引っ付いて初めてまともな手数になる
①はよくあるキザン効果。召喚権が浮きやすいのはいいこと
②は余った白き森魔法罠をコストにできるのはもちろんのこと、モンスターカードでも別にいいのでトイ系とか送ってみたり、センチュの余った手数をドローに変換したり、炎龍とかで押し込まれた奴らを墓地に流したりもできる。
③はシルヴィ②と共通。
余程1で問題ないカード。結局リゼットやルシエラのサーチで持って来れるので、素引きしなくてもアクセスはできるから。むしろ、被りが弱いし、併せ引きの要求値も高いのであまり枚数を嵩ませたくはない。ただ、0まで抜くかと言われると断じてNO、白き森の手数要員として1枚はないと始まらない。
「白き森の魔狼シルウィア」(☆6/Sチューナー)

裏切りの罪宝と名前が一緒……つまり裏切りの魔狼月下城ってコト!?!?!?
白き森のテーマ妨害①
①は闇護封とか皆既日蝕の評価を考えると、現環境の妨害効果としてはクリティカルに刺さるといえる。後手で捲りに強いのはもちろん、S召喚でなくても発動できるため相手ターンにディアベルの効果で投げても強い。並んだあとのリンク値をまとめて裏返してやるとどんな展開系も息の根が止まる。何がってターン1がないので一生相手のリンク値潰し続けたりできる。
②はいわゆる「隠された効果」と言われる類の効果だが、①と合わせて後手からしっかりとキルを取りにいけることはちゃんと覚えておくと勝てる試合が多くなると思う。
1でもいいんだけど、回数制限なしの暴力を生かしてディアベル+いなりで連投できること、まだMDだとクシャトリラがそこそこ使われていることを考えると、枠余ったら2枚目を入れておきたくもある。手数用の出張でしか採用しないなら別に削ってもいい枠ではあるが、白き森をデッキとして運用するならいなりのS召喚先の最有力候補なので1枚は採用しておきたい。
「白き森の魔性ルシエラ」(☆6/Sチューナー)

裏切りはたまにいたけど死の罪宝の方マジで使われたの見たことないな……
再現性と拡張性の鬼。何でも触れるし何からでも触れる
①は冗談抜きのなんでもサーチ。テーマカードは全種対応、さらには光魔法使いなら一切の縛りなくサーチが可能。ヴェーラーはもちろん、ジョウゲンでも、聖女系でもいいし、カルテシアも、アルルも、ドリアードも、魔術師も、光魔法使いなら何でもサーチできる。必要に応じて何でも触れるし、当然のようにS召喚以外でも反応する。
②も何気に強い。バロネスとか、ローガーディアンとかの「無効にして破壊」を貰っても盤面に残りつつ、シルウィアと合わせて合計1000パンプ+守備貫通+破壊耐性って言いながら平気で後手ワンキルとかもやれる。
採用はほぼほぼ確定ではあるが1枚に抑えるか2枚入れておくかは枠と相談。ルシアシルヴィの効果で返せるからあまり枠を割きすぎることはないとは思うけど、ビステや墓穴でその辺が飛ばされることを思うと、余った枠には2枚目を入れておくと立て直しやすくはあるのかなとちょっと思う。
「白き森の妖魔ディアベル」(☆8/幻想魔族/S非チューナー)

今後のストーリー展開でどうなるかが楽しみ
突然殺人兵器ぶん投げてくる女。こいつだけ里に対応してない。
①、回収対象は何でもいいしSチューナーも何でもいいので突然8で出てきていつの間にか墓地に落ちてた三戦とか拾ってこれる。これのおかげで道中で躊躇いなく三戦の才をコストにできる。
②で突然シルウィアぶん投げてアルコンじみたことしたり、ルシエラからヴェーラーサーチして圧かけたりできる。除外からも拾えるので、リトルナイトとか墓穴で飛んで行ったカードを救出することもできる。EXから出すと蘇生制限を満たさないので気を付けたい。
枠の都合、本当に強火の純構築とかじゃなければ1になる枠だと思う。8Sの枠がよっぽどなかったらここの2枚目が入るぐらい?
「白き森のいいつたえ」(通常魔法)

