アサヒビール大山崎山荘美術館「みうらじゅんマイ遺品展」にいってきた話
みなさま、ごきげんよう。
2月下旬のとある平日に、京都府乙訓郡大山崎町にあるアサヒビール大山崎山荘美術館にて開催中だった「みうらじゅんマイ遺品展」に行ってまいりました。
簡単な感想ではございますが、よろしければご覧ください。
◆みうらじゅん先生の思ひ出
学生時代、中島らもさんのエッセイ本や小説がとても好きで、なにがきっかけだったか覚えてはいないのですが、とにかく気がついたら「中島らもの明るい悩み相談室」シリーズを読み、その後、らもさんのありとあらゆるエッセイ本や小説を読み漁るようになりました。
らもさんのエッセイだったか短編小説のひとつに、変な架空の言語をイヤらしい言葉として延々と羅列しているという表現があったのですが、その一節がとても好きで、もう一度読んでみたいと思いつつも、なんせ本のタイトルを忘れてしまったのでもう2度と読むことができないという思い出があります。
あ、話が外れました。
らもさんのエッセイには、それぞれの内容に合わせた摩訶不思議なイラストが添えられており、その中のひとつに、みうらじゅん先生のイラストも掲載されていたわけですが、本当にゆるくて、一見すると流し見しそうになるのですが、味わい深い一言も添えられているが故に心に残り、この人はどうしてこんなにも自分の”サガ”をここまで堂々と晒すことができるのだろうか…とずっと気になっておりました。
それから数年経過し、皆さんご存知の「マイブーム」「ゆるキャラ」といった用語をサクサクっと世に繰り広げていったお方、という印象で私の中に残っていくのでありました。
◆アサヒビール大山崎山荘美術館開館25周年記念の展覧会「みうらじゅんマイ遺品展」
「見仏記」や、ラジオ「安住紳一郎の日曜天国」でのゲスト出演時にその時々でみうらじゅんさんが夢中になっているモノや事柄についてお話されていたので、[since]シリーズや[ゴムヘビ]、街の中で般若心経を探す[アウトドア般若心経]、もらうと大変困ってしまう[いやげもの]等の存在は知っていたのですが、とにかく、これまで長年に渡って収集・制作されてきた「マイ遺品」の物量に驚愕いたしました。
小学生の頃から、スクラップを始め、怪獣、プロレス、仏像、ありとあらゆる芸能・文化、そしてエロと、とんでもない量のスクラップがコレクション制作されており、その物量を目の当たりにすると、どんなものでも「大量の何か」として意味を持ち、それらがとんでもない数として集合すると最終的に武器みたいな大きな存在になるんだなと、太刀打ちできない情熱と執念にクラクラしてしまいました。
また、コロナ禍の中で制作されていたという「コロナ画55(ゴーゴー)」も壮大な叙事詩のようなものになっていました。走馬灯的な作品と銘打っているように、みうら先生のありとあらゆる”サガ”が、これでもか!!これでもか!!!と表現されていました。
◆思っていた以上に…
先ほどご紹介したモノに加えて、冷蔵庫マグネットの「冷マ」ブーム、「フィギュ和」ブーム、「テングー」ブーム、「飛び出し坊や」ブーム、等とにかくとんでもない量のコレクションが並んでおりました。山荘美術館の展示室内を進むにつれて、自分ではあまり意識していなかったのですが、思っていた以上に圧倒的な物量と収集への情熱にあてられたようで、2階の喫茶店では、迷いなく「よし、休もう。休憩だ。」と、一服することにしました。
そこでは、会期中にカフェ企画として「みうらじゅんマイ遺品展特製どら焼き」なるものが展開されていたので、早速お茶セットで注文することにしました。
焼き印入りのどら焼きはほどよい甘さで、疲れた身(心)体に染み渡りました。また、どら焼き以上に、一緒に注文した、ほうじ茶がとっても美味しくて、「こりゃ、染み入りますなあ…」とひとり感動してしまいました。
他のファンのみなさんも、どら焼きセットを注文しては嬉しそうに写真におさめ、どら焼きを美味しそうに頬張っていらっしゃいました。
◆なんちゅう落差!
ここも作品があるのかしら~と思い、足を運んだ第7展示室でのこと。
ほど半地下に展開している展示室内には、なんと、モネの睡蓮と、ルノワールさんの作品が展示されていました。
直前まで、みうら先生が収集された、ごく普通の大量の雑貨類と、絵画作品と、大量のスクラップと長年の情熱を浴びるように眺め回した後でのモネとルノワールとの御対面は、これまで感じたことのない不思議な気持ちに包まれました。
「なんちゅう落差じゃ…」
と、さらにフラフラした足取りで鑑賞し、会場を後にしました。
私が訪れた時はまだ図録制作期間中とのことでしたので、予約をしておきました。また、ある日ひょっこり自宅に届くのかなと思うと、とても楽しみです。
◆みうらじゅんマイ遺品展
2021年12月18日(土)ー2022年3月6日(日)
10時ー17時(入場は16時30分まで)
アサヒビール大山崎山荘美術館
(〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3)休館日・月曜日
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?