強くて弱い最強のサーチカード
①のサーチ効果は、テーマモンスターになんでも繋がるワイルドカードにはなるが、場に幻想魔族か魔法使い族がいないと発動できないセルフ魔法族の里をしているので、篝火とか増援みたいな完全万能サーチカードとは言えない。
②は白き森魔法罠の共通効果。サーチが事足りているなら、発動の前に先にコストで送ってからセット後に発動する方がお得。類似裁定より、モンスター効果が発動無効を喰らってもこの効果は使用できるので、使用する側・される側共に念頭に置いておきたい。
テーマモンスターの枚数が増えるならここもそれに応じて増やしたい。ダブっても往復ターンのコスト用と手打ち用にはなるので、2枚までは躊躇なく増やしていい。ただドロバが死ぬほど重いカードなので、3枚目を入れる前にいなりは入れておきたい。出張の場合は、主体が魔法使いや幻想魔族なら気にならないがそれ以外の種族だと①の発動ができずにダブつくこともあるので考えなしに多投するのは禁物。
「白き森にはいるべからず」(通常魔法)

欲し……いやいるんか……?って無限になるカード
①は汎用除去。前後表裏問わずに触れるのはいいけど、スペルスピード1で対象取って破壊なのがちょっとなんかなぁな感じ。テーマ名称で永続系割れるのは評価点か。
②は共通なので省略。
個人の好みと環境推移で採用の有無が分かれるタイプだと思う。ただ、純構築だとコストの嵩増しで1枚は欲しくなる……のか……?コストの観点で言えば、無限や才、号といいつたえ+いなりで基本展開の分は事足りると思うし、いいつたえと違ってコスト以外で手数に絡まないので、余程割りたいものがないなら無理に枠を割くことはないと思う。
「白き森のわざわいなり」(通常罠)

……えっ……呼ぶ……よね……?
トゥルース・リイン緊急同調
①はテーマをリクルートしながらS召喚。シルウィアぶん投げるのが専らになるだろうが、ここ以外の妨害で止まってくれたらEPにルシエラ出してリソース拾いに行ってもいい。
②は共通効果。通常罠なのでセットしたターンには発動できないことだけ注意。
よほど極小規模の出張でもないなら1枚は採用しておきたい(基準はリゼットが入るかどうかとかかな?)。道中のコストで雑に切れる妨害追加札で、こういう罠によくある「素引きがゴミになる」という問題も②の効果のおかげでむしろ貫通札とすら言えるので、下手なものの枚数増やすよりも2枚目入れる方が強いなんてこともありそう。
※「白き森のあくま」(速攻魔法)

ROTA新規(未実装でストーリー後発テーマの「アザミナ」と同期)なので収録されるか分からないけど、もし来た場合どうなるかを考えておく。
①はいわゆるアビス効果。モンスターはもちろん魔法罠も対象にできるのでこれも永続とかハネたり、燦幻荘無効にしてシルウィア通したりできる。あとは泡とかの対象を躱したり、面白いのがスキドレ下で発動してやるとスキドレを避けつつ他の永続を無効にできたりもできるし、白き森をリリースすると幻想魔族を返せたりもするので、シルウィアコストでディアベル蘇生、ディアベル効果でもう一度シルウィアを投げるという動きもできたりする。
②は共通効果。例によって速攻魔法なのでセットターンは使えない。
もし同時実装されるなら、べからずよりも優先されるカードだと思う。Sモンスターのリリースコストも、ルシアシルヴィの蘇生の弾にできるので、わざわざこういうカードでハネたい札があるならあまり差はないと思う。こっちに関しては実装されたなら枠があれば1枚入れておきたいカード。
テーマカードの枚数について

「白き森」として組むならリゼットは3枚入れておきたい。+魔法罠コスト1枚だけでルシエラにもシルウィアにもなれる。アステーリャは召喚権こそ切るが、代わりにサーチではなく直接SSなのと、墓地から帰ってこれるのでリゼットと同様に手数を稼げるためしっかり入れたい。ルシアは前述のとおり、1枚初動になるわけでもないがサーチ先としては必須なので1枚。シルヴィの枚数に関しては、モンスターから魔法罠の枚数を増やせるので、召喚権を切ってもちゃんと仕事はできると思うので、テーマ名称の確保のためにも2枚入れてしまって問題ないと思う。
魔法罠の採用優先順位はいいつたえ~2>いなり1>いいつたえ3(>=あくま1)>いなり2=べからず1といった感じか。いなりとべからずだったらギリギリ先手の素引きはいなりのほうが嬉しい気がする。いいつたえは併せ引きで貫通札になりやすいので2まではしっかり入れていいけど、ドロバがゲロいカードなので3枚目の前にいなりを入れておいて屈さないようにしておきたい。
テーマ外カードについて
誘発・汎用札など

メインデッキ
うらら3+G3+墓穴2+抹殺1の9枠は余程のことがない限りは基本的に確定だろう。
無限に関しては、後手では誘発としても捲りとしても運用できる点は言わずもがなだが、魔法罠としてコストにできる事もあり先手でもダブつきに頭を悩ませることは少ないと思うので気兼ねなく採用できると思う。
ヴェーラーは光魔法使いなのでルシエラのサーチに対応しており、半分テーマの妨害としても運用できるので1~2枚は採用しておきたい。ただ、魔法罠ではないためコストとしての運用はできず、またチューナーとしても白き森とはレベルが合わないので先手だとあまり役立たないため、3枚は流石に過剰な気がする。
ドロバは主に抹殺用だが、ヴェーラー共々魔法使いなのでいいつたえと併せ引きすると無理やり発動の条件を満たせる。無効系誘発に対して軒並み耐性を構えて先行ワンキルを振り回せるギミックパペットが同時実装されることを考えると誘発としての価値は高く、またサーチを多用せずともいなりが1枚で1妨害+αを作れることを考えると、先手で相手のGを弾く札としても運用できるため、総じて用途が多く優先順位は高めだと思う。ただし、これまたヴェーラー共々モンスターなのでコストにできないため、先手で手数になってくれることはない。
才に関してだが、白き森においては他のデッキとは一線を画す利便性を誇る。ディアベルの①で拾ってこれるのはもちろん、リゼットが魔法罠コストさえあれば召喚権を使わずに動ける点、先述の通りヴェーラーやドロバなどの誘発を能動的に採用できる点などから、ドロー効果のバリューがかなり高い。
号の方についても、後手はもちろん、実は先手でも伏せたいいつたえなどをコストで送って②で再セットしてやることで、ドロバを貰わずにテーマ魔法罠にアクセスしながら、コストを確保し手数を稼いだ上に伏せ直しているため号の「発動できない」制約を回避できる。テーマ魔法罠以外でも、コストで送る→ディアベル①で回収とすることで同様に制約を回避できるため、才よりも優先されうるカードである。
サイドに入っているのは環境の流れと枠によっては入れておきたい、相性がいいカードをピックアップした。
鏃はモンスター効果で弾かれない、ターン1制約がない、縛りを付けずにEXからモンスターを落とせるという点から、相性差は激しいものの強力な捲り札として名高い。白き森においては、魔法罠であるという点は言わずもがな白き森Sを落とせばシルヴィルシアの蘇生効果に繋がり、また光魔法使いでの相性の点からカルテシアなどのいわゆる「聖女」系とも相性がいいため融合を落としてファントムを返したりもできる。
里は言わずもがなだろう。魔法使い主体のデッキであれば候補には上がりやすい。割られてもターンさえ帰ってくればディアベルで拾うこともでき、またルシアのドローなどで探しに行ったり、EXから仕込んだギミックでサーチしたりもできるためアクセスもしやすく、先行札としては有力な候補に挙がる。
障壁は号から持ってくる札の中で致死性の高いカードの一つだろう。このデッキであればディアベルを毎ターン往復させて相手を一生縛り続けることもできる。S対面だけ自分も巻き込まれるのが辛いところもあるが、大概その時には既に相手が心肺停止しているかすり抜けられて自分が息の根を止められているかのどちらかなので、余程必要そうな環境になったら割り切って採用していいだろう。
拮抗勝負は何かしら明確に撃ちたい対面がいるなら採用候補になる。ただ、シルウィアとルシエラの存在から下手に拮抗で返すよりも後手ワンキルで勝ち切る方が確実な時もあるので優先順位は低めのカードだろう。ガン伏せから障壁S宣言されるような試合が横行するならブチギレて3投すると思う。
EXデッキ
エルフは、このデッキに限ったことではないが全ての効果が強い。対象耐性はルシエラと合わせると、今話題のドラグーンや、ドラゴンリンク最強のヴァレルエンドとも肩を並べる強固な耐性になる。また、蘇生効果に関しても白き森の特性と綺麗に噛み合っていて、2+4での出力先は6のチューナー、さらに4チューナーの方は簡単に蘇生ができるということでチューナーの展開力はべらぼうに高いが、非チューナーの方はリゼットとアステーリャの自己蘇生以外にはテーマ内では供給手段があまりないため、S展開の補助としてとても優秀。OCGでは叶わなかった夢の共犯共演である。
スプリンドに関しては、白き森の補助というよりも、外部ギミックから白き森にアクセスできる、という表現の方が正確だろう。

スプリンドからアステーリャを落としておくと、何かの折に魔法罠をコストにする(ex.ガーゴイルⅡ+スタンドアップ)とそのままアステーリャが自己蘇生して、追加コストこそ必要であれど任意の光魔法使いのチューナーを呼んでこれる。それこそ白き森の展開に入ってもよし、プリメラからセンチュリオン展開なり、カルテシアからグランギニョルなり、白エクから相剣なり色々遊べる様々なテーマの展開に合流できる。
白き森においても、アステーリャを落としておくことでいいつたえやルシエラのサーチを他に回せたりするので入れておいて損はないカードだろう。L素材で流せないのがネックだが、


……と、こんな風に無理やり妨害に変換することもできるし、何より残しておいても実は②の効果で妨害になるので、構築の幅を生んでくれるカードだと思う。

いずれかターン1なのでそこは注意

ライナはヴェーラーやうさぎをL値にしたり、場合によっては相手のカルテシアやプリメラなどを都合よくチューナーとして拝借できるという点から、使い道が全くないことはないとは思う。セレーネまで入れるかは諸説。
マスカレーナ(及び入れ忘れたけどリトルナイト)はSが上手く繋がらない時に誤魔化しで出せる追加妨害として有力。ルシアとシルヴィの蘇生はフリーチェーンで往復ターンで使えるので、意外と無理やり作った後でも素材は調達しやすい。
バロネスは一番汎用性の高い10Sとしてほぼほぼテンプレ採用にはなるが、意外とチューナーのレベル的に白き森だけだと出ない。レベル域が合わないだけでフォーミュラをディアベルで釣ってくるなり、6Sの枠で非チューナーを用意するなりで割と簡単に作れはするので採用候補としては依然有力。
アンヘルはディアベル+2で作れるのでテーマだけでも出る。光素材だけでも自分のSモンスターが相手の発動したモンスター効果を受けないという引くほど堅い耐性を得られる。本体が3500あるのでメインギミックだけで越えるにはかなり苦労がいるデッキは多いだろう。外部ギミックで闇まで絡めば戦闘破壊耐性までつくし、おまけに出てくれば除外による除去もできるので先後共に有用。
トイ・ボックスギミック




共通効果で魔法カード扱いでセットでき、その状態で墓地へ送られるとそのままSSできる「トイ」モンスターと、それらを除外以外の全ての場所から2枚セットできる「トイ・ボックス」のセット。発売当初からOCGでも相性に注目されていたが、
ソルジャーの③でシルヴィやルシアをサーチできる
タンクの③でディアベル以外の全てのテーマモンスターをSSできる
ボックスに名称ターン1がないのでディアベルで拾い直すとべらぼうに盤面が増える
テーマ側でEX枠を消費しない
ソルジャーとボックスの相互アクセス性能により枚数を調整しやすい
素引きゴミがない(強いて言うならタンク)
☆4の非チューナーを展開できる
という点で、白き森の邪魔にならずに展開のバリエーションを広げられる点はかなり相性がいい。対して、
白き森でコストにしないと何も始まらない
ソルジャーがしっかりドロバを喰らう
ボックスにうさぎがしっかり刺さる
ビーステッドもしっかり喰らう
と、あくまでも手数の補強に過ぎず、良くも悪くも仲が良すぎて誘発を喰らうと共倒れになりやすい。とはいえ枠をあまり食わずに採用でき、白き森魔法罠と同じような感覚でコストとして運用できるため、手数を何かしら補強したいならば最有力のギミックだろう。
センチュリオン

光魔法使いのチューナーであるプリメラから合流できる、と言ってしまえばそれまでだが、
白き森とは完全に独立した展開で動ける
スタンドアップや防陣などでコストを供給できる
ガーゴイルでアステーリャの②を起動できる
12Sでアークシーラからもアクセスできる
テーマ側だけでも1枚初動が豊富
と、追加の手数としてはかなり理想的だ。センチュリオンのテーマのみで白き森側にアクセスすることはできないのが難点ではあるが、そもそも単体でもデッキとして成立するテーマであり、一応レガーティアのドローやルルワリリスの墓地効果などで触るだけは触りにいけるのでそこまで気にならないと思う。
枠は絞ろうと思えば絞れるがそうなると今度はいくつか素引きが許容できない札が出てくるので、ギミックというよりは混合構築ぐらいに考えた方が組みやすいかもしれない。
スローン+ファントム

身内から教わった、場魔法で後々のコストとして残ってくれるスローンから、スピリット破壊→ユベルSSで公開領域にファントムの素材を揃えてやることで誘発ケアができる出張セット。Gと無限はどうしようもないが、その他の単発モンスター誘発は全てファントムで弾くかそもそもスローンが勝手に吸ってくれる。
ユベルの素引きは全く手数にはならないが、その代わり素引きしても手札から戻せばいいだけなので素引きでギミックが瓦解する……なんてことはない。スローンのサーチの分岐として招来神ギミックを採用してやると、ユベル素引きが招来神展開+ファントムの上振れに化ける。招来神からはエルフ+マスカレORスプリンドといったところか。エルフと解門の蘇生でリンク値を最大2つ追加できるので、問題なくスプリンドまで繋がる。
魔法罠コストの供給とエルフスプリンド以外に目立ったシナジーはないが、そもそも最低枚数に抑えればスローン+2枚とEX1枠しか消費しないので、誘発ケアができる事を考えれば十分だろう。
黒衣竜+気炎(+烙印ギミック)

サイドは烙印関連で使えそうなカード
アステーリャの墓地効果を簡単に起動できる黒衣竜と、それをサーチしつつコストにできる気炎の出張セット。EXのコストはどれでもいいが、特段の理由がないなら、採用の有無によらず墓地にいるだけで相手にルルワリリスの圧をかけられるグランギニョルがちょうどいいだろう。

このルートの通り、1ドローを挟みつつアステーリャの②を起動できる。デッキ内にサーチ先がいないと手札のアステーリャを落とせないので、アルビオンを素引きした時のことを考えると2枚目以降のサーチ先がある方が動きやすいか。アルビオンの2枚目でもいいが、光魔法使いとして運用できるカルテシアや白エク、クエムなどを採用してみてもいいかもしれない。
カルテシアならば融合召喚を絡めた展開ができるし、特に追加で融合獣を採用しなくてもグランギニョルで☆8の素材と墓地送りでの手数を追加することもできる(気炎のコストで落とすと2枚目が必要にはなるが)。
白エクは本家アルバスを採用しておくと相手ターンの追加妨害になる。アルバスの手札コストも、白き森魔法罠を切れば場に返ってくるので誤魔化しは効きやすい。そこまで入れるならアナコンダ+烙印融合の出張も無理なく採用できるだろう。
クエムは上記いずれかの採用が前提になるが、ドラグマ名称がルールで付いているのでバスタードからでもグランギニョルからでもリクルートできる。いなりのS召喚やディアベルなどで蘇生効果も能動的に起動できるため、もはやギミックどころか混成構築に片足突っ込むことになるが、余った手数から追加で2妨害ぐらい生み出せるようになるだろう。
ドロドロゴン+アルビオン


最悪投げられたニビルでもいい。

ヘルカイトプテラ(ドロドロゴン)+ドラゴン族(アルビオン)
里を素引き前提で終わらせず、EXから確定で触れるようにしたルート。盤面の光1体は消えるが、ホーンドが6の非チューナーとして残ってくれるので、4+6でバロネスで無効妨害を構えたり、光闇素材のアンヘルで耐性を追加したり、6+6で妨害効果持ちの魔法使いとしてルルワリリスを置いておくこともできる。この展開では里の条件を満たす魔法使いの方は別で必要なので注意。
ドロドロゴンからは、この里展開以外も上述のスプリンド出張の項でも書いた通り超雷龍やミラジェイド、グランギニョルなど「名称指定+展開中に盤面に残るモンスター」で成立できる融合モンスターを絡めた盤面を成立させることができるので、出張展開ではお世話になることがあるかもしれない。
展開例
白き森魔法罠1=魔法罠コスト2+ヴェーラー(=ルシエラのサーチを任意の光魔法使いにできる)の換算
他の手札やフィールドの状態には一切依存しない
という条件のもと、最小限の要求値での展開例をいくつか載せておく。上振れ展開や混成ギミックに関する部分は時間がないので、また別記事で時間があればまとめる。
アステーリャ+魔法罠コスト1
基本展開。コスト魔法罠以外の手札消費なし、マスカレ+ディアベル+いなりで概算3妨害。うち2回は全体裏守備なので対面によっては無限妨害レベルで刺さる。エルフの対象耐性による場持ちのよさ、蘇生効果によるマスカレといなりの素材確保、リゼットの②の効果を活用してしっかりリソースを残せるので返しのターンも息切れせずに戦える。
上記展開のドロバ受けについて
シルヴィのサーチでいなりから入っているが、これはサーチ後にドロバを貰っても最低限いなり→シルウィアからの妨害を構えられるようにするためだ。先述の通り一切手札を消費していないため、エルフ+いなりシルウィア+残りの手札4枚が最終盤面といったところか。あくまでこの展開は「それ以外に動ける札が全くない」場合でも最低限これができる、というものであり、このデッキで手数にならない手札≒モンスター誘発なので、いなりの切りどころだけ気を付ければ余程ターンは帰ってくるはずだ。
リゼット+魔法罠コスト1
リゼットはかなり手数を伸ばせるように見える(実際伸ばしはしやすい)が、実は魔法罠コストが1枚分しかない場合はシルヴィに召喚権を切ることになるため盤面は伸びづらい。アステーリャに全く触れない代わりに道中でルシアの1ドローを絡められるので、手札誘発などを引き込んでくることはできる。
リゼット+魔法罠2
コストの2枚目があると、アステーリャをサーチして基本展開に合流できる。コストの+1枚分として、この展開ではルシアの1ドローがついてきてさらにディアベルでの回収先も自由になる(よっぽどディアベル自身のコスト用なのであまり関係ないかもしれないが……)。
まとめ
スミスがいない代わりにエルフが生きてるので手数はOCGでの実装当時とはあんまり差はなさそう
無限才号をコストとしてストレスフリーに採用できるのがMD環境では強そう
→結果的にそこそこ流行っていろいろ研究が勝手に進みそう
昨日の夜からちょこちょこ書き進めていたが、流石にもう眠いので書き終えて寝ることにして、とりあえずこれ以上のことは実装後にまた考える。
ここまで読んでくださった根気ある方へ、まずはその根気への称賛と呼んでくださったことへの感謝を。今後もたまに遊戯王だったりそれ以外だったり気ままに執筆していく予定なので、よければフォローやNoteのスキ!機能、記事の共有等していただけると励みになります